表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/71

第39話 外交への同行と国王命令

「はい。確かに書類を受け取りました」

 オービニエ外務大臣の執務室で、私は、受け取った書類を簡単に確認し、退出しようとして大臣から呼び止められた。


「セシリア様。少しお待ちください」

「まだ何か?」

「陛下より、次の外交からセシリア様をお連れするように命じられました。昨日(さくじつ)ようやく書類が整いまして、日程を表にしてまとめてあります。後ででもご確認いただき、もし都合が付かない日程がございましたら、早めにご連絡頂けると助かります」

 をう言いながら、私に日程表と袋に入った資料を渡してくれる。


 はい? 私、何も聞いていないのですが……。


「ありがとう。ご苦労様」

 私は、表面は普通に、一応ねぎらいの言葉をかけてから退出した。

 オービニエ外務大臣は臣下の礼を執り、私を見送っているけど……。

 取り敢えず私は、フレデリックに渡す書類と、日程表と資料を持って執務室に戻った。



「ああ。大臣の方から先に聞いたか」

 フレデリックは何事も無いように言い、大臣からもらってきた日程表に目を通していた。

 そして、私にその日程表を渡してくる。

「セシリアは、外国と言葉が出来るのであったな。その日程表に書いてある国の中で、出来ない国の言葉はあるか?」


 外交レベルでっ……て事よね。アルンティル王国ほどで無いけど、それなりに重要国ばかり並んでるなぁ。でも、これなら……。

「いえ、どの国の言葉も外交に困らない程度には、できますわ」

「そうか。それでは、そのようにしてもらえるだろうか」

 また、お願いなのね。


「陛下。お願いではなく、命令してください。オービニエ外務大臣にしたように」

 私がそういうと、フレデリックは少し怖い国王陛下の顔になって

「それでは命令だ。オービニエ外務大臣に同行し、外務大臣を出し抜いて来い」

 と命令を下した。


 私はと言うと、臣下の礼を執るのも忘れて、呆然となる。

『外務大臣を出し抜いて来い』と聞こえた。外交初心者の私に百戦錬磨の外務大臣を出し抜けと……。

 私が無反応でいると、フレデリックがオロオロしだした。


「……セシリア。そなたが命令しろと言ったからしたのに。返事の仕方が分からなかったのか?」

 フレデリックが私の方にやって来て頭を撫でてくれる。

「それとも、俺が怖かったのだろうか」

 この前の一件から、フレデリックが過保護になってしまった。というか、孫を心配するおじいちゃんの様になっているのですが……。

 ここに来る前に大泣きしたなんて言うのでは無かったかしら。


「出し抜いて来いと、聞こえたのですが」

「あ? ああ。そう言ったからな。外務大臣は外国語が出来ない。そこを突いて徐々にでいいから、外交ルートを奪ってきてもらえないか?」

 あ~、やっぱり聞き間違えじゃ無かったのね。


「分かりました。一応資料は貰いましたが、足りない分は閲覧できるようにして頂けますか?」

「ああ。もちろんだとも。だが、最初の国の外交までには3日ほどしか無いぞ」

「3日もあれば、充分です。それと、当日の服装なのですが……」


 この国に来てドレスのおねだりをしたのは、初めてかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ