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冬のくろい影〜ゲントウくんはこれからどうしたらいいか悩んでいます〜  作者: おちゃつばめ
ゲントウとルーナと仲良くするには?編
10/23

第9話「ゲントウ対策会議」



(ルーナの回想)



クラスの鬱陶しい男をあしらいながらゲントウくんを観察する。


それにしても鬱陶しい


そのハエの代表格はどうやら、親の身分も高く貴族の血筋みたいだ。


そういうわけで偉そうで、なんでも出来ると思い込んだ甘ちゃんで将来だらしない体になるのが容易に想像できる。



ゲントウくんはいつも1人で帰って、図書館に行ったり、1人で帰ったりしているらしい。



たまに獣人の女の子といるそうだが、


彼は目立つのが苦手みたいで話しかけるなオーラを、よく出している。



そんな彼がフェノールくんと一緒に帰ろうと言っていた。


取り巻きのみんな固まってた。


フェノールくんですら固まってた。


私はさらにゲントウくんに興味が湧き、何を考えているのか知りたかった。


ゲントウくんがゲイじゃないかという噂が流れていた。


私は別に拒絶する気持ちはないが、少し残念に感じた。


恐らく嫉妬したフェノールの、取り巻き女子達が近づけさせまいと企んだことだろう。とは思っていたが


何となく私の希望も気持ちとしてのっかている節はあった。


話は移りて、


その次の日の話だが取り巻きの女子連中がフェノールくんの家に行けるとはしゃいでいた。


どうやらゲントウくんが発案したみたいだ。


普通にご飯を食べるみたいだが。


また、ゲントウくんが分からなくなった。


あなたは目立ちたくないのでは?



気になって話しかけようとするがいつも鬱陶しい男どもが邪魔をする。


ゲントウくんは移動が早いし、わざわざ止めて話しかけるにはちょっと勇気がいる。


そうするとゲントウくんは土曜日の前日に体調不良で休んだ。


フェノールくんの家の話はどうなるのかと思ったら、開催されしかもゲントウくんはご飯だけ作って行かないみたいだ。


私はゲントウくんが何か意図があって行動しているように感じてならなかった。


次の日、アカハといつもの喫茶店で喋ったあと、寮が近いのがわかっていたのでゲントウくんの家に行こうとした。


振り返ると我ながらすごいことをしようとしてたなと恥ずかしくなった。


寮に到着して気づいたのだが、部屋番号を知らないのである。


あーあ〜っと悔しがっていると、フェノールくんが来た。


フェノールくんに部屋番号を聞けばいいや


いやだめだ!


さすがにそれは誤解される。


今日の話を知りたかったので話しかけた。


「フェノールくん。ちょっといい?」


「え!ルーナちゃんから話しかけられるとは思わなかった。男子嫌いなのかと心配してた」


悪い人ではないが女を女としか見れない感じが心開きづらいな


「ちょっとゲントウくんのことを知りたくて、仲良いんでしょ?」



「なんだよ、ゲントウのことかよ!期待して損した!今のは気持ち悪くてゲントウに怒られるな、、、。実は俺もゲントウのこと考えてて」


彼は自然体だから話しやすくはある


「へぇ。そうなの?」


「ちょっと悩みというか、なんか俺に隠し事してるんじゃないかって思ってて」


「何考えてるか分からない感じ?」


「そうそう」


「あのー。あなたのゲントウくんの知ってること話してくれない?私もフェノールくんの知らないこと教えるから」


「いいよ。」




・・・・かくかくしかじか




2人とも同じ反応だっただろう。


じゃあもしかして、これってあれっての応酬だ


ゲントウくんはすごいことを抱えてる気がした。




事実は


・哲学の授業で課題をしていた。そして恥をかかせないために言わなかった


・アベリアちゃんからお金は借りていない


・グラタンを作るのが上手


・今日フェノールくんの家に行かなかったのは元々計画されてたことだろう。これは恐らく


・アベリアちゃんのために開催されたグラタン会だったのでは?


・そして本当のことを誰にも言ってない



問題は


「ゲントウのやつもしかして、アベリアちゃんに弱みを握られてるの可能性アリ?もしくは借金とか」


そうそれだ。


あの時のお金に不安でもあるか?という質問の答えも嘘になってくる。


「じゃあ、アベリアちゃんの差し金でグラタン会を開催したってこと?」


「それは考えにくい。やり方として弱すぎる。ほかの女子も呼ぶことはしないはず。俺に好きになってもらうには」


「その発言、かっこよく生まれてギリよ。」


アウトの方


「ルーナちゃんからかっこいいを貰えるとは」


「やっぱりおかしいわ。じゃあ、勝手に考えて行動したってこと?」


「ゲントウはアベリアちゃんとそんなに仲良く無いようには見えなかった。弱みで動いてるとしか」


考えがぐるぐるまわる。


アカハの言葉を思い出した。


『前回も咄嗟に嘘をついたんでしょ。誤魔化すために。今回も、とは思わないの?』


ゲントウの言葉も


『ありがとうルーナさん。でもね、ルーナさんが決めつけて喋ってしまう時があるように、僕も勝手にこうなってしまうんだ。』


あ。


はは〜。なるなる。ほどほど。


「分かったわ。あの時の言葉はある意味本当だけど、実際は違う意味で使っていたのね」


「分かったのか!教えてくれ」


「彼は人に恥をかかせないように勝手に行動してしまうと言っていたわ。」


「それは聞いた」


「そして、それはその前の行動にも現れていた。」


「なんの事だ」


「お金をアベリアちゃんに渡している時、本当はお金を恐喝されていたのよ。ただ、私が決め打ちして言った言葉でアベリアちゃん達は怖かった。先生にバレたら大変だし、それにフェノールくん、あなたにバレるのはアベリアちゃんにとって良くなかったんじゃない?」


「まあ、そうだが。庇う理由はないな。何故そこまでする?アベリアちゃんにお金を返していたのではなく、恐喝されてるのなら庇わなくて良くないか?」


「そう。そこね。そしてその答えは本人も言っていた。恥をかかせないために勝手に行動すると。その時、階段で言ってた台詞で指してる場面は、前回私が哲学の授業で言われたとこではなく、アベリアちゃんを庇ったことね。彼の言葉だと庇ってしまうなのかしら。」


「それでもわかんねぇ。なんでそんなことするんだ。結構な金額だったんだろ?普通、渡すか?」


「あくまで仮定だけど、ゲントウくんは自己評価が低いのでは?自分の事がどうでもいいように見えるね。あまり自分に価値を感じていないとすると辻褄が合うわ。なぜかは分からないけど。自分のことを卑下してる時に心当たりある?」


「、、、ある。俺は良い奴じゃないってよく言ってた。」


「なんでかしらね。客観的な目はあるはずなのに、自分の事だと盲目的なのかしら」


「何となく思考回路分かった。ゲントウの考えに納得はしないけど」


「私も賛成しないわ」


「ただ、1個分からないのがある。なんでアベリアちゃんに、料理させようとしたんだ?作戦としてはそんなに強くないと思うのだが」


「ふふっ。それはさっきあなたが教えてくれたライナちゃんとゲントウくんとフェノールくんの家族でやった夕食会にヒントがあるわ。お母さんとゲントウくん一緒にご飯作ったんでしょ?」


「ああ、お母さんとゲントウは料理が上手いから」


恐らく、フェノールのお母さんの様に料理が上手な人はフェノールくんは好きだと。


自分もその特技があったから好かれていると。


それに、フェノールくんに作ったご飯を美味しいと言って貰えるなんて自信になるし、とても嬉しいはずだわ。


6人呼んだのに3人分しかグラタンを作っていないのもアベリアちゃんにご飯を作らせる目的だわ。


まったく君は一体どんだけ損な性格なんだ


この前の、お互い大変ね、と言う台詞が恥ずかしいわ。


何倍も君の方が大変じゃない!



ゲントウくんには理解者が必要だ。


私なら理解者になれる気がする。



いや、



私は



彼の隣に居たいのだ。




彼に会いたい。



彼ともっと話がしたい。




最近、、なんで彼に惹かれるのかわかった。




私のとても大切な人に似ている。




なんとなくの雰囲気が。




私の兄に


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