3-7 業界人、カジノで無双する
ガンショップのオーナー、マイクと孫のアンジーが仲間になった。
『オレはゴローたちと10月に日本へ行けばいいんだな』
「そうだ。でもそれまでにも一度日本に来てほしい。拠点づくりにも意見がもらいたい」
『ベース作りにも意見がほしいそうだ。本格的な移住は秋だけど、それまでにも何度かアンジーと一緒に日本にこれないか?』
『もちろんだ。アンジーはまだ学校に通う歳じゃないからな。いつでも動けるぜ』
「助かるよ。マイクはゴローと協力して調達を進めてほしい。世界が交じれば文明がどうなるかわからない。流通が機能しなくなることも考えてなるべく多くの武器弾薬を集めてほしいんだ」
タクスケ経由でより詳細なリクエストをする。
『了解だツバメ。大量にストックしておこう。店ごと持っていけるってんだから簡単だ。仕事柄、アーミーにもツテはあるからな。たっぷり集めておくぜ。装甲車も任せとけ』
頼もしすぎる!
となると……資金はもっと必要だな。
日本円を金に替えて持ってきているがいちいち現金化するのは手間だ。
こっちで【超絶ウルトララッキー】に活躍してもらうか。
ちょっとばかり資金を集めよう。
『マイク、カジノに行きたいんだけど案内頼めるか?』
『いきなりなんだ? テキサスにカジノは無いぜ』
『え、そうなのか? てっきりアメリカなんてどこにでもカジノがあると思ってたんだが』
『ひとつだけならあるんだが、ネイティブアメリカンの店で大きく稼ぐには悪目立ちするだろうな。ここからならオクラホマにデカいカジノがあるぜ。車で2時間もあれば行ける。あそこなら夢みたいな勝ち方もあり得るからな』
さっそく私たちはオクラホマへ向かうことにした。
今回は別のクルマに乗ってみようということになり、ゴローがGMCのサバナというフルサイズのバンを用意した。
「これまた大きいな! ていうか長い!」
「もともと12人乗りですからね。こいつは金持ちが改造してリムジン仕様になってるんで居心地には自信ありますよ! どうぞ乗ってください」
乗ってみると確かに豪華だ。これならカジノに乗り付けても格好がつきそうだ。
道中はひたすら作戦会議。
新年ととも世界が交じるとまずゾンビが現れること。
モンスターは次第に違うものもやってくること。
状況によってこちらの世界の世紀末化もあり得るし、やっかいなのは魔法の概念が加わること。
今のところは日本に3つの拠点を準備していることも伝えた。
どの規模でどう備えるべきか――議論は尽きないのだった。
―――――――
荒野をひたすら走り続けると、そこへ突如として姿を現したのは巨大なカジノリゾートだった。
「すごいな! こんなデカいとは!」
「さすがは世界最大規模ですね。ググったらスロットだけで7000台以上あるらしいですよ」
「なんだよそれ。多すぎだろ! すごいな!」
ホテルにチェックインした私たちは二手にわかれて行動することにした。
カジノチームは私、ゴロー、マイク。
ホテル待機チームはアンナとアンジー。タクスケはふたりのボディガード担当だ。
カジノは何度か経験したがその時に遊んだのはもっぱらカードゲームかルーレットだった。
今回は【超絶ウルトララッキー】という最強の武器があるのだから、リターンがもっとも大きいスロットマシンがターゲットになる。
過去最高はラスベガスのスロットで42億というのが世界記録だそうだ。
やるからにはこれを超える記録を狙いたい。
さっそく目についたスロットでプレイすることにした。
このスロットはプログレッシブというスタイルで、オンラインで世界中のマシンとつながっており、プレイされたお金がどんどんストックされる。
ジャックポットが出した人が全てゲットすることができる仕組みだ。
確率はなんと5000万分の1……。
そう簡単には出ないだろうが神様を信じるしかない。
私は願いを込めてボタンを押した――。
1回転で当たりました。
ジャックポットです。
何かなんだかわからないうちに店員がやってきて周りはとんでもない大騒ぎ。
よく見ないでプレイしたけれど、タイミングよくしっかりストックも溜まっていたようで一撃で世界記録更新の48億円をゲットしてしまった。
いや、神様を信じないわけではなかったけれど。
1回転はやりすぎでしょう。
大騒ぎの中、不正がないかマシンのチェックが行われる。
もちろん何事もなく当選は確定!
周囲の客からはとんでもない熱量で祝福を受けたのだった。
あまりにその盛り上がりがすごいので「早く離れたい」とスタッフに告げたところ、トドメのもうひと波乱が。
儀式として、当てた人が大当たり画面を崩すためもう一度回すように言われたのだけど………そこで続けてジャックポットが出てしまったのだ。
神様、それはやりすぎだよ。
いやもう、周囲は大絶叫。
カジノ中がお祭り騒ぎになってしまった。
ストックがないので最低保証しかもらえないのだがそれでも1000万ドルで10億超え。
またしてもマシンのチェックからやり直し。
とんでもない数のスタッフが集まり念入りに念入りを重ねた確認の後、連続当選が確定したのだった。
次の画面崩しはゴローにやらせて無事ハズレ。
ようやくその場から解放されたのだった。
別室では金額が記入された大きなボード(2枚)を持たされて記念撮影をされた。
ついでに現地のメディア取材も申し込まれたが全力でお断りした。
とはいえ、手続きの中で衝撃の事実が。
これだけの当せん金の場合、一括で受け取ろうとすると手数料で半額近く取られてしまうらしい。
一般的には毎年何億かずつ受け取り続けるらしいのだがもうすぐ世界が終わるというのにその選択肢はあり得ない。
思ったより実入りは少なかった
(いや、多いけど)
チートによるカジノ錬金術
→30億/税抜 (2回転)




