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大人の事情

作者: GONJI

多くの方が通る道

お先です!

19歳になった時についに来年は成人になるんだなぁとあまりいい気はしませんでした

何か事を起こしたら新聞に名前が出るんやぞ!

まあ、そんなヤバイことはまったく身に覚えのないことですが、友達と冗談のようにそう言っていました

酒もたばこも嗜める年齢になるけど、責任も持たないといけないですからね

そんな覚悟がいる19歳でした


25歳になった時には「あれ?この間19歳やったと思っていたのになぁ・・・四捨五入したら30歳やんか・・・こりゃおっさんと呼ばれる・・・嫌やなぁ」と感じました

今となれば30歳なんてまだまだ若く、昔から「30にして立つ」なんて言われるぐらいなので、そこからが本番勝負のはずですけどね・・・


そこから一年一年がとても嫌な気分で過ごしていたのを覚えています

そして29歳になった時には「ついにリーチだ!来年からおっさんなんやなぁ、嫌ややなぁ」と感じました

ところがいよいよ30歳を迎えた運命の日には「何や?何も変われへんやんか?」とやり過ごしたのを記憶しています


そして月日は流れて39歳になった時「さすがにもうこれはあかんやろ?完璧なおっさんへの準備期間だなぁ」と痛切に感じました

嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で・・・残念ながら何回言っても時間は戻らないのですね

40歳・・・「40にして惑わず」・・・まさに不惑の年齢・・・でも実際は人生迷ってばかりだけどねぇ・・・

もう取り返しのつかないおっさんになってしまうんだ・・・




私は10代の頃よりエレキギターのエフェクターを自作していました

自分の好みの音が出るまで徹夜も厭わない、のめり込んだらまっしぐらのタイプです

その頃より自分の事を「ハンダごて少年」と呼んでいました

とにかくハンダごて片手に基板に部品を取り付けて配線したりの日々を過ごしていました

数値をいろいろ計算して考えて音の変化を試奏しながらこつこつと作業していました

理想の音が出た時は嬉しいし、さらにやりきった感で超満足していました

これがあるからやめられない!

30歳になっても、40歳になっても、ハンダごて少年だったのです



ところが44歳となったある日にいつものようにハンダごて少年を満喫しようとして作業を開始すると何やらおかしい・・・

これまた戻りますが10代の頃より近視と軽い乱視でメガネをかけていました

その日はその部品の足にハンダを落とす位置が非常に分かりづらいのです

おや?

「見にくいよなぁ・・・」

1ミリぐらいの間隔のところにハンダを落とすのですが「やりにくいよなぁ・・・」

どうした?

メガネを外してみる

おお!よく見えるじゃないの!


あら・・・これって・・・大人の事情・・・かな?

え?大人の事情の眼力というやつか!・・・

ついに・・・

それ以降は順調?に、暗い所ではほんと見づらくなり、パソコン画面も見にくいし・・・

仕方なく大人の事情メガネを購入しました

車の運転もしないといけないので遠近両用というタイプにしました

レンズの上側が近視&乱視用で、下側が大人の事情用になっていて昔のように完全に分断しているのではなく、外からの見た目はわかりにくくなっているものでした


よしよし!これで見えるぞ!


ところが大人の事情というのは、もう大人なので止まるのか思えば、そんなことはなく順調?に進行するのです

パソコン画面をレンズの下の部分で見るので、大人の事情が進行するにつれて顔が上向きになり首の後がどんどん痛くなりだしたのです

最初のうちは何故首の後が痛くなるのかの理由が解らなかったのですがこれぞ進行というやつなんだ!と気付きました

仕方なしにまたメガネを更新しましたが、今度は遠近より近くが見える中近両用というのを新たに追加しました

遠近両用は車の運転の時には使用するので、パソコンを見るときだけ中近両用にかけかえました


よしよしこれで見えるぞ!


しかし、性懲りもなく大人の事情はまだまだ順調?に進行するのです

この中近両用でも見づらくなったので、ついにはさらに近いところが見える近近両用というのを追加しました


パソコンはこれでなんとか見えるようになりました


これで一件落着か?と思っていたら、ハンダ付けはこの近近両用でも見えないのです

やはりメガネを外すのが一番見えるのです

でもね、ハンダ付けする時にメガネを外すと、次のハンダ付けする部品を探す時に顔を上げてもぼやっとして全然見えないのです

で、メガネをかけて探すのです

ハンダ付け作業するのにメガネを外したりかけたり・・・もうイライラ・・・

細かいネジなんかも、メガネを外して取り付けようとしている時に滑って飛ばしたりしたら・・・さあ大変!メガネをかけて独りで大騒動になるのです


あー・・・もうハンダごて「少年」には戻れないんだ・・・

完全に大人なんだ・・・

大人のエレジーが頭の中で流れました


私は44歳で突然大人になってしまいました

しかし、45歳になった時にもう人生半分終わっただろうからこれからは大いに楽しむぞ!と決心したのです

大人になって1年しか経っていないのにこんなお気楽でええんでしょうかね?


そう思いながら、今では近近両用メガネのレンズも2回更新しました

大人の事情は懐事情にも大きく影響するのです


家にはメガネが10本あります


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― 新着の感想 ―
[一言] ローガンに取り憑かれると、まだ体は動くのに『老』の字がついて回りますからねぇ……(´・ω・`) 30代で来る人もいれば、ちょっと遅めの人もいて、進行度も人それぞれ違うというのを方々から聞きま…
[一言] ああ、痛いほどわかります。 こうなったら、細かい作業の時は眼鏡で矯正するのではなく、ハ〇キルーペで拡大するのも手ですよ。
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