神寄市
宿題人にも終わってない やばい
「私は後何駅で帰れるの?」呆れ顔のままハナは囚時に問う。
「あと、確か22駅後かな。」
「はあああああああああああああああああああああああああ」予想よりもだいぶ多い駅数に驚いたハナは大きく口を開いて驚く。
「22駅って、、22駅ってぇ、まじ?」
「大マジ。むしろここまで停車する駅を絞った俺に感謝してもらいたいくらいだ。」質問に応じたのは囚時だった。
「囚時ぃ。。くそっ、、意地汚いことばっかり」そう言い放つハナに覆いかぶさるように信也が話しかける。
「いや、囚時が言ってることは正しいよ。普段はもっと停車する駅が多いのにここまで絞るのも少し無理があったくらいだ。」そう言い放つ信也を見てハナは納得するしかなかった。
「そうだそうだー」
「あんたは黙っててっ!」煽りをかける囚時にムカつきながらも自分自身を制止する。
ハナは目元を抑えながら深くため息をつく。
そんな中、囚時が口を開く。「あと、22駅中もちろんトラブルもあると思うから手伝ってもらうよ。わるいけど、これはガチで君が帰るためには必要なことなんだ」珍しく囚時は真面目な口調で話す。
「マジで言ってる?」
「大マジ。まあさ、時間はあるんだ。気軽に俺らと仕事してみようよ、案外やりがいあるかもよ。」囚時はまるで友達を遊びに誘うかのような様子で話を振る。
「、、。」内心。ここにきてからは自分が生き生きしていたことに気づく。
「ここで見た君は生き生きしてるように見えたけど。一緒にやろうよ、俺らで君の心の未完成な部分を立て直すから。」そう言う囚時の顔はいたって冷静な表情であった。
「なに、いきなりキモイな、。。。。分かった、私もする。」信也と囚時がフッと笑う。
「その代わり、私をちゃんと帰してよね。」
「あたぼうよ!」揺れる電車の中、元気な声だけが響き渡る。
『次は~神寄~神寄~』停車アナウンスが電車全体に流れる。
「早速、行きますかぁ」囚時は重い腰を上げるように立ち上がる。
「うんっ!」返事をするハナの顔は自然と笑顔になっていた。
信也は電車で待っているようだった、今回は囚時と一緒のようだ。
「言い忘れてたけどな、俺らはただの移動用の電車を運営してるわけじゃあないんだぁ。ここにいる者が行くべき場所に行って、また動き出して明日に向かえるように案内するのが俺らの仕事だ。幽霊や怨霊であろうが人間だろうが俺みたいなのだろうが、みんな発展途上なんだ。だから、道を外れた人たちなんかを進むべき道に戻してやるのも俺ら幽霊電鉄の仕事でもある。」辺りは不気味なのに囚時の晴れ晴れとした顔だけが輝いて見えた。
「あんた、そんなに丁寧ににふるまえるんだったらいつもそうしてよね」囚時を横目にハナがそうつぶやく。
「な~に言ってやがんだぁ?おらぁ、いっつも優等生の聖人君子だぞぉ~」
そんな他愛もない話をしている最中、異変は突如として起こる。
『、、、。』
「待て、止まれ」囚時が突然声色を変えて言う。
「分かってる」ハナの視線の先には推定4,5歳程度の子供がこちらをじっと見て立ち尽くしている。
「あれは、、、」
辺りには異様な静けさと微かに水の流れる音がする。
書くことがない!




