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佐藤の罪

 中間テストが終わり。教師達は中間テスト採点と4日後に控えた体育祭の準備に追われていた。……本当は中間テストの前にあるはずだった体育祭が順延したのは、脅迫文のせいである。

『自分はこの学校に恨みがある体育祭が無事に終わるとは思うな』

警察の捜査で犯人は見つかったのだが。結局は単なる愉快犯で、実は名前の似た違う高校と間違えたというオチまついてきた。だが本日。第二の脅迫文が来たのである。

『この学校の佐藤教諭は酷いいじめを学生時代に行ってきた。ソイツが教師をやめるか自分に謝罪しない限り、体育祭で事件を起こす』

佐藤なんてゴロゴロいる名字だし、フルネームを書かない所を見ると、またいたずらだろう。と思った校長は、全職員を集めて話はしたものの、今度は警察に捜査依頼をせず体育祭は普通にやろうと考えていた。だが佐藤は思い当たるところがあった。彼女は中学時代、一人のクラスメイトを不登校に追いやったのである。彼女はとりあえず校長にだけは話をしておこうと、昼休みに校長室を尋ねた。

「失礼します」

「どうぞ」

前もって佐藤がくると聞いていた校長は、堅い顔で一人がけソファに浅く座った佐藤にミルクティーを出した。

「これを飲むと私はリラックスできるんですよ」

「ありがとうございます」

佐藤はミルクティーを一口飲むと、顔を上げた。

「脅迫文に私は思い当たる点があるんです。中学生の時、一人の生徒を不登校に追いやってしまいました。見ていてイライラするからという理不尽な理由だけで」

一緒にミルクティーを飲んでいた校長はブワッと紅茶を吹きだした。

「す、すみません。かかりましたか?」

「いえ」

佐藤は困惑する校長へ。淡々と過去の悪行を話した。


            2

 ……佐藤が不登校に追いやったクラスメイトは。昭子とよく似ていた。暗い表情、いつも何かに怯えたような目、のろのろとした動き……それがカンに触った佐藤は家でのトラブルや受験勉強でストレスを溜めていたのもあり。彼女に聞こえる様に陰口(陰気でウザイ等)を言ったり、持ち物を隠したり、教科書を破いたり、掃除の時にはわざと彼女の頭にパケツの水をぶちまけたりした。そんな仕打ちを受けても、内気で友達がいなかった彼女は仕返しも言い返しもできず。誰かに相談することもできず……。ただただ俯いていることしか出来なかった。クラスメイトも彼女が言い返さないのをいいことに、佐藤達の苛めに加わって行った。逆らわない反抗しない彼女は、受験で溜まったストレスを発散するちょうどいいおもちゃだったのだ。そして教師もそんな異常事態に気が付くことはなかった。当時の佐藤は真面目で礼儀正しく、文武両道の優等生だった為、教師の殆どは佐藤を疑うことはなかったし、佐藤も先生の見ている場ではむしろやさしく面倒を見ているフリをしていた。そしてそんな調子で二学期が過ぎた頃。ついに彼女は学校に来なくなり、二学期末には転校していった。要するに、桜井とまではいかなくても同じような悪行を佐藤は行っていたのだ。

「……その人はどうなったのですか」

「わかりません。そのあと今度は私が自業自得でクラス全員から総スカンをくらってやっと事の重大さがわかり、謝罪に行ったのですが……。家の前で消火器をぶっかけられて追い返されました。今はその家もありません。どこかへ引っ越したのでしょう。一応一人だけコンタクトを取れる……私の悪い点を見抜いてくれていた中学時代の恩師がいますので、その方を通して謝罪出来ればと思います。もし拒否されたら無理に謝罪するのも逆に申し訳ないのですが……」

少し長い沈黙の後。眉を寄せて頭を抱えていた校長はやっと口を開いた。

「田中さんと山本さんの件で親身になる佐藤先生を見て、一見冷酷無比だけれど本当は優しく生徒思いな教師だと思い始めていたんですよ……。なんでそんなことを……」

「山本さんのバイト代未払い事件に関わったのは、元々あのCD店の店長が居丈高で嫌いだったのもあります。完全な私怨です。田中さんの件は……彼女を助けたいという気持ちの他に、自分が彼女を助けることで楽になりたいという気持ちもあったのです」

「……貴方は教師になる資格は無かったですね」

鋭く冷たい眼差しで突き放すようにいう校長。佐藤は深く頷いた。だが。

「しかし、しかし、だからこそ田中さんを救おうと尽力なさっていたのも……桜井君の卑劣な告白を自分の黒歴史を聞くような苦しそうな顔をしていた理由もわかります。これから本当の教師になる資格を得られるように、その方にあって来てください。もし拒否されたら」

「はい。承知しております」


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 それから普通に午後の授業や体育祭準備等をこなした佐藤。彼女が学校を出たのはもう夜がとっぷり暮れた頃であった。黒と灰色の中に時々光が走る景色の中、佐藤、さらに大奥と佐竹は一緒に学校近くのオシャレなイタリアンレストランへの道を歩く。佐藤は大奥と佐竹に、昭子の件でのお礼として食事をおごることにしたのである。そして、万が一の時の話をする為でもあった。体育祭の話をしているうちにあっという間に店についた三人。彼女達はお腹が空いていたのか、運ばれてきた料理を次々と平らげた。残りはデザートとコーヒーのみ。可愛らしいハート型のフルーツタルトを笑顔で見つめると、佐竹と大奥は顔を上げた。

「大したことはしていないのに、こんな素敵なお店で奢っていただいてありがとうございます。とてもおいしかったです。今度は私がよく通うお店にご案内したいです」

「こないだは部活に差し入れもしてくれてありがとうねぇ」

少し恐縮する佐竹とニコニコ笑顔の大奥に、佐藤は軽く手を振った。

「いえいえ。お二人のご尽力のお蔭ですから。逆に遠慮される方がこちらとしては困ります。あとアイスの差し入れは私ですが、クッキーの差し入れは田中さんですから」

「田中さんにはこないだ声を掛けたよ。今までも大変だったけどこれからも大変だねぇ……。でも、桜井の供述を引き出す演技と度胸は凄かったよ」

 佐藤と昭子は最終手段として、桜井の自供を引き出すための小芝居を打ち合わせしていた。わざとICレコーダーを奪わせれば、安心しきった桜井が暴言を吐くと踏んでいたのである。わざと耳をほじって聞こえないふりをしたり、聞きたくないと両耳を抑えて見せたのは、桜井に大声を上げさせるため。その結果佐藤の鞄の中の超高性能集音機にしっかり録音できたのである。

 本当に頑張りました、と頷く佐竹だが。彼女の顔は浮かない。

「……私は高校生の時はまだ親に甘えていました。でも田中さんは独立しないといけないんですよね……。寂しいし心細いでしょう……バイトと職業の両立も大変だと思います」

昭子一家は、離散した。あの事件の後、昭子父母は即離婚。元々昭子父は離婚したがっていたのだが、やっと昭子母は諦めて判を押す気になったのである。昭子父は給料を差し押さえられながら養育費を支払うことになり、昭子母はパートと精神病院に通いながら一人暮らしを始め、昭子兄は佐藤の紹介した軍隊式スパルタ労働矯正施設(離島)に強制収容された。体力が有り余っているなら肉体労働をさせればよい、と佐藤、そして昭子達は考えたからである。そして昭子はバイトしながら、佐竹の親戚が経営するアパートで独り暮らしすることになった。佐竹の親戚は事情を聴いて同情し、家賃は大学に入って就職したら払ってくれればいいとまで言ってくれたのだが。昭子はさすがにそれを断ったのだが、それでも相場の半分という、破格の条件で入居できることになった。ちなみにバイト先もまた佐竹の紹介である。学業に支障が無いようにしてくれるとのことだ。

「佐竹先生も親戚の方も本当に優しいねぇ。佐竹先生なんか担任でも部活の顧問でもないのに、引っ越し初日には泊まってあげたじゃないか。中々出来ることじゃないよ。田中さんはあの日ぐっすり眠れたって言ってたよ」

「そうですか、よかったです。でも親戚に会いに行ったついでですよ。大奥先生には代わりにバレー部を見ていただいて、ありがとうございます」

「親戚に会うついでなら日帰りでいいじゃないか。田中さんが寂しいだろうと心配したから泊まってあげたんだろ? バレー部の事は私はバレーが好きだからいいんだよ」

大奥は善良な佐竹に元から好感をもっていたが、今回の件でさらに株が爆上げしたようで。佐竹と話をするときは、美少年アイドルのライブ映像を見ている時の二割引き程くらいは機嫌が良い。だが、彼女は昭子についてちょっと気になる点があったのか、少し考え込むような顔になった。

「でもさ、田中さんの鬼畜父はきちんと養育費を払うのかねぇ? また途中で逃げたらどうするんだい」

「鬼畜父は公務員ですから、転職はないでしょう。一応何とか捕まえて話をしましたが、転職を出来る程器用で賢い人間とも思えませんでしたからね。きっと何かの手違いで奇跡的に公務員になれたのでしょう。それに彼の貯金も隠し持っていた金貨もすべて昭子さんに生前贈与されましたから、何かあってもそのお金が使えます。田中さんもお金の有難みを知っていますし、元々質素ですから無駄使いはしないでしょうし、金銭面の問題は当面ないかと」

「全部ぅ? よく鬼畜母が承知したね!!」

「代わりに桜井父母からの慰謝料は鬼畜母に渡りますから。慰謝料が直接自分に渡らずに使い込まれるのが不安だった昭子さんが代替案をだしたそうですよ。最初は渋っていたものの、一人暮らしの為だと主張したらすんなり承諾されたとのことです」

良かったと胸を撫で下ろす大奥の隣の佐竹はまだ複雑な顔をしていた。

「金銭面での問題が無いというのは良かったんですが……心の傷はまだ治らないと思います。実の親なのに、なんで子どもを可愛がれないんでしょう。なんであんなにひどいことばかり……お母さんも傷ついていた面もあったみたいですどそれはお母さん姑さんの問題なのに……子供をサンドバックにして……ひどすぎる!」

思わず声を荒げてテーブルを軽く小突いてしまった佐竹は、慌てて申し訳ありませんと謝りながらテーブルにこぼれた水を拭き。大奥と佐竹、さらに周囲にまで頭を下げる。愛されて育ち、自身も純真で心優しい佐竹は人の心の醜い面がよくわからない。佐藤は小さく唸って言った。

「鬼畜母は心が弱くて、障碍者の息子をどうにかしないといけないと不安でいっぱいいっぱいだったんでしょう。だからと言って田中さんへの暴力暴言は赦し難い所業ですが。まぁ鬼畜母が縁を切りたいと言っているのはラッキーですよ。心を病んだ親に縋り付かれるよりはマシです。高校を卒業したらさっさと他県に就職か進学して逃げたほうがいいですね」

「そうですね……さすがに花瓶を振りかざして襲う母親とは、もう……」

家族仲良くが理想の佐竹だが。悲しい目で頷いた。そしてすこしして、もう一人の当事者の名前を出す。「桜井君は改心するんでしょうか」

「示談じゃねぇ……どうだか。しっかり罪を償うべきだったと思うけどねぇ」

桜井は結局、刑事事件として起訴はされず。多額の慰謝料と引き換えに示談となった。これからのことを考えると裁判どころではないし、まだ高校生の自分が独立するには何よりもお金が必要だと昭子自身が熟慮の末に判断したからである。示談にちょっと納得がいかず苦々しい顔をする大奥を宥める様に、佐藤は口を開いた。

「本当に可愛げのない現実主義者ですね田中さんは。でも、Sに妹さんがいるって聞かされたのも大きかったと思いますよ。最初は裁判かどうか迷っていたのかとんでもない慰謝料をふっかけてましたけど、妹さんがいると聞いた途端に表情が変わって……相場の何倍もではあってもギリギリ常識の範囲内の額を提示する方向に切り替えましたからね。まぁ突き落とした現場を誰も見ていなかったし、裁判で有罪が勝ち取れるかはわかりませんでしたからこれで良かったと思いますよ。佐竹先生が紹介してくれた優秀な先生のお蔭で実を取れたという事でしょう」

「田中さんの気持ちはわからないでもないんだよ。でもSがまたなんかしでかさないといいんだけど」

「それはまぁ転校先の加害者ハイスクールの先生に任せましょう」

加害者ハイスクールこと艦隊島高校。それは全国の凶悪凶暴な生徒を集めた、全寮制のとても厳しい規則の高校である。ちなみに離島。規則のゆるいこの高校から艦隊島高校への転校は、温暖な気候の放牧地で飼われてメエメエ鳴く羊の群れから、弱肉強食の野生の群れに放り投げられるようなもの。まさに地獄。その一方で教師陣や優秀で進学率は高いと言われており、プライドが高く高学歴を目指す桜井にはピッタリとも言えた。大奥もそれならまぁいいか、と頷く。一方佐竹は、生徒を押し付けるようなことをしていいのか、と悩み始めた。だが、あの二人の和解が無理なのは明白である。桜井を見るのは昭子も辛いだろうとも思える……でも……複雑なパズルを見つめるような佐竹を納得させるように佐藤は言葉を選んだ。

「これでよかったんですよ。彼は高学歴の人間の言う事は聞きますから、転校先でなんとか無害な人間になってくれることを願うのみです。あの高校はごくたまに死人が出るそうですが、まぁ頑張ってもらいましょう。田中さんも最近よい方向に変わってきましたし、悪い事だけではなかったと思いたいですね」

「そうだねぇ。見守ってあげたいね。ところで……いや、何でもないよ。さあケーキ食べよ」

和やかに食べ始める二人。二人がケーキを食べ終えたところで。佐藤はいきなり頭を下げた。

「私に何かあったら、ブス部の生徒達……特に田中さんと山田さんを気にかけていただけますか」

フォークをカラン、と落として大きな目をさらに見開く佐竹。何となく事情を察知していたような大奥。

佐藤は頭を下げたまま、重い口を開いて、過去の罪を語った……重い空気が、辺りを覆う。

「佐藤先生がそんな人だとは思いませんでした。田中さん達のことは私なりに出来ることをしたいと思います。でも、でも……」

怒り失望哀しみが混ざった涙をこぼす真っ赤な顔の佐竹。一方、大奥は意外なことに落ち着いてその話を聞いていた。

「初めて佐藤先生を見た時から、ああコイツは性格悪そうだなぁって思ってたよ。そうしたら案の条こういうことかい」

はい、と何とかこわばった顔で返事する佐藤へ。大奥は言葉を続けた。

「その中学の先生はなんて言ってるんだい? いや、まだ返事なんて来ないか」

「先程来ました」

速いね、と身を乗り出した大奥に、佐藤はノートPCを見せた。

『伊藤さん(旧姓渡辺さん)は会ってくださるそうですよ。明日の午後二時、行きつけのカフェで待っているそうです。場所は』

「吊し上げに会うかもねぇ」

真剣な面持ちでそう言う大奥に、佐藤はポロリと言った。

「そうしてくれる方が……ありがたいです」

           

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 次の日。佐藤は新幹線に乗り、伊藤の待つカフェに向かった。セピア色のカフェの中の奥で向かい合って座った彼女は自分よりも若々しく、明るい雰囲気だった。佐藤は思わずほっとして長い息を吐き、立ち上がって深々と頭を下げた。

「本当に申し訳ありませんでした。この罪は一生忘れないで生きていこうと思います」

 そんな佐藤を見た伊藤は、眉間に皺をよせて言った。

「佐藤さんもあのあと自業自得とはいえ悲惨な目にあったのは先生から聞いています。だから許すとは言えないですが、忘れようと思っていました。だけど……さんざん私をいじめて来たあなたが教師になるのはさすがに納得出来ません。正直今すぐ辞めてほしいです。私は子供がいますが、貴方みたいな人には教えてほしくないです」

 彼女の真っ直ぐな抗議の眼差しを見返せず、思わず俯いてしまう佐藤。体も痺れる様に痛い。周りには彼女の知り合いや仲間達がいるのか、それとも佐藤自身が感じる罪悪感やうしろめたさからのか、視線の野次や見えない針でチクチク刺されているような痛みを佐藤は感じた。でも。伊藤さん……いや渡辺さんの痛みはこんなものでは無かったのだ……いや、過去形では無い。佐藤はまた会釈すると、静かに言葉を続けた。

「仰る通りです。ですが、ですが、今、昔の渡辺さんのような生徒がいるのです。その生徒はやっと立ち直ってきた所です。他にもどうしようもなく頭の悪い生徒とか、運の悪い生徒とか、心配な生徒がいるんです。どうかあと一年だけは教師を続けさせてください。体育祭で事件を起こすのもどうか御考え直し下さい。お願いします」

 必死に頭を下げる佐藤を見て、伊藤は溜息をはいた。それは軽蔑だけでない、複雑なものだった。彼女は額に手を当てて、少しぶっきらぼうに言った。

「もういいです。あの後何度か来てくれたことも知っていますし……。許したわけではないですけど、私のような生徒を救ってくれるならあなたに教師を辞めろとかもう言いません」

 少しだけ肩の荷が下りたような涙をぽろりと落とした佐藤だが、それを荒々しくぬぐってまた固い面持になった。これから頑張らなくてはいけないのだ、と気を引きしめてまた一礼する。そんな彼女にちょっと不満そうに伊藤は言った。

「私は貴方を恨んでいましたし、今も貴方を見ると不快感を感じますけど。さすがそんな事件を起こすと疑われたのは心外です。確かにそういう事件は流行していますから疑われても仕方ないですけど、佐藤さんの勤めている高校だって、佐藤先生に聞くまで知らなかったのに」

「え?」

 自分を助けようとしてくれた恩師と加害者が同じ苗字とは……と苦笑する伊藤に対し。佐藤は顔色を変えた。伊藤を疑ってしまって申し訳ないという気持ちと同時に、ぞくっとした不安が体を通り抜けた。

「脅迫状の犯人は他にいる……」

「え? 脅迫状?」

 どうやら本当に無関係で何も知らない様子の伊藤。……そもそも彼女は自分には会いたくない様子だったのに謝罪しに来いとか書くわけが無い。それに学生の子供がいるのに家を空けてわざわざ新幹線に乗ってまで学校近くのポストに手紙を投函する可能性も低い。何でそれが直ぐに分からずに、また彼女を傷つけてしまったのか……こうしている間にも真犯人は……佐藤は自分の愚かさが心から嫌になった。

「本当に重ね重ね申し訳ありません! ……校長先生、実は私の勘違いで伊藤さんにまたご迷惑をおかけして……はい」

 佐藤は慌てて校長に電話した。校長は知ってましたよ、と一言いうと。急いで高校に戻るように告げた。


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