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婚約破棄されました!


 ここは魔法のない世界。もちろん魔族、魔物はいない。人間の貴族階級のある中世時代である。



 学園の卒業記念パーティーにある男の声が響いた。


「お前とは婚約破棄をする!俺は真実の愛に目覚めたのだ!無理やり婚約させられて俺がどれだけ悲しんでいたかなんてお前は知らないだろう!どうせ政略結婚だからいいよなアリス!婚約破棄を受けいれろ!」 


 はぁ、学園の卒業パーティーが始まったばっかりなのに、このバカが台無しにした。このバカは私の婚約者ダン・アーバン公爵令息。もう元婚約者だけどね。隣に纏わりついてるのがイリア・バーン男爵令嬢ね。このバカは誰が主催してるかわからないのかしら?あ、そうかバカだからわからないのか!

 私だって真実の愛の相手と結婚したいわよ!何自分が被害者気取りでいるのよ!王家の頼みだから断れなくて婚約させられた私も被害者よ!でもこれだけの人達の前で言ってくれたおかげで婚約破棄できそうね!こんな大勢の貴族令嬢、令息の前で婚約破棄宣言しちゃったんだから王家も了承するだろう。やっとこのバカとはおさらばできるわ!毎月のお茶会では地味な女だ!とか辺境伯令嬢ごときが俺に指図するなとか最低な男だったわ!そろそろ私爆発してしまいそう‥ でも!まだ‥もう少しだけ我慢しましょう‥‥


「はい、婚約破棄了承致しましたわ。これからお父様に伝えて来ますので。では失礼致します。あとはこの場をお任せ致しますわ」


「お、お、おい!こんなあっさり婚約破棄していいのか?お前は俺の事好きで無理やり婚約してきだんだろアリス!」

 ダンはさっきの威厳がなくなり慌てた様子になっている。

 私がお前なんか好きになるわけないじゃん!どこに好きになる要素があるのよ!

「さっき自分で政略結婚といってたではないですか、このバ‥‥じゃなくて、アーバン公爵令息はもう忘れてしまったのですか?そんなことよりあなたの腕にまとわりついている御令嬢をほっといていいのですか?ほっぺが膨れ上がってますよ。では失礼致します。あと私の事は名前で呼ばないでくださいませアーバン公爵令息もう婚約者ではないのですから。これから大変ですが頑張って下さいませ。お二人の真実の愛なら乗り越えるでしょうね!ウフフ、さよなら元婚約者様!バイン男爵令嬢ありがとうございます、このバカを奪っていただき。ではお幸せに」

 私はゆっくり会場の真ん中を歩き優雅に自分の馬車まで歩いていった。 周りの卒業生達は唖然としていたがそうなるよなって皆思っていた。もうゲイツとイリアは不貞をしていたことなんて皆知っていたのだから。

 「おい!俺の事バカっていったのか!俺を侮辱しやがって!許さないからな〜たかが辺境伯令嬢のくせに」

 アリスはいないのに1人で騒いでいた。

 「よかっですねダン様!これで邪魔者はいなくなったわ!ふふふ、私はこれで公爵夫人になれるわ!」

 イリアは自分が将来公爵夫人になれると想像して有頂天になっている。

「そこのメイド!私にワインを持って来なさい!」

 もう女王様気取りだ。


「おい!ダン!このパーティーをよくも台無しにしてくれたな!王家の主催パーティーを」

 もう1人怒りを抱えてる者がいた。


「アーサー殿下!申し訳ありません。お騒がせしました。もう邪魔者がいなくなりましたので卒業パーティーを再開致しましょう」


「なぜお前に指図されなければならないのだ!衛兵!この騒がしい2人を連れて行け!邪魔者なのでな」


「ちょ、ちょと!アーサー殿下!私は邪魔者ではありませんよ!おい!衛兵の分際で俺に触るな!私は殿下の側近の公爵令息だぞ!」


「お前は始めから私の側近でも側近候補でもない!はぁ、お前はバカだから優秀な辺境伯令嬢と婚約していたのに公爵がかわいそうだな。そこの頭の弱そうな男爵令嬢と一緒に公爵を継げればいいなダンよ!まあ、無理だろうがな。衛兵!手荒な真似をしてもいいから牢につれていけ!王家に泥を塗ったんだからな」


 「やめろ〜俺に触れるなー」

ダンは暴れているが屈強の衛兵達に連れらていった。


「私は公爵夫人になるのよ!こんな扱いして!お前らなんて処刑してやるんだから!」

 イリスも暴れて騒いで物騒なこといってるが衛兵達は気にしない。処刑なんてできないのだから。これから2人は牢に入れられこの後どうなるからわかっているのだ。

「フッフッフ!これで邪魔者が消えた!これでやっとアリスを手に入れられる!」

 アーサー殿下はニヤリと笑った。


ーーーーーーーーーーー

ガタンゴトン、ガタンゴトン

馬車に揺られながら王都から離れた。


「婚約破棄できてよかったですねお嬢様!あんなクズ男の真実の愛とはなんだったんでしょうね!ただの不貞が真実の愛だなんてクズの考えることはわかりませんね!もしあのクズに嫁ぐとなった時はさっさとこの国を滅ぼそうと思いましたよ!」

 馬車に一緒に乗っている執事兼護衛の男が物騒なことをいっている。

「ネオ!ありがとう。真実の愛ってそんなにすばらしいのかしら?はぁ、私にもそんな相手が現れるのかしら!この世界にはいなさそうね。ネオ、まだこの国は滅ぼしてはダメよ。滅ぼすなら私の手でやるんだから。このために5年我慢してたのよ!我慢した後の発散は最高なの」

 アリスはうっとりした表情で魔法を発動した。巨大な魔法陣が空に浮かび上がり消えていった。


 「さあ、この世界ではどのくらい私を楽しませてくれるのかしら‥」

 今までのアリスの雰囲気がガラッと変わった。

「面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いしますm(_ _)m」

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