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島の友情物語  作者: アリン
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低学年組シリーズ

授業中だというのにいつものことながら教室の後方が騒がしい。

相田皐月は後ろを振り返って少し微笑みながら

「少し声を抑えていただけますか?」

と声をかける。皆が兄弟のように仲がいいとはいえ高学年組に注意するのは気が引けるのだ。

「そうだよ、孝介クンたち達うるさい」

皐月が声をかけたのに同調するように言ったのは孝介の弟の木山恭也だ。恭也と孝介は兄弟と言っても血は繋がっていないし籍は移していないので苗字は違う。だから恭也は孝介のことを名前で呼ぶ。

「ほら、注意された。お前ら静かにしろよ?俺ら暇でもコイツら授業中なんだから」

弘樹がまとめるように言うとなんだかんだで高学年組が静かになる。

「おい、みたか!?いまの!さすがヒロ君!カッコイイよなぁ!!」

井上祐介が興奮気味に広中藤吾に声をかける。祐介にとっては弘樹は憧れでヒーローみたいな存在だった。

「え、んあ?なにが?」

明らかに居眠りをしていた藤吾。状況が全く飲み込めておらず頭上にクエスチョンマークをたくさん浮かべている。


「レン君、授業中はお菓子食べたらダメって先生がゆってるよ?」

教室の前方では山口高飛がスナック菓子の袋をかかえてボリボリ食べている木葉蓮に注意していた。しかし蓮は聞いていない。

「別にいいんだぜー!なぁ、遥!」

「え、えぇ!?僕!?えっと、その…」

いきなり話をふられた中島遥はおどおどしながら返答に困っている。

「こらこら、ダメだよ?お菓子は没収」

その事態を見かねた新堂あきがスナック菓子の袋をスッと蓮から取り上げた。

「別にいいんじゃないの?面倒くせぇ」

山杉空がアキに話しかける。が、アキはダメだよと首を横に振る。

「俺が菓子食ってやろ!」

柊楽が冗談で言うとお菓子を取られると思った蓮が席を立って楽に襲いかかった。体格のいい蓮は中1の楽より横幅があるのだ。楽は力じゃ勝てないと思ったのかサッと避けて足を引っ掛けて転ばせた。

「楽!ダメじゃない!」

アキが珍しく声を荒げた。年下に手を出すことは何があっても許されることではないと考えているのだ。声を荒げたアキに驚いた楽は咄嗟に

「うるせー!ブス!」

と言い返してしまった。アキはひどい…と傷付いた顔をしてふいと楽から目を離した。


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