サイゴのコトバ
私「学校とか行きたくないし!」
彩「そうだよね! 面倒だし!!」
今、私こと結城楓花と話しているのが大親友の小嶋彩音ちゃん。
そんな彼女と、今は一緒に学校に向かっている最中である―――。
私「ってかさ、一限って国語じゃん?」
彩「そうだね♪」
私「じゃあ、あの宿題やってきた?」
彩「やっぱり、その話しかぁ~(笑)」
「楓花なら言うと思った♪♪」
私「さっすがぁ!!」
「ってことは、見せてくれるよね??」
彩「それはいいけど、今度なんかおいしいお菓子頂戴よね!」
私「おっけー♪」
彩「って、あっ! やっべ!!」
「あれ見てよ、楓花!!」
私「えっ??どれどれ!?」
そんな感じで彩音の指す方向を辿ってみると―――
私「はぁ!?」
「なんで木村がいるのよ!?」
私は思わず叫んでしまった。
だが、その声は小さく抑えて叫んだわけではなかったため―――
木「おっ、楓じゃん!」
「ずっと待ってたんだぜ!?」
っと、木村君の耳にも届いてしまったのである。
さて、ここで問題なのは、木村君が誰かという話。
その答えは、私の元彼である、木村直登という奴だった。
私「あのさ・・・」
「私達、別れたんだから、もう近寄らないでくれる?」
木「いいじゃん!!」
「ってか、俺は楓からの一方的な別れに納得してないんだよねぇ~」
「だから、ちゃんと理由を説明してもらってもいいかな? マドモアゼル?」
私「うん、わかった!」
「じゃあ、説明するけど、まず私の名前は楓じゃないし!!」
木「うん、知ってる!」
私「うん、“知ってる”ことは知ってる!!」
「じゃないと、名前も知らずに私達は付き合っていたことになるしね!」
「ってかそもそも、私達は付き合っていたと言えるわけ?」
木「もちろん言えるだろ?」
「俺の告白を楓は受け取ってくれたわけだし・・・」
私「だけど、あんたのウザさに負けて3日も付き合ってないじゃん?」
「あんたとデートをしたこともないし!!ってか、したくもないし!!」
木「そうそうそうなんだよ!!」
「付き合い始めて3日で楓から嫌われる理由が、俺にはわかんないんだよ!!」
私「ってか、デートの話は無視なのね(笑)」
「っていうか、何度も言わせないでよね!!」
「何が“親しみを込めてわざと名前を間違える”よ!!」
「ウザいんですけど!? 失礼なんですけど!?」
「ってか、さっきのマドモアゼル!!」
「フランス語もよく知らないのに使わないでくれる?」
「Un idiot!![訳:馬鹿!!]」
木「じゃあ、言うけど、フランス語わかんねぇんだから、使わないでくれよ!?」
私「嫌だね!」
「本当、馬鹿には付き合ってらないんだから!!」
「行こう、彩音!! 遅刻するといけないし・・・!」
彩「了解だよん!!」
「それじゃあね、おバカな木村君!!」
私達はそうやって、木村君に別れ告げた。
――それが木村君と交わす最後の言葉になるとも知らずに・・・。
「Un idiot!!」は「馬鹿!!」という意味だと思いますが、作者はフランス語わかんないんで、間違ってたらすみません;
ちなみに、楓花はフランス人と日本人のハーフという設定で、
彩音は楓花との遊びの中で、少しフランス語を覚えたという設定。