表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/20

秘密の受容

…。

……。

………一週間。

風間コーチが亡くなってから、一週間が経っていた…。


当初お父さんが指摘した通り、その後特に何の問題もなく風間コーチのその死は、不運なプール内での事故死ということで片付けられ、誰もその話題には触れなくなっていた…。


人魚水球クラブは、主催者の徳川コーチが解散を発表し、誰もそれを引き止めることなくひっそりと、その歴史に幕を閉じた。


…あたしはといえば、中学生になってから初めての夏休みの続きを再び満喫するように、自分の部屋のベッドの上に横になっては、相も変わらずゴロゴロとしていた。


…夏休みに入ってからすぐに起きた、あたしが小学生の高学年のときに通っていた人魚水球クラブのコーチの一人である風間コーチの突然の死…。

あたしは何だか探偵気取りで、小学生のときに同じくその水球クラブに通っていて、中一の今は、OB 兼 コーチ補助としてそこに行ったいた、幼なじみの健ちゃんに連絡を取り、風間コーチの死について、健ちゃんから色々と話しを聞いている内に、健ちゃんがあたしに何かを隠しているということに気がついて、不安な気持ちになったりも、した…。

…それから水球クラブのOBで、やはり中一の桂木 修平くんが、突然あたしの家にやって来て、健ちゃんがあたしに隠していた衝撃的な事実を、桂木くん本人の口から聞き出し、それを知ることとなった…。

あたしは居ても立ってもいられなくなって…風間コーチの彼女で、水球クラブのコーチの一人でもある三枝コーチのマンションを訪ね、そこでその全真相を知った…。


あたしはゴロンッ…とベッドの上で大の字になると、部屋の天井を見つめる…。


…誰にだって。

そう、誰にだって人に言えない秘密の一つや二つを持っている、はず…。


…もし自分の大切な人が、大好きな人が…

少年愛者だったら…?

少女愛者だったら…?

SM愛好家だったら…?

同性愛者だったら…?

ある犯罪の加害者だったら…?

被害者だったら…?

…それとも、もっと別な…あたしの想像もつかない、とてつもない “何か” だったとしたら…?


あたしはそれを、受けれることが出来るだろうか…?

そのことを知っても、愛し続けることが出来るだろうか…?


…。

そんなことをボッ~としながら考えていると…。

クゥ~と、お腹の虫が声を上げる。


…うん!考えると脳の糖質を使うから、お腹がくよね…。


どんなに真剣に色々なことを考えていても、やっぱりそこは中一の女の子!

空腹に勝るものなんて…絶対に、ない。


あたしは冷蔵庫の中にある、取って置きのモンブランケーキのことを思い出して、少しウキウキしながらベッドから飛び起きると、二階の自分の部屋から階下のリビングへと向かう。


あたしは…刑事であるお父さんに、この一連のストーリーを何一つ話さなかった。

刑事の娘としても…ううん、ひょっとしたら一人の人間としても、あたしの判断は間違っているのかもしれない…。

…でも、それでも、あたしは…。


…そのとき


“ピンポ~ン”


玄関のチャイムが鳴る。

階段を降りかけていたあたしは


「は~い」


と返事をしながら、急いで階段を降りて玄関へと向かい鍵を開けると、ゆっくりとドアを開いた…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ