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LOSER



☆荒木 冷太




・冷静沈着、傍若無人で並大抵のことには驚かない高校生。勉強、スポーツ等は人並みだが、怒った時は何故か化け物に近い力を発揮するようになる。その力の大きさは、冷太の怒りの度合いと比例するように上がっていく。


・恥をかかされることを極端に嫌う。もし誰かに恥をかかされようものなら、その相手がどれだけの人間で、どれほどの時間が経とうとも必ず追い詰めて復讐する。が彼のモットー。


・逆に、人に恥をかかせるのは大好き。自分では気づいて無いが、確実に隠れドS。






「おはよー!チカ」


「おはよ…相変わらず元気ね」


「まぁ、それが私の唯一の取り柄だからね!」


笑顔でそう言うハイテンションガール由香に、私は昔から数えたら何度目かわからない変わらないなぁの言葉を発した。



由香はいつも楽しそうでいいなぁ…学校が嫌いな私なんかもう既に帰りたくて仕方ないと言うのに…



そんなことを思っていると、由香はいきなり私の方によってきて、何やら耳元で囁いてきた。



それむずむずするから嫌いなのに…



私のそんな気持ちも知らず、由香は若干の吐息とともにその言葉を発した



「チカ…来たよ…例の爆弾少年が…!」


「え…」




私はその言葉を聞いた瞬間、妙に体が強張った。



そして教室がいきなりやたら静かになったのに気付き、ゆっくり、首を教室の扉の方へと向けた。



「来た…」



するとそこには何と、いや、普通は当然だが…学ランのボタンを全て閉め、頬杖をついて座る荒木冷太の姿がいた…。




昨日あんなことがあったのに、何事もなく登校してきてる…。



だけど、その隣の席の神崎ダイトはまだ来てないみたい…



まさか…ね。




私は荒木冷太の後ろ姿をこっそり見ながら、昨日のことを思い出していた……………



「このクラスにはろくなやつしかいないってことがよくわかった…」



あいつ…荒木冷太がそう言った時、反論できる者なんていなかった。



あの時はみんなきっと「自分じゃなくてよかった」とか、「誰かが止めてくれるだろう」とか…そういういわば他人事のようにその光景を見ていたから…



実際私はあの時、こんな弱いものいじめみたいなこと、止めようとしていた…



でもあの時は先生もいたし…私一人が反論したって、私までいじめの対象になると思って…



何度も止めようと口を開いたけど、肝心な言葉が出せなかった…



「やめなさい」…と



…ううん、どんな理由だろうと、止めなかったことに変わりはないのだから私も彼らと同じだ…



私がそんな罪悪感に苛まれていた時、教室中がやたらとざわざわしていることに気付いた。



何やら皆窓の外を見ながら騒いでいる。



耳を澄ませば、隣のクラスの生徒達もざわついているのがわかった。



「な、何?どうしたの!?」



私はそう隣にいた由香に尋ねると、由香は何故か半笑いで「あれ!」と校庭の方を指差している。



私は笑っている由香を不思議がりながらも、言われるまま窓ごしに校庭を見た。



「……?…………。…………!!」



まぁ…わざわざ引きずって持って行くくらいだから悪い予感はしてたけど…



まさかここまでするとは…



そこには、大きく石灰で「LOSER」(敗者)と書かれたグラウンド…



そしてそのOの文字の中で、裸で気持ち良さそうに仰向けで眠る神崎ダイトの姿があった。



…彼らが教室を出てからまだ20分弱…



…作業早過ぎない?




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