連絡
ええっと…あたしはポケットから携帯を取り出すと、健ちゃん宛にメールを打ち始める。
To:健ちゃん
件名:今何してる?
本文:風間コーチのこと…聞いた?
From:美心
送信ボタンを押して、5分もしない内に健ちゃんから返信メールが届く。
To:美心
件名:Re 今何してる?
本文:今、家。聞いたも何も、俺その場にいたから。
From:健太
やっぱり…あたしは一人携帯に向かって小さく頷きながら、メールを打ち返す。
To:健ちゃん
件名:ReRe 今何してる?
本文:色々と大変だったでしょう?大丈夫?
From:美心
同じように、5分もしない内に健ちゃんからメールが届く。
To:美心
件名:ReReRe 今何してる?
本文:大丈夫。美心のお父さんから、少し事情聞かれたくらい。
From:健太
そっか…うちのお父さん今日仕事だって、お母さん言ってたもんね。
…でも、お父さんが風間コーチの件に関わっているということは、風間コーチは事故死じゃない可能性があるっていうこと?
あたしは少しの間、腕組みをして考え込んでから再びメールを打ち返す。
To:健ちゃん
件名:ReReReRe 今何してる?
本文:変なこと聞いてごめんね。風間コーチ、事故死じゃないの?
From:美心
今度は少しだけ、健ちゃんからメールが届くのに時間が掛かった。
To:美心
件名:ReReReReRe 今何してる?
本文:いや、事故死だって美心のお父さんは言ってたけど。美心、今、家?
From:健太
このメールを受け取って、あたしは何となく心のどこかでホッとするのを感じていた…。
そして再びメールを打ち返す。
To:健ちゃん
件名:ReReReReReRe 今何してる?
本文:うん。今、家にいるよ。
From:美心
するとすぐに、健ちゃんから返信が来る。
To:美心
件名:ReReReReReReRe 今何してる?
本文:今からそっち行ってもいいか?メールよりも色々と話せると思うから。
From:健太
確かに、直接会って話すほうがいいかも…。
あたしは一人携帯に向かって頷くと、メールを打ち返す。
To:健ちゃん
件名:ReReReReReReReRe 今何してる?
本文:分かった。待ってるね。
From:美心
このメールを打ち返してから、15分もしない内に健ちゃんはあたしの家にやって来た。
まぁ…歩けば5分ともかからない、ご近所さんなんだけれど…。
玄関のチャイムが鳴って出迎えたあたしに、プールの塩素で少し茶色くなった髪と、太陽からの紫外線で日焼けした顔の健ちゃんは
「よっ!」
そう一言 挨拶してから、いつものように屈託のない顔で微笑んだ。




