森の中で輝く
お読み頂き有難う御座います。
間が相手申し訳なく。
「全く……」
怒りに震えて溜まらないわ!
あんなのにウザ絡みいえ、構われ倒していたなんて……! ジェントさんが滅茶苦茶気の毒よ!
と、ズカズカ、プンスカ……と道なき道を歩いていたら……。
「こ、此処、何処かしら……?」
……私は……ニノン。いい歳して深い森の中で、迷子……。
深き森に惑いしか弱き乙女……の方が聞き具合がいいかしら?
い、いやどうでもいい!
日陰で寒いし、シーンとしてるし! 人気のない……いえ、人気はあっちに有るけど、森!
えーと、何か目印は……!? 立て看板とか!? 迷子用道標とか!?
「ど、何処を見ても森の緑……と岩……」
聞こえるのは葉擦れの音……と、どっかで岩が転がる音……。
そう、ゴンゴロゴロリ……。
「んん!? 岩!?」
「ギャア!」
……あ、遠くの方で神官の声が。という事は帰りはあの赤い実の生えた木の方角……あっちね。
……地味にこの辺の傾斜は緩いけど山だもの。落石とか怖いわね。こっち来ないといいなあ。まあ、あっちに落石有っても何とか救助するでしょ。人数多いんだし。
……ん?
何かしら。地面が所々光ってるわ。
キノコか何か……?いえ、違う。
これは、足跡……?
……ファンタジーなのかホラーなのか微妙な所だけど……。
取り敢えず、この意味不明な光った地面を辿ってみるべきかしら。
どの道、ジェントさんも見つからないし……。
……でも、この光る足跡? も何時まで光ってるか分からないし目印は必要よね。
取り敢えず、この普通のカチューシャでも木に結んどくか。
……棘付きカチューシャだとマキビシにしかならんものね。普通で良かったわ。
「……光る足跡って、物語だといい感じの道標が多いけど……」
……体感で、10分くらいかしら。
何というか……特徴のない代わり映えのしない森よね。
花が咲くとかキレイな泉が有るとか、立ち寄りたいスポットはまるで無いのよね……。
「ん?」
あら、何か……? 足跡とは違う感じで光ってるわ。
……光る魔物とかじゃないと良いなー。一般的な非力な町娘だもの。流石に魔物と戦える技能は無いわ……。
「あら、お花が……」
取って付けたように咲き乱れているのは何故。
しかも開けたところとかじゃなく、その辺の木の間に……結構雑ね。
やはり、物語は物語と言うことかしら。
でも、何か……真ん中の方に光るものが……。
まさか、伝説の剣? いえ、天使? それとも妖精かしら。
いや、ジェントさんかもしれないな。と言うか……そっちの方が埒が明くわよ。
取り敢えず隣町に行ったら縮むから、妥協点を話し合わないと……。
あの他力本願全開神官を追い出す方向で……町の皆さんと話し合おう! とかさ。
でも、現実って非情よね。
「……ば、バケツ……だけ!?」
あの光るバケツが……風でそよぐ美しい花々の中に置き去りに!
何故なの!? 要らん! 要らんのよ!
今、バケツが滅茶苦茶必要ない!! あんな光って蠢くバケツなんて……。
「……ん? 蠢く?」
「遅かったですねー」
「ンンンん!?」
いやね。
心の底で信じて無かったかもなのよ。
それに、縮むにしてもほら、そんなに町から離れてないし、猶予が有るだろうって。
「中々の啖呵でした。ニノンちゃん、有難うー」
「ななな、に、にんぎ、ニンギョ、人形……」
「あ、ジェント本人です」
「……ギャーーー!?」
「いやあ、いいリアクションですねえ」
い、いいリアクションじゃないわよ!!
こ、こんな……こんな! ガチ縮むとか、サイズ感とか……いや、それよりも!
「ば、バケツに……何で入ってるんですか!? ジェントさん!」
振り回されてますね。




