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陰気童話  作者: 古風
5/10

ヒトと天使

 …天使を示す物を手にしたヒトは 幸せを手に入れることができるそうだ

 …たとえ それがどんな物であろうとも


 天使はその場所でほほ笑んでいました

 ほほ笑みながら ヒトに幸せを分け与えていきます

 たとえそれが自分の体をけずることであったとしても ヒトに分け与えていきます


 ヒトは幸せをつかむために 自らの幸せをつかむために一生けんめい 天使へ手をのばします

 いつか どこかで だれかが語ったように

 つかめば幸せになるという なにかを得るために


 天使とヒト 二つの心を知ることは 誰にもできません


 天使はほほ笑みます

 やせおとろえ かがやかしいばかりの髪はつやを失い とてもよごれ

 とうきのような皮ふはくすんで ひびが入り

 白い羽はぬけ落ちて 赤く染まり

 全身からふ臭を放っていました

 そんな天使は 変わらずほほ笑みながら ヒトへ幸せを分け与えていきます


 ヒトは自らの 自らの幸せを掴むために 変わりつつある天使をあおいでは 手をのばし続けます

 そして次の また次のヒトが自らの幸せを得るために 天使へ手をのばし のばして

 幸せの象徴たる天使に ヒトは


 そうして


 天使の肌はくずれ落ち 表面は血とふ臭をただわせるようになりました

 波打つ髪は全部全部 抜け落ちて

 赤い羽根は肉をさらして 翼ではなくなってしまいました

 それでも天使はほほ笑みます

 くずれた顔で くずれたほほ笑みを浮かべます


 ヒトはいつからか その神々しい姿を魔物 と呼んで さけるようになりました

 幸せの象徴であった天使の存在はもう そこにはありません

 誰もが天使を忘れていきます

 そうして日々 そこにあるものを目にしては いつ自身の幸せがうばわれるのかと おびえて生きていくようになりました


 溶けた皮ふ くさった肉と ねばついた血で作られた天使は とうとう自重を支えきれずにつぶれてしまいました

 幸せを分け与える使命を果たし続けるために 身をけずり続けた天使

 その最期は 黒と赤と茶色の肉と液体

 それらが ヒトに与え続けた幸せのみなもとでした


 神に身の安全と平和なくらしを願っていたヒトは ある日魔物が形をなくしたことに気づいて 大変喜びました

 これで 自身の生活がおびやかされることはない と

 それぞれが手にしていた 古ぼけた幸せを胸にだいて 神に精いっぱい感謝をしました


 いく月かたち 新たな天使が降りてきました

 その神々しい姿は ヒトにずっと昔の話を思い出させて

 一人 また一人と 手をのばしていきます


 天使は自らの身をけずり ヒトへ幸せを


 ヒトは 自らの幸せをつかむために 天使へ手を


 …輪廻はどこまでも続いて 続いて







 コレ書いた人、頭おかしくないか?

 と思っていただければ幸いです。目を通してしまった方、毎度有難うございます。

 今回も童話というより、単に語尾が少しばかり丁寧な第三者目線のようなモノに成り果てています。

 思いついてしまったので、仕方がないですね、ハイ。

 題名も、もう少し気が利いたものが浮かべば良かったのですけど、コレが限界でした。


 以上。一読有難うございました。

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