死ンダ 理由
次の日の朝、担任の先生がなんだか深刻そうな顔をして、私達生徒を席に座らせた。
先「お前等に話しておきたいことがある・・・」
「だから、静かに騒がずに聞いて欲しい・・・」
「――と言っても、先生も詳しい話は知らないから、まだ詳しく説明することはできないんだが、先ほどの会議で聞いた話だと、今朝 隣のクラスの木村直登君の遺体が自宅で発見されたらしい・・・」
そこで、先生の予想通り、クラス内は少しざわつき始める。
だが、すぐに先生が「静かにしろ」と生徒に注意を促した。
先「さっきも言ったが、静かに騒がないでいて欲しい・・・」
「まだ先生は、今から職員室に戻ったりしないといけないし、他にも色々と忙しいんだから、何度も同じ注意をさせるんじゃない・・・」
それから、先生は生徒が静かになるのを見計らって、さっきの続きを話し始めた。
「――死因とかは警察がまだ調べている途中だけれども、木村君の死因は、多分 自殺なんだろうって・・・」
「とにかくお通夜とかもあるだろうから、仲の良かった子とかはちゃんと行くこと!」
「それじゃあ、早く次の授業の準備をして待っていろよ!!」
先生はそう言い残して、クラスから出て行った。
そして、それと同時に私達生徒は立ち上がり、各々話したい人の所に移動した。
――もちろん、私は彩音の所にである・・・。
私「ねぇ、嘘っ!! 彩音・・・!!」
「なんで死んだの? 木村ってさっ??」
彩「そんなの私にもわかんないわよ・・・」
「だけど、やっぱり私達が言いすぎたから自殺したとか・・・?」
私「そっ! そんなことはないわよ!!」
「だって、そんなに酷いこと言ってないし!!」
彩「ちょっ! しー! 静かにしてよ!!」
「これ誰かに聞かれたらマズいってば!!」
「「木村君が死んだのは 絶対に私達が原因じゃない」って言い切れるわけじゃないんだから、あの事は二人だけの秘密にしておこう?」
「じゃないと、大変なことになりそうだし!!」
私「そっ・・・そうだよね・・・」
「黙っておけば、誰にもわかんないから大丈夫だよねっ!?」
彩「じゃあ、二人が死ぬまで誰にも言わないってことでヨロシク!!」
私「りょーかい!! それじゃあ、授業始まっちゃうから また後でね!!」
そんな感じの軽いノリで、私達は木村君の事を秘密にした。
そして、全ての授業が終わった頃に、同じクラスの誰かが「クラスの皆でお通夜に行こう!」って言うものから、私達も仕方なく付いて行くことにした。