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テルテルボウズ  作者: 尖角
私と周り
6/17

ウットウシイ












 ――それからまた、少しの月日が流れた。










 ――そんな頃、私はすごく周りを鬱陶しく感じていた。
















 正直、 冗談抜きで、 本気でムカつくくらい、 皆が鬱陶しい!!!


 だって、なんだか最近の皆の私を見る目が、木村が死ぬ前とは全然違うし、私にとって良い事が何も起こらない。


 ――それは、私だけが感じている違和感とかそんなものじゃなくて、あきらかに違うものだったはずだ。


























彩「ねぇ、楓花は最近いつ“幸せだなぁ~”って感じた?」


 昼ごはんの時、急に彩音が突拍子もない事を聞いてきた。


 だから時々、私は思うのである。


 『この子って、天然!?』ってね♪


 だけど、今 そんなことは関係ない。


 とりあえず、私は質問に答えるために考えてみた。


 そして、浮かんだ答え―――。


私「う~ん・・・」

 「とりあえず、私は一か月ちょっと前のカラオケとかかな?」

 「でも、あの時は歌いたかった新曲がなかったし、決して“楽しかった”と心の底から言えるものではなかったんだけどね?」


彩「そうかぁ~」

 「私はねぇ・・・」


 ――っと、別に聞いてもいない事を話し始める彩音。


 まぁ、まだ昼休みはあるし、どのみち暇だし良いんだけどね・・・。


 ただ、自慢話をされるのは、ちょっと気が進まないっていうかねっ・・・。


 ――って、そんな私の気持ちを無視して、もう話し始めてるし・・・。






彩「あたしは最近 いつも“幸せだなぁ~”って思ってるよ♪」

 「だって、彼・・・ホントに超優しいんだもん!!」

 「そりゃあ、彼の優しさと言ったら――――――――――」


 ――さて、ここで彩音がいう“彼”とは、もちろん彩音の彼氏。


 私が木村と別れている間に、彩音は彼氏を見つけたのである。


 だから、大体 付き合い始めて一か月半ってところじゃないかな?


 とにかく、そんなところにいる彩音は、まさに幸せのど真ん中にいるのである。


 だから、私には彩音がとても羨ましく思えて―――――。
























































私「あぁ、最近の私の幸せって、木村と一緒に死んじゃったのかなぁ~?」


 そんなことを、私は静かにポツリと呟いた。


 だけど、その声を聞いた者は、この世に誰もいない。


 彩音も、周りの人も、私の存在なんて気にせずに―――――。





















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