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荒木 冷太





「えーさきほど始業式でも申しました通り、私が担任の明石通(あかしとおる)です!皆1年間よろしく!」



「よろしくお願いしまーす!」

「先生彼女いんのー?」

「若いねー」


「はは、彼女は今関係ないだろ!」


「あーいないんだ!」

「マジかよ先生寂しいねー!」


「こ、この話はもう終わり!出席取るぞ!」


「アハハハハ」



…あ〜

よかった〜!このクラス皆明るい子ばっかりで!まぁ…少し気になる子もいるけど、特に目立った不良とか問題児とかもいなさそうだし、1年間何事もなく楽しく過ごせそうだな!


俺はそう思いながら軽くウキウキしながら出席簿を持った。


「えーじゃあ元気よく返事しろよ!まずは荒木「すいません遅れました」…え?」


一人目の名前が呼ばれようとした瞬間、いきなり教室の扉が開かれ、全員何事かと思って見てみたら、そこには高校初日から遅刻をかます馬鹿野郎の姿があった。



「8時55分…なんだ?思ったより早く着いたな。」



完全に遅刻をしながら「早く着いた」等と抜かすこの男に、全員「何を言ってるんだこいつ」という目を向けている。



「うん…?君、クラス間違えてないかな?」


ここ、C組担任の明石は「こいつがどうか間違えてここに入った別の組の生徒でいてくれ」と願いながらそう尋ねたが



「いや、俺は確かにC組だぜ…多分。一応出席簿に【荒木 冷太】の名前があるか確認してもらえるかな?先生」


冷太がそう言うと、明石は焦るような手つきで出席簿を確認した。



どうかいないでいてくれ…こんなあからさまな問題児が俺のクラスではいないでくれ…そう思いながら



しかし



「荒木冷太…出席番号…1番…?…うそ…」


その期待は一人目で打ち砕かれた。




「1番?ってことはあの一番前の席か…まぁ空いてる席が一つしかないのに聞くまでもないけど」



そう言ってドカッと椅子に座り荷物を整理しだす冷太を、男子達は苛立ちを露にしながら見ていた。


一方女子は


「ねね、あの子ちょっとイケてない?」

「カッコいい〜」

「誰かメアド聞いてきてよ!」


等と盛り上がっている。


実際冷太は、本人も自覚する程のイケメンだ。

しかし冷太本人はそのことを別に鼻にかけたりもしないし、不細工な奴を見下したりもしない。


切れ長の二重の目に、スッとした鼻とシャープな顎、痩せ型だが筋肉質な体型の美少年だ。

髪型は長めの髪を所々跳ねさすている無難なスタイリング。


それが更に男子陣の嫉妬の炎に油を注いでいた。



そしてそのいくつもの感情の入り混じった視線を向けられている冷太本人は…



(なんか見られてる…?

クラス中に見られてる…

……なんでだよ…)



少し困っていた。


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