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テルテルボウズ  作者: 尖角
テルテル坊主
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トシデンセツ

 私は考えて考えた結果、ある一つの答えを導き出す。


 それは、〈私が都市伝説に沿って“彩音ちゃん殺し”をしなかったから、私は木村と違って“成仏”ができない〉という答え。



 なんでそう思ったかというと、“木村の殺し方”と“私の殺し方”で唯一 違うのが、“私の死に方”と“彩音ちゃんの死に方”だからだ。


 まぁ、正確に言えば、性別が“殺した側”と“殺された側”で違うということもあるのだが、どうやらそれは違うようだ・・・。



 だって、木村が言っていた都市伝説・・・。


 《テルテル坊主の誘惑》には、性別の話なんて出てこない。


 出て来るのは、主人公が首吊り自殺をするという事だけ・・・。


 だから、問題なのは首吊り自殺をしたかどうか・・・。




 それに、木村も言っていた。


 なぜこの都市伝説の名前が《テルテルボウズの誘惑》なのかってことを考えると―――っと。


 だから、“成仏”できるかどうかは、都市伝説の名前が関係するということ。


 要するに、テルテル坊主・・・。


 首を吊って死んだか、首を吊らずに死んだかが問題なのである。


 じゃなければ、この都市伝説の名前は“負の連鎖”とかになるんじゃないか?


 私はそう考えた。 だって、そうすれば 全てを納得することができるから―――。






















 そもそもの話、木村は誰かに呪われた。


 その呪いとは、“テルテル坊主の誘惑”という名の呪い。




 木村の前、誰がその呪いにかかっていたかはわからない。


 だけど、必ずどこかに始まりはあり、それに私達が続く形となった。




 そして、私の番。


 私は彩音ちゃんを殺すことに決めた。


 だけど、彩音ちゃんは首吊り自殺ではなく、リストカットを選んでしまった。


 そこで、歯車は狂ってしまう。




 私は死ねずに、彷徨う人間が一人増えるわけである。


 まぁ、今までもそういう手違い的なことがあったかもしれない。


 だけど、私がそれを知る術はないわけだし、知ったところでどうだっていい。




 とにかく、彩音ちゃんの死に方が首吊り自殺じゃなかった所為で、私は“成仏”ができなかったということだ。

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