1/14
プロローグ
小さな町の小さな公園に真っ白い猫がいた。その猫は毎日決まった時間に決まったベンチでのんびりと日向ぼっこをしていた。野良猫のはずなのに、毛並みが美しく、可愛らしい猫だ。
どこから来て、どこに帰っていくのか、誰も知らない。でも晴れている日は毎日同じ場所にいる。
その町には一つの噂があった。その真っ白い猫に悩みを打ち明けると解決する、というものだ。その猫に話すと何故か状況が変わる。猫が何かをしているわけではないが、そのおかげで人生が変わったと言う人が数多くいた。
そのため、その名前のない猫は「猫がみ様」と呼ばれ、町の人たちに親しまれていた。