表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/20

友達以上 恋人未満

玄関のドアを開いた先に待っていたのは…


「…よっ!ちょっと早いけど、そろそろ行くぞ!」


プールの塩素で少し茶色くなった髪と、太陽からの紫外線で日焼けした顔…。

そう、幼なじみの健ちゃんだった。


「えっ…?そろそろ行くって、どこに…??」


あたしが驚いて聞き返すと


「お~い!ボケるにはまだ早いぜ?ととメールしただろ?映画のチケットを二枚 もらったから、良かったら一緒に行かないか!ってさ」


あたしはハッとして。

そうだった…そう言えばそんなメールがていたけれど…すっかり忘れて…た。


健ちゃんは、そんなあたしの様子を見てニヤリとしながら


「完璧に、忘れてた…だろ…」


そうポソッと言う。

あたしはムキになって


「そ…そんな訳ないじゃない!少し早く来るのが悪いんでしょ?今から用意しようと思ってたところなの!女の子にはね…色々と準備ってものがあるのよ!ちょっとここで待ってて!」


そう早口で言うと、急いで自分の部屋に舞い戻る。


…。

振り向かなくたって、健ちゃんがどうしていたのかが分かる…。

…だって、健ちゃんのクスクス笑う声が、あたしの背中に、耳に、届いていたのだから…。



☆☆☆



明るめのチェックのワンピースに、ポシェットを合わせて…。

…これも、デートって言うのかな?


いつもより少しだけおしゃれをしたあたしは、少し先をなく歩く健ちゃんのその背中を見つめながら…ふとそんなことを考えていた。


健ちゃんはいつもと同じで、とてもラフな格好…。

薄いブルーのTシャツに、ジーンズ姿。

…そんな薄いブルーのTシャツを見つめていると、まるでプールの中にいるみたい…。


…!?

次の瞬間…ふいに、小学生の頃の健ちゃんの顔が思い浮かんでは、消えた…。


あたしの両肩に手を置いて、真剣なまなしで…


“美心、後片付けはいつも俺がするから、美心は絶対にするなよ!…そして倉庫ドアは、絶対に開くな!約束だぞ!”


そう…言う。

…何度も


“約束だぞ!”


と…。


水球クラブの練習が終わって…風間コーチに初めて後片付けを頼まれたあの日…。

健ちゃんがあたしの側にやって来て、真剣な表情かおで何度もささやいた、言葉…。

あたしはその迫力に、ただ小さく頷いて…倉庫の前で健ちゃんが後片付けを終えて出て来るのを…じっと、待っていた…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ