第107話
1st Anniversary Grand Tournament――その最後を飾るに相応しい団体戦決勝の時が訪れた。
会場全体がざわめき、期待と熱気が渦巻く中、照明がゆっくりと落とされる。
「さあ皆様! 四日間に渡って繰り広げられてきた死闘、その集大成です! 団体戦・決勝戦をコールいたします!」
まず響いたのは、クライガーパーティの名だった。
「一回戦ではプレイヤー自らが前線に立ち、個人戦覇者《最終兵器》呂布奉先、前田慶次郎、そしてプレイヤーのアースを瞬く間に撃破。続く準決勝では、元MK幹部グルーを、メンバーである切り裂きジャック――ジャック・ザ・リッパーが瞬殺。危なげなく、まさに王者の歩みでここまで勝ち上がってきたパーティだ。」
割れんばかりの歓声が会場を包む。
続いて、ラビィパーティのコール。
「一回戦では女性集団アアアアパーティを相手に、躊躇する二人をよそに残る三人で圧倒的勝利。準決勝では、俺つよパーティプレイヤーの渾身の突進を、凄まじい機転で捌き切り、リングアウト勝利をもぎ取った。」
こちらもまた、会場の熱を一段階引き上げるほどの喝采を浴びる。
予選、個人戦、複数戦、そして団体戦。
四日間に及ぶ死闘の果て。
「どちらが栄光を掴むのか! どちらが団体戦の称号を手にするのか! 瞬き厳禁! それでは――」
試合開始のコールが高らかに響いた。
しかし、白熱する会場とは裏腹に、リング上は静かだった。
クライガーが、穏やかな表情でラビィを見つめる。
「本当にお強いパーティですね。ラビィさんも然る事乍ら、メンバーそれぞれが役割を果たし、それが何倍にも膨れ上がる……素晴らしい」
「ありがとうございます。でも、クライガーさんのパーティも、ここまで危なげなく来てますよ」
「ハハッ……まぐれ、ではありませんよ」
「ふふっ、分かっています。……では、行きます」
ラビィの足元が弾けた。
「兎の跳躍!」
前方へ超加速。
間髪入れず、闇が広がる。
「――闇兎!」
だが次の瞬間。
ガキンッ、と金属音が闇の中で響いた。
闇が晴れる。
ラビィの刹那の一撃は、クライガーの剣によって、確かに受け止められていた。
「残念……ゲームオーバーですね……」
その言葉と同時だった。
ラビィの喉元には冷たいナイフ。
額には鋭いクナイ。
背中からは剣が、腹には曲刀が。
切り裂きジャック、風魔小太郎、ジル・ド・レ、ハサン・サッバーフ。
四方向から突き付けられた刃は、すべて薄皮一枚の位置で、ぴたりと止まっていた。
「ラビィちゃん!」
ジャンヌたちが駆け出そうとした、その瞬間。
クライガーが、パチン、と指を鳴らす。
止まっていた四つの刃が、一斉に――
「しょ、勝者ぁぁ――! しょ、勝者ぁぁ!」
実況の叫びと共に、視界が切り替わる。
瞬間決着。
転送エリアに、ラビィの姿が現れた。
リング上を見上げ、ラビィは屈託のない笑顔を向ける。
「またやりましょうね! 今度は、もっと冷静に行きます」
その笑顔に、クライガーも思わずつられて笑った。
「貴女は……もっと強くなりますね」
こうして、闘技大会の全日程が終了した。
表彰式が始まり、大会委員長が感慨深げに語る。
「それでは、各部門の優勝者へ、報酬授与を行います」
「個人戦優勝――呂布奉先殿。」
面倒くさそうに前へ出る呂布に、称号 《最終兵器》、新エリア優先入場権、そして新アイテム【可搬式拠点】が贈られる。
「続いて、複数戦優勝――ラビィ殿、ドラキュ殿。」
少し緊張した面持ちで前に出るラビィの後ろを、ドラキュがふわふわとついていく。
称号と新エリア、新アイテムの報酬が授与された。
そして最後に。
「団体戦優勝――クライガーパーティ。」
代表としてクライガーが、メンバーたちとハイタッチを交わしながら前へ進む。
称号 《レガリア・ドミネーション》。
新エリア優先入場権。
そして【可搬式拠点】。
「皆様、今一度――盛大な拍手を!」
鳴り止まぬ拍手と歓声の中、1st Anniversary Grand Tournamentは、幕を下ろした。
その拍手は、終わりではなく――
次なる物語の始まりを、確かに告げていた。
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