続ク負ノ連鎖
“意味が分からない―――”
その言葉が私の頭で谺する。
だけど、少しして木村の声も谺し始めた。
――都市伝説。
――テルテルボウズの誘惑。
――主人公の自殺の前から続く負の連鎖。
――死んだ俺には楓を殺すという選択肢しか・・・。
私「まさかっ・・・」
私はそうして閃いた。
その閃きとは、“負の連鎖から続く自殺の連鎖”。
だから、私も木村が私を殺ッたように、誰かを殺っててしまえばいい。
だけど、私は生きた人間には触れることのできない幽霊。
だから、木村が言っていたように、私は誰かを“見守る”ことで殺さなければならない。
要するに、私は“誰かに見つめられている”というプレッシャーを使って誰かを殺せばいいのである。
だって、私も周りの異変を感じ取って、それで周りの存在が嫌になって自殺したくなったんだから、私が誰かを見続けることで見られている誰かも、私のように『周りの人が・・・』と勘違いをして自殺してくれるんじゃないのか?
それが木村から聞いたことを基にして推理した、私の仮説である。
さて、実際試してみようではないか―――。
木村が言うには、負の連鎖によって《テルテルボウズの誘惑》が起きたという。
要するに、私の負を誰かに移せば、その誰かに負の連鎖の根本は移ったということになり、私は成仏できる。
だから、私が成仏するためには負の根本を移せばいい。 誰かを殺せばいい。
そう言うわけで、私は殺す相手を決めた―――。
そう、、、その相手とは、昔 仲の良かった彩音ちゃん・・・。
大親友だった気もするけど、今は羨ましくもあり、憎い存在。
なんで、あの子は私と一緒にいたのにとても幸せそうなの―――?
そんな思いが私の中で行き来する。
だから、私は決めたのである。
殺す相手に―――。 負を移す目標に―――。