《氷姫》を終わらせる事は何故出来たのか
「――――この吹雪を終わらせるために、俺達は来た」
この城の一番高い頂上にして、一番寒い所。
そんな所にてこの寒さの極致である空間を生み出して維持させている、城の主である《氷姫》はと言うと、そんな俺の言葉を受け流すようにして優雅に椅子に深く腰掛けていた。
「……へぇ、"終わらせる"ね。その言葉を聞くのは久しぶりね。けれども、そんな事があなたに出来るのかしら?」
「あなたをこの世界から、生者が暮らす死者であるあなたには相応しくないこの世界から排除出来れば、すぐにこの吹雪は終わりますよ」
女死神の言葉に対して、「そう言う意味じゃないわ」と彼女はそう答えた。
「まぁ、あなた達がそう言う意味で言っているならばそれでも別に構わないけれども、果たしてそれがこの吹雪を終わらせる事に繋がるのかしら? ただただ問題を先送りにして、根本の解決には至ってないじゃない。私という問題のある、吹雪を発生させる装置を別の場所へと追いやって、果たしてそれで解決したと言えるのかしら? それは解決ではないわ、単なる問題の先送りよ。
……別に私はそれでも良いけれども、それが本当にあなた達の言う"解決"なのよね?」
それだけ言うと、指をパチンと鳴らして、周囲に槍を持った氷の兵士を呼び出す。そいつらは俺が先程倒した、シュータンクに良く似ていた。
「だったら不十分な半端な解決方法しか提示出来ないのでしたら、お断りさせていただきましょう。
敵対というのはね、ちゃんとこちらに対して相手にする覚悟を持っている者だけが持つ事が許されるの。許可されるの。赦されるのよ、だからそんな不十分ではいけないのよ。
――――私の世界では"エクストラ"という言葉は別や余分な物、または番外という意味を持っていたわ。そう言う意味で言えば、こいつらはまさしくその言葉に相応しいわ」
床から長くて細い槍を一斉に取り出して、シュータンクに良く似た氷の兵士達は一斉にこちらへと歩みを進めていた。
「――――シュータンク・エクストラ。
やはり戦車は何台もあった方が良いに決まっているよね、その方が軍隊感が良く出て良いわね」
そうして始まろうとした、俺達と《氷姫》の軍隊との戦い。
しかし、それが始まる前に戦いは終わっていた。
「……えっ?」
《氷姫》の身体を槍が、氷の兵士の1人の槍が貫いていた。
【クォォォォッォォォォ……】
その兵士の兜は他の透き通る氷を思わせる白銀とは違い、淀んだ黒い兜。
兜の中から見える兵士の眼は赤く、ギラギラとした野心を持って輝いていた。
今回は話しのテンポ重視!
短いとかの感想はなしでお願い致します……。




