配達員女子
私はA美。20代の独身大学生。アパートに一人暮らしをしている。
最近、一人暮らしを寂しく思う。大学生って家にいる時間が結構長い。だから暇すぎて、バイトでもしようかとなった。
お金を稼げれば心にも余裕が出来るはず。という打算もあった。
そういうわけで、私は、フードデリバリーの配達員をやっている。
情報が錯綜してデリヘル嬢と広まってしまっているが、いったいどうしてそうなった。情報が段々不正確になる伝言ゲームじゃないんだぞ。ひとまず、お喋りな友人をぶち殺したい。おかげで経験豊富と思われ、散々な目にあった。公言はできないが私は処女だ。交際を申し込まれると、キョドってしまう。
話が逸れた。フードデリバリーのお仕事についてだ。元々この仕事はほぼ100%が男性と言っても過言ではなかったくらいに女性の配達員は希少だったらしい。おそらく、出前は男性の仕事という固定観念があったことも大きいだろう。
ところがだ。最近はフードデリバリーサービス事態の知名度が向上し、私のような女性の配達員も増えてきているらしい。
配達前に困ったこともあったが、変な客というのはどんな仕事にもつきものだと思う。
いざとなったら、一目散に逃げる。それが暴漢への鉄則だ。大声だの、防犯グッズよりも先に、ともかく逃げることが寛容なのだ。
そうそう、この前も、やたらスケベな目で見てくるお爺さんがいた。私は帽子を被ったり、肌の露出を極力減らす工夫をしているにも関わらず、溢れる色香は隠しとおせないらしく、受けとる時に私の手を触ろうとしてきた。手袋してたんだけどなあ……。
なお、お爺さんには、奥さんに言いつけますよ。って忠告してあげた。私って優しい。
まあ、そのくらいならまだましな方で、下着姿で受け取りに来る困ったお客もいるんだよなあ……。あれはショックだった。ズボンを履いてください。
そういうすけべえに遭遇すると、玄関前に置いといてくれと言ってくれる客の有り難さが身に染みる。なお、なるべく変な場所の指定は避けている。
ともあれ、配達員女子の皆さんどうか痴漢・暴漢・汁物の配達には気を付けてくださいね。