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第100話

「それではッ!団体戦 《レガリア・ドミネーション》!第1回戦第1試合……試合開始ィ!!」


実況のコールと同時に、会場の空気が一気に張り詰めた。


美香りんパーティが前へ出る。

その構成は、いかにも“アイドルパーティ”らしからぬバランス良いパーティだった。


前衛に立つのは、屈強な体つきの男性メンバー――陣。

分厚い装甲に身を包み、盾と大剣を構える姿は頼もしい。

後方にはサポート役の女性メンバー、ナッツ。すでに詠唱を始め、陣へと強化魔法を重ねていく。

もう一人、後方で弓を携え構えるアーチャーのレイジ。

そして、ちょこちょこと動き回るのは、美香りんのマスコット的存在、ペンギンのペンタゴン。


「陣くん、お願い!」


美香りんの声に応え、ナッツのバフが完成する。

相手は、プレイヤーただ一人。

陣は雄叫びを上げ、真正面に立つグルーへと突進した。


迫り来る陣に対し、腰に差していた剣をゆっくりと抜き放つ。


グルーは剣を片手で持ち、もう一方の手で軽く招いた。

かかって来い――とでも言わんばかりに挑発をする。


次の瞬間。


キン、と澄んだ金属音が響いた。


陣の大剣が振り下ろされるより早く、グルーの剣が閃く。

一歩、半身。

無駄のない動きで放たれた一撃は、陣の防御をすり抜けた。


「なっ……!」


言葉を発する暇すらなく、陣の身体は光に包まれ、消失する。


「え……?」


美香りんの声が、間の抜けた形で零れ落ちた。


前衛を失ったパーティに、間髪入れずグルーが踏み込む。

狙いはプレイヤー美香りん――ではない。


まず、ナッツ。


「きゃっ――」


背後に回り込まれた瞬間、一閃。

ナッツは悲鳴を上げる間もなく消失した。

レイジは急いで矢を放つがグルーは軽々と剣でさばき、レイジを消失。


「ペンタゴン、逃げ――」


美香りんの声が届く前に、ペンタゴンが必死に走り出す。

だが、その小さな背中を、容赦なく剣が斬り裂いた。

ペンタゴンもまた、光となって消える。


リング中央に残されたのは、美香りんただ一人。


「ちょ……ちょっと、待ってよ……!」


後ずさる美香りんを前に、グルーは静かに口を開いた。


「……自己紹介をしておこう」

「私は元、MK集団幹部の一人だ」


ざわっ、と会場が一斉に騒めく。

その名が持つ意味を、誰もが理解していた。


「イベント気分でしたか?」

「悪いですが、この大会」


グルーは剣先を、美香りんへと向ける。


「――ただの憂さ晴らしです」


一歩、踏み込み。

一閃。


美香りんは為す術もなく、その身を光に包まれ――消失した。


「し、試合終了ォ!!

勝者……グルーパーティ!!」


実況の声が響くが、会場は祝福どころではない。

美香りん応援団から、怒号と罵声が飛び交う。


「ふざけんな!」

「卑怯だろ!」


グルーはリングを降りる直前、振り返った。

観客席へ向け、剣を突きつける。


「……なんなら、やりますか?」


薄く浮かべた笑み。

その一言で、応援団は言葉を失った。


グルーは満足げに笑い、そのままリングを後にする。


――控え室。


モニター越しにその光景を見ていたラビィたちは、沈黙していた。

やがてラビィは、静かに拳を握りしめる。


「……まだ、残ってたんだ。MKの残党……」


団体戦 《レガリア・ドミネーション》。

それは、ただの大会イベントでは終わらない。

誰もが、そう直感し始めていた。

ここまでお読み下さり本当にありがとうございます!


更新日時は毎日致します。

平日:7時頃、12時頃、20時頃の1日3話

土、日、祝:12時頃、16時頃、20時頃の1日3話

で行います。


少しでも

面白かった。続きを読んでみたい。頑張って。と思われた方、よろしければブックマークもお願いします!

感想などもお待ちしております。

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