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冬のくろい影〜ゲントウくんはこれからどうしたらいいか悩んでいます〜  作者: おちゃつばめ
ラケナリアと仲良くするには?編
21/23

第20話「英雄の安売り」





「ラケナリアちゃんは〜どんなピザが好き?」


「えーと…トマトが乗ってるのが好きです、あとはコーンとか、、そうじゃなくて!何の話ですか?」


「なにって、ピザの話」


「そういうことを言ってるんじゃなくて家でピザパーティーが何とかって? 」


「そうだけど、ラケナリアさんのおうちはピザパーティー禁止?」


「やったことないから分かんないです」


「なら確認してよ」


「そうじゃなくて、なんで私の家でやるんですか?!」


「だめなの?」


「多分だめです。お母さんが許可しないと思います」


「そうか…パスタパーティに変更するよ」


「料理内容は問題じゃないです。私が勉強しないといけないのに、遊んでる時間なんてないとか言われて終わりです」


「言われたことあるんだ」


「まあ、はい」


「じゃあ、家で勉強一緒にするのはどう?」


「学校じゃだめなんですか?」


「だめだねー」


「もしかして、母と私の仲を良くしようと思ってるんですか?」


「いやぁ〜そんなことはない」


「じゃあなんで?」


ゲントウは不敵な笑みをうかべた


「友だちだから」


「友だちの安売りですね」


興味のない本の表紙を見る。悪い気はしなかった。




―――




「ラケナリアさんに謝りたいことがある」


「急になんですか?」


「この前は真剣な悩みを茶化して申し訳なかった。適当にアドバイスとかして」


ゲントウは頭を下げた


「いえ、役に立ちましたから気にしないでください。やっぱり適当に言ってたんですね」


「ハンバーグって大きな声で言って申し訳ない」


「そこはなんにも役に立ってないです」


「あと、君を見下していたのを申し訳なく思っている」


「衝撃の事実です。でも、言われてみたらそうな風にも感じます」


「真面目な話すると、俺は悲劇のヒロインとまではいかないけど、勝手に世界一不幸な人だと思ってて、生き方が偉そうだった。反省してる」


「ゲントウくんでも辛いことあるんですね」


「まあ、沢山ある。だから、君には謝罪と一緒にお礼を伝えたい。本当にありがとう」


「よく分かりませんが、どういたしまして」


「そして、もう一個謝ることがある」


「もう、いいですよ。なんですか?」


「いつか必ず君を怒らせることをしたいから先に謝っとく」


「なんですか?それは」


「俺は何とか君を怒らせたいんだ」


「意味わかんないですよ」


ラケナリアは軽くゲントウの肩を叩く


「君の家に行けそうな日を教えてくれ」


「はい。あまり期待しないでくださいね」


「基本、図書館にいるけどもし居なかったら特別棟の国防情報準備室に来てくれ」


「なに、、準備室ですか?」


「国防情報」


「はい」


「わからなかったらシバタって言う先生を探してきいてくれ」


「え、シバタ先生ですか?」


「知ってるの?」


「知ってるも何も1番有名な先生じゃないですか!」


「へぇ、そうなんだ」


「凄い怖い伝説みたいな先生って聞いてます」


「へぇ、そうなんか」


「伝説みたいな噂ばっかありますよ」


「道理であそこにあんまり人が来ないわけだ。準備室はやっぱなしだ。決まったら図書館に来て」




――――――――――――




『リナルドと水の英雄』



はじまりはじまり



ぼくはぼくがきらいでした


なきむしでみんなからいつもいじめられていました




おかあさんはいじめには


やりかえさないでにげなさいといいました


おとうさんはおとこなら


なぐりかえせといいました




ぼくはおくびょうだったけど


あるひなぐりかえしました


せいいっぱいのゆうきをだしました




いじめっこたちはおどろいていました


かんかんにおこってました


そこからはもっといじめがひどくなりました


にげることしかできなくなりました




おとうさんとおかあさんのいうことを


まもれてよかったとおもいました




おかあさんにはなんでやりかえしたの、と


おとうさんにはなんでまけてきたんだ、と





そして、おとうさんとおかあさんはけんかをしました




ぼくはつらかったです


かなしかったです


ぼくはしにたくなりました




いじめたこのまえでしのうと


おおきなはしからとびおりました


わるいことをしたといじめっこには


いっしょうくるしんでくれるといいな


おとうさんとおかあさんにはしあわせになってほしいな





そんないじめっこはおよげないぼくをわらっていました


いきができません つらいです


ぼくはかなしくてなみだがでてきました




そのときぼくのみずのまわりにあわがでてきました


ぼくのからだをいっぱいいっぱいにあわであふれました





そこからいきがつらくなくなりました


そしてみずがぼくのからだをもちあげて


とびおりたはしまで


みずのちからでいどうしました




まだ 絶望するときではない 若き命よ





かわのそこがひかったかとおもうと


やさしいこえがしました




そのつぎのひから


いじめはなくなりました



おとうさんとおかあさんもなかよくなりました






みっかがっこうにいったら


もうこのまちをひっこすからと


おかあさんにいわれました




あのときのこえのひとがきになって


またはしにいきました




ありがとう、というと



ぴかっとひかりました



そしてひかりのまわりを


たくさんのさかながおよいでいました



間違えた 間違えた



そういってきえていきました





おしまい





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