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2-7 業界人、チームを組む



「実はこの世界、あと半年で終わっちゃうんだよね」


しばらくの無言のあと、3人は次々と質問をしてきた。

ひとつひとつ丁寧に説明したこともあるが、そもそも瞬間移動みたいな私の動きを目にしたあとであり、どうやら信じるしかなかったようだ。


トドメではないけれど、マジックボックスを出してソファやらテーブルやらを出し入れしたらみんなそのまま動かなくなってしまった。


――――――


「想像を超えたヤバさっすね……。ツバメさんとんでもないネタぶち込んでましたね」


「私もまだ混乱してるけどな。ネモには今日そのことを伝えて手助けを頼もうと思っていたんだ。ヒカリとタクスケは巻き込んじゃって申し訳ないな」


「あと半年しかないってんならまあ店をやってても仕方ないですしね。壁はこのまんまでいいですよ」


「私も。そんな未来が来るなら女優やってる場合じゃないよね。あ、でも再来年くらいまでスケジュールいっぱいなんだけど。これ社長にも話しておいたほうがいいよね」


その後も詳しい状況を打ち明けたところ、世界が終わるというのは紛れもない事実だと受け止めてくれた。


「オレはすぐにでもツバメさんのチームに交流したいっすね」


「ボクもです。どさくさ紛れに知っちゃった身ですけど雇われ店長やってても仕方ないです。もし誘ってもらえるならぜひ参加させてください」


「私も合流したい。でもまずは仕事の段取りがどうなるかだなあ。社長はツバメさんのことめっちゃ信頼してるから最終的には社長ごとチームに参加するような気もするけどな」


「みんな信じてくれてありがとう。ここにいるメンバーならもちろん大歓迎だ。でもまずは約束をしくれ。ある程度の準備が整うまでは拡散は控えてもらいたい。みんなにも大事な人はいると思う。時期はまだわからないけれど、その人たちにもできるだけ早く事実を伝えられるように段取りを進めたいと思う」


「「「わかりました」」」


3人には方針が決まったらすぐに連絡をすると伝えて今日のところは解散をした。


ハプニングによりものだったが、彼らなら間違いなく信頼できる頼もしいチームになりそうだ。 

でもまだまだメンバーは足りない。

明日からも全力で準備を進めよう。



―――――――



メンバーがチームに合流するまでに、できるだけのことを進めておくことにした。 


まずは友人に紹介してもらった、西麻布にある不動産屋へ向かう。


「13時にアポをいただいております金沢と申します。山橋さんはいらっしゃいますか」


「お待ちしてました。私が山橋です。どうぞこちらへ」


どうやら時間に合わせて受付で待っていてくれたようだ。

中肉中背、髪は金髪だが小綺麗にしていてむしろ清潔感を感じる不思議な女性だ。


案内されたオフィスは小さいながらもきちんと整理がされている。


「改めまして、山橋ミキと申します」

「ありがとうございます。金沢 燕です」


「本日はご来店ありがとうございます。冨川さんのご紹介でしたよね。お付き合いは長いのですか?」


「ええ、彼が事務所を立ち上げる前からですので……かれこれ20年ほどですかね」


「そうなんですね。冨川さんからも大事な友人だからくれぐれも頼むと伺ってますよ」


「それはありがたい限りです」


若い事務員が入室し、冷たいお茶が出された。


「さっそくなのですが、いくつか物件をお探しだとか」


「ええ、東京都内にひとつ、関東近郊にひとつ、あともし可能であれば地方に広めの物件を」


「ありがとうございます。もちろん全国どこでも精一杯ご案内させていただきます!」


その後もスムーズに打合せは進んだ。


「まず東京ですが、小さなマンションを1棟か、あるいは広い庭付きの戸建て。建物よりも周辺条件優先ですね」


「はい。隣接した建物があるのはNGです。駅からの利便性などは一切気にしませんのでむしろ人口密集エリアは避けられれば避けられるだけ嬉しいです。周辺を田んぼや畑などで囲まれたようなところが希望です」


「だとすると、東京の西のあたりですかね。奥多摩まで離れるのはどうですか?」


「少し大きなクルマを持ち込む予定なので、極端に狭い山道なんかは避けたいんですよね」


「なるほどわかりました。つぎに近郊ですが、こちらは完全に周囲に人がいない環境ですね」


「はい。とにかく広い土地を探してます。海か川が隣接していることが条件です。可能なら近くに山があれば最高ですが。あるいは逆に山の中で湖や川と隣接したような場所があればそれも選択肢になります」


「承知しました。こちらは土地のみということですね。あと地方は離島をお探しとか」


「ええ、そうなんです。もしくは完全な陸の孤島を探していただきたいと思ってます。……すみません、こんなリクエストなんて無いですよね」


「正直、本当に。こんなご注文は初めてです」


山橋さんはとてもカンが良く、会話をしただけで仕事が抜群にできる人だとわかった。


さすがは冨川。私のツボを理解している。

ヤツにはうまいものおごらねばならないな。




ネモ

35歳。ツバメと同じ出版社に勤める編集者。

DIYとキャンプが趣味。


ヒカリ

20歳。ドラマ主演クラスの女優。 

歌手としては元アイドルグループの不動のセンターだった。


タクスケ

28歳。六本木の会員制バーの雇われ店長。

調理師免許持ち。家事全般もこなせる。

元芸人でツバメと共通の業界の知り合いも多い。

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