夢みたいな約束
顔をあげると、イーサンのあの宇宙を思わせる紺碧の瞳と目が合った。
まさに朝陽が射し込み、その瞳には光の筋ができ、精巧なガラス玉のように透き通って見える。なんだか吸い込まれそうであり、見惚れてしまう。
だがそこで我に返る。
「あ、あの、結局、バレエにご招待いただいたのに……。私、一秒足りとも観劇できていません」
「仕方ないと思います。事故に巻き込まれたも同然ですから」
「でも……とても高額でしたよね? 一階のあの席では……」
するとゆっくり私の手をはなし、イーサンは朝陽を受け、輝くような笑顔になる。
いろいろな意味で眩しい……!
「僕は普段から、お金を使うことがないのです。つまりこういった時ぐらいしか、使う機会がありません。ですからそこは気にしないでください」
「そう言われても……」
「ではもう一度、バレエを観劇する機会があれば、お付き合いいただけますか?」
!? それでは余計にお金がかかるのでは!?
そう思ってイーサンを見ると、彼は朝陽を受け、キラキラした笑顔をこちらへ向ける。
と、尊い……!
「今回、一幕分しか観劇できませんでした。バレエというものがまだよく分かったとは言えません。この演目以外でもいいので、もう一度観たいと思いました。もしローズベリー伯爵令嬢が、僕に対し、『申し訳ない』という気持ちがあるのなら。もう一度バレエに、お付き合いください」
なるほど。費用よりもちゃんとバレエを観たいということなのね。
それに次回観劇する時は、私がチケットを買えばいいのだわ。
「分かりました。その時は私がチケットを手配します!」
「そうですか。ではその後のディナーのお店は僕が予約しますよ」
「ええ、お願いします!」
いつこの約束が実現するのだろう。
バレエの公演はまた行われるのかしら?
でもあれだけ盛況だったのだ。きっとまた、公演はあると思う……。
「もしこの国で公演がなかったら、フィーレン国へ観に行きましょう」
「え!?」
そこで扉がノックされる。
様子を確認するために、メイドがやって来たのだ。
結局、話はここで切り上げることになり、イーサンは自室へ戻り、私は身支度を整えることになった。














