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島の友情物語  作者: アリン
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高学年組シリーズ 隼人の誕生日

日曜日の午後。隼人は自宅のベッドの上でなんとも不機嫌そうに寝転がっていた。窓を閉めていてもセミの鳴き声が耳をふさぎたくなるほど漏れてくるのが隼人のイライラを余計に募らせていく。そもそもなぜ隼人がこんなにもイライラしているのかというと自分の誕生日を誰も覚えていなかったからだ。朝から弘樹をはじめ色んな人にメールをするが今日がなんの日かときくとポッキーの日だと答える。『確かに11月11日は世でぞくにいうポッキーの日だけどまずは俺の誕生日だと気づくべきだろう』と隼人はおもっていた。

「うっせーよ」

窓を軽く叩きながら呟く。それだけのことと思っても無性に腹が立っている自分にも腹が立つ。つまりいまの隼人には何もかもが起爆剤になるという事だ。

「ハヤ君!ハヤ君!」

ふいに窓の外から名前を呼ぶ声がして隼人は窓を開け身を乗り出す。クーラーの冷気が逃げ出していくのがわかる。かわりに熱い空気が身を乗り出した隼人の体にまとわりつく。

「なに」

外には翔と孝介がいた。この2人も隼人の誕生日を忘れていた連中だ。呑気に手を振っている。たまたま隼人の家の下を通ったのだろうか隼人はムスッとしとた表情のまま2人を見下ろす。

「ハヤ君なんで怒ってんのー?つか遊びに行こーぜー!おりてこーい!」

翔がいつものようにニコニコとして手招きをしている。隼人は気が抜けたように窓を閉めた。そして軽く身支度を整え部屋を出た。外に出ると2人が駆け寄ってくる。

「どこにいくんだよ」

「なんでハヤ君そんなに怒ってんの?」

翔がきいてくるのにたいして隼人が眉をひそめ答えようとした時

「あっ!そーだ!ヒロさん達も誘おうか!」

と孝介が思い出したようにいった。

言うタイミングを逃して隼人は黙りこむ。弘樹の家の前につくと3人を代表して隼人がインターホンをおす。ガチャッと鍵があいたことにきづき隼人がドアを開けた瞬間パンパンっとすごい音がしてカラフルな紙が隼人の視界に飛び込んだ。


「「HappyBirthday!!!」」


驚いている隼人に弘樹達がニヤニヤと楽しそうに笑っている。隼人の誕生日を忘れていたフリをして隼人の誕生日を祝う準備を進めていたのだ。サプライズに隼人は呆然としていたが照れたようにはにかんだ。イライラしていた自分が馬鹿馬鹿しく思えていた。そのあとケーキや各自用意していたプレゼントを渡したりして隼人にも皆にも忘れられない一日となった。

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