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3-8 業界人、頼もしい味方を得る



初日に伝説を作った私は開き直って翌日もカジノへ向かった。


結果、ブラックジャックとバカラ、ルーレットでミラクルを連発。

ついにカジノから丁寧に退出を求められてしまった。

出禁確定だったので、カジノを出ていく帰り道にスロットでジャックポットを3回(3回転)出してホテルへ凱旋したのだった。  


―――――――


「ボス、結局いくらになったの?」


待機組と合流してレストランでディナーを楽しんでいるとアンナから戦果を聞かれた。


「初日30億だろ、今日は33億だから合計63 億だな」


「ヤバすぎですよそれ。こんなところでメシ食ってて大丈夫なんですか?」


「カジノ潰れるんじゃない?」


「おじさんすごーい!」


『いや、それがすごいニュースになったからカジノに人が殺到してるらしい。併設ホテルの予約もとんでもないことになってるみたいだ。むしろさっきオーナーがきてボスに御礼をいってたぞ』


『警備もつけてくれたしね。ボス、VIPだね』


「でもカジノ出禁だけどな。ホテルリゾートには永久無料で来てくれていいってさ。ラッキーカジノってことで有名になったから」


とにかくも資金調達は一旦これで良しとしよう。

タクスケの言うようによからぬ人に狙われる可能性もあるかもしれない。

能力で撃退できるだろうがアンジーも一緒だしここは早めにホームに戻ったほうが良さそうだ。


明日の朝イチでチェックアウトしてホームに戻ることを決めて、解散した。

警備がつくとはいえ、念のため全員部屋からは出ないようにすることにした。


翌早朝、まだ人もまばらなうちにホテルをチェックアウトして私たちは帰路についた。


『大成功だなボス。次はどうする?』


「私たちが日本に帰るとマジックボックスは使えないからな。大金をどう管理するか考えないと」


「あー! 確かにそうですね。『マイク! 僕とツバメさんがいるうちにデカい買い物は済ませたいんだけど』」


『オッケーだ。基地の知り合いにアポを取っておく。ホームに戻ったら会いに行こう』


移動しながらマイクが連絡をしたところ、今日のうちに会えることになった。ホームに戻り、タクスケ、アンナとアンジーを降ろしてからそのまま基地へ向かう――。


―――――――


『お久しぶりです!マイク中佐!』


『ジョニー! 元気にしてたか? おまえ中将だってな! 出世したな!』


『中佐の指導のおかげですよ』


『ああ、紹介するぜ。新しいパートナーだ。ボスのツバメとその仲間のタクスケ、ゴローだ』


紹介を受けて握手を交わす。

急な訪問であまり時間がないそうで、さっそく本題に入った。


『装甲車が欲しいんだ。なにかいいルートはないか?』


『私を通すってことは払い下げから良品を横流しするレベルじゃダメってことですよね……。ともあれ、外に……特に日本に持ち込むのは無理ですよ』


『それは大丈夫だ。こっちでなんとかする。但し、民間仕様にせず軍仕様の装甲のままで手に入れたい』


『なら同盟国に売る型落ちを回すことになりますね。難しいですけどなんとかしますよ』


『助かるよ。手に入れてもお前に迷惑がかかるようなことは絶対にない。そこは安心してくれ』


『そんなことする人じゃないことはわかってますよ。どんなものが必要ですか?』


『キャタピラはいらない。M1117…ガーディアン、あとは装甲仕様のハンヴィーと輸送トラックだな。数はどれくらい頼めそうだ?』


『確認しておきます。ちょうど新型との入れ替えが進んでます。いくつかアクティブな話があるのでそこからうまく回しますよ』


『助かるよジョニー。借りができたな』


次回、調整可能な台数と金額が提示されることになった。

初回の話し合いはスムーズに進んだ。



―――――――



ジョニーからの連絡を待つ間も私たちは資金集めを続けた。


遠征組は私とタクスケのコンビだ。

連絡がいつあるかわからないのでマイクには待機を頼んだ。

今後のことを考えるとゴローにも関係は深めておいてもらいたいので今回は留守番だ。


今回の遠征先はカジノの本場、ラスベガス。

ダラスから3時間のフライトだった。


選んだカジノすべてで出禁になるのは当然。

ほかにもいろんなハプニングがあったものの、3日間の滞在で100億以上の資金をゲットした。

世界の終わりがこなかったら、私はもう二度とラスベガスには入れないと思う。


これでトータル資金は200億を超えた。


ジョニーから連絡がきたのは私たちがベガスから戻った翌日だった。



―――――――



『待たせてしまってすみません、中佐』


『こっちこそ無理を頼んですまないな。どうだった?』


『ガーディアンは3台いけます。ハンヴィーと輸送トラックはいくらでも大丈夫です』


『おお、ガーディアン3台はありがたい。ならハンヴィー20、トラックは10で頼む』


『交換部品のほうが手こずりましたがなんとか用意できました。半世紀は乗り続けられますよ』


『本当に助かった! ありがとうな、ジョニー!』


「お支払いはいくらになりますか?」


『まあその前に。ツバメ、理由は教えてくれないのか?』


「……………中将にはまだ話せません』 


『……そうか』


『でもジョニー個人になら話しますよ』


『……いいのか?』


『はい。証拠はお見せできませんが、言葉でなら。「ゴロー、難しい話になるから通訳頼む」』


そうして私はジョニーにこの世界が終わること……そしてその先に起きることを伝えたのだった。



――――――――



『………なんてことだ』 


ジョニーは天を仰いでそう呟いた。


『信じるんですか?』


『ツバメの言葉を借りるなら、中将としては信じるわけにはいかないが、個人的には信じているよ。マイクが信じてるんだろ。なら真実だ』


『「こんな話を公式に信じろというのが無理なことでしょう。願わくばアメリカにも備えてほしいのですが」』


『そうだな。いくらなんでもこの段階で国を動かすのは無理だ。それにもし仮に国が信じたらツバメを獲りに動くだろう。それは私の本意じゃない。そしてそれには大きな犠牲も出る。君たちにじゃない。こちらにだよ。今のアメリカの技術でツバメを生かして捕らえることは不可能だ』


『「この国にきて思ったことがあります。この国は強い。国としても個人としても。もしこのまま世界が交じってもアメリカは残れるかもしれない」』


『ありがとう。なにができるかはわからない。でも必ず起きることとして私は私にできる範囲でこの国を守る動きを取ろうと思う。だからこれからも連絡は取り合わせてほしいし、私もツバメたちを裏でバックアップすることを約束するよ』


こうして私はアメリカ陸軍にも心強い仲間を得ることができた。


最後にジョニーはこう言ってくれた。


『ツバメ、マイク。今回の支払いは1ドルでいい。この真実にはこちらが100億ドル払っても足りないくらいの価値がある』



ジョニー・スミス

アメリカ陸軍の将校。

マイクの元部下。

ツバメを信頼して日本への援助を行う。


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