考え方もイケオジだった
イーサンのことを考えてはいけない。
それよりもまずはイケオジなエルン騎士団長が紹介してくれる騎士と向き合おう。
あの団長が紹介してくれる方なのだ。
きっとイーサンと同じぐらい誠実で真面目な人だろう。
彼と会い、自分がどんな気持ちになるのか。
そこを見極めるまで、バーナードとデートの約束はできない。
こうしてその日がやってきた。
つまり、イケオジなエルン騎士団長が紹介してくれる騎士と会う日が。
「実は、紹介する相手がローズベリー伯爵令嬢とは伝えていない。お互いの先入観を排除するためだ。指定された場所に行き、そこで『初めまして』となる。仲介者がいないことで、肩の力も抜けるし、気軽に会話もできると思う。何よりローズベリー伯爵令嬢は、自分の過去にとらわれないで済む。相手も純粋に、ローズベリー伯爵令嬢のことを一人の女性として見る。そこで生まれた気持ちは、本物のはずだ」
イケオジなエルン騎士団長は、考え方もイケオジだった。
私が婚姻歴ありを引け目に感じていること、年齢を気にしていること、それらを踏まえ、そんなことにとらわれずに相手が私を見られるようにしてくれたのだ。
ここまでしてくれるのだから。
私も真剣にこの出会いと向き合いたいと思った。
ティータイムに会うということなので、明るいパステルピンクのドレスを選んだ。
袖はパフスリーブで、スカートは裾に向け、ふんわり広がっている。だがウエストには赤紫色のリボンを結わくことで、メリハリが効いている。
髪はローポニーテールにして、ウエストのリボンと同色のものでまとめた。宝飾品はパールのイヤリングとシンプルに。
甘いけれど、甘すぎない、素敵なコーデができたと思う。
こうして指定されたロイヤル・ボタニカル・ガーデンへと馬車で向かった。
ロイヤル・ボタニカル・ガーデンは、王族が所有する広大な庭園だが、ほとんどのエリアが一般開放されていた。入場料さえ払えば、平民でも見学が可能だ。
見所は巨大な総ガラス張りの温室。
鳥籠のような形のこの温室には、珍しい南国の植物が展示栽培されている。ヤシの木もここでみることができた。さらに紅茶の館という、こぢんまりとした屋敷があり、そこでは様々な種類の紅茶の茶葉が展示されていた。しかも一階のカフェで、珍しい紅茶を楽しめるようになっている。
今回、イケオジなエルン騎士団長が待ち合わせ場所に指定したのは、一般には解放されていない「緑廊」。前世で言うなら、藤棚だ。
今がまさに満開のウィステリアを貸し切りにするなんて、さすがイケオジなエルン騎士団長だと思う。しかも自身の部下と私のために!














