第101話
一回戦第二試合のコールが、会場に高らかに響いた。
「続いての試合は――アースパーティ、対、クライガーパーティ!」
照明が落ち、スポットライトが一気にリング入口を照らす。
「アースパーティの入場だぁぁぁ!」
最初に姿を現したのは、堂々たる武将の威容。
個人戦優勝者、《最終兵器》の称号を持つ――呂布奉先。
その下には、燃えるような鬣を持つ愛馬・赤兎馬。
続いて現れたのは、戦国一の傾奇者、前田慶次郎。
松風の背に跨り、手には鮮烈な朱色の柄に鋭い穂先の大槍を持つ。
「中華最強コンビと戦国随一の猛者! これがアースパーティだ!」
会場は大歓声に包まれる。
誰もが、この試合の行方を疑っていなかった。
「続いて、クライガーパーティ!」
白を基調とした軽装鎧に身を包んだ、爽やかな青年が現れる。
清潔感のある金髪、穏やかな微笑。
いかにも聖騎士然とした佇まいのクライガー。
だが、その背後に続いて入場してきたメンバーたちを見て、会場の空気がわずかに揺れた。
小綺麗ではあるが、どこか冴えない中年男性たち。
アースパーティとの対比に、観客席から失笑と軽いヤジが飛ぶ。
クライガーは気にした様子もなく、軽く手を振った。
――試合開始。
クライガーは仲間たちを振り返り、穏やかな声で言った。
「ここは僕一人で大丈夫です。皆さんは休んでいてください」
リング上でそれを聞いたアースが、わずかに舌打ちする。
呂布と慶次郎も、馬上で視線を交わした。
アースは冷静さを保ったまま、二人に言う。
「一撃で終わらせて。呂布、慶次郎」
応えるように、二人の猛者が武器を構える。
次の瞬間――
赤兎馬と松風が同時に地を蹴った。
呂布の方天画戟。
慶次郎の朱槍。
二つの必殺の一撃が、一直線にクライガーへと迫る。
――だが。
クライガーは、その場で微動だにしなかった。
口元だけが、かすかに動く。
「……メンバーを先に……いや……プレイヤーを……」
「よし、決めた」
轟音。
だが、その衝撃が貫いたのはクライガーではなかった。
呂布の方天画戟と、慶次郎の朱槍が、空中で激突していた。
「な――っ!」
クライガーはフワリと二人の間を軽やかに抜ける。
次の瞬間、二人の猛者の身体が光に包まれる。
驚愕の表情のまま、呂布と慶次郎は消失した。
着地と同時に、クライガーの剣が閃く。
一閃。
迷いも溜めもない、完璧な軌道。
剣はそのまま、アースの身体を貫いた。
光が弾け、アースも消失する。
――静寂。
実況者も、観客も、何が起きたのか理解できずにいた。
クライガーは剣を下ろし、実況者を見る。
「実況の方……勝者コールは?」
「えっ……?あっ……!しょ、勝者ぁぁ! クライガーパーティ!!」
一拍遅れて、会場が爆発するような歓声に包まれた。
クライガーは爽やかな笑顔で手を振り、そのまま仲間たちと共にリングを後にする。
団体戦は、誰も予想しなかった大番狂わせと共に幕を開けた。
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