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突貫守護者は仮初聖女を捕まえたい  作者: 宇和マチカ


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14/23

僅かな時間の勾留

お読み頂き有難う御座います。


 神殿って入ったことなかったのよねえ。

 思ったよりジケッとしてるわー。

 半地下だからかしら。

 木製の簡素な椅子と、簡素なテーブル。そして……硝子瓶だらけの棚に、木箱……。

 物置かしらね。


「……寒々しい部屋ね」


 此処でボケっとするしかない私は、単なる町娘、改め虜囚の身になった、ニノン。

 ……流石に手鎖はされてないわ。足は縛られてるけど!


「少しは落ち着いたかね」

「落ちけると思うのかしら」

「仕方あるまい。君は聖女の誘拐犯扱いなのだから」

「ん!?」


 ……う、うわあって叫びだす所だったわ!独り言に返事が返ってくるとか思わないじゃない!

 こんな真っ白けの服の人がいるとは!! 気配が無さすぎた!


「ニノン・ザッカリー嬢だね」

「だだだだれ……」

「聖女の親だよ」

「……親!? って、あの、酷い名前を付けた虐待親!?」

「……市井の口さがない噂話は、下品だな」


 いやいやいや!

 金蔓なんて連想させる名前を付ける方がおかしいでしょ!

 何シレッとした声を出してるのよ!


「……その君の優しい心を利用した聖女は、君を見棄てて逃げたが……其処は良いのかね? 聖女の行方を存じているか?」

「良かないわよ! て言うかジェントさん助けに来るのよね!?」

「危ない時には誰でも見棄てて我が身を守り、逃げろと教育したのが、良かったようだ」


 いや大事だけど! そりゃ大事だけど!

 結構人の心がないわよね!? ……いや、本当に助けに来てくれる……わよね!? 助けを呼びに行ったとか、そういう展開を信じてる!


「そもそも……この短期間で快く心酔させたということは、余程相性のいい守護者なのだね」

「いや、受諾してないんだけど」

「聖女は君の許可や意思確認は要らないよ。勝手にやられただろう?」

「そうだけど」

「でも、迷惑だと感じていない。やはり相性が言いようだ」

「……」


 あれ?

 私ってそんな理不尽な事されたのかしら。

 確かに……井戸やら家やら戸棚やら、光らせられたのは結構理不尽よね。

 ……あれ?


 こういう理不尽な要求を飲んじゃうって……。魅了とか、そういう精神操作系の……何かこう、そういうヤツをジェントさんに掛けられてる!?


「あの……もしかして、私って……ジェントさんに、その、魅了の魔法とか掛けられてます?」

「傀儡系の魔術を掛けられる素養は、聖女に無い」

「無いの!?」

「そんなことしなくてもあの子はチャーミングなのでな」

「いや、そういうんじゃなくて……」


 こ、この人、親バカなの?

 ……虐待親だと思っていたの……。


「しかし、逃げるスイッチが入ってしまったようだね……。聖女は中々見つからない」

「そりゃそうよ。ボンクラ、いえ……遠くで静かに暮らしたいって言ってたもの」

「遠くで? そりゃ大変だね」


 この人、本当に焦ってんのかって疑うレベルで科白がのんびりね……。


「ねえちょっと。本人が嫌がってるんだから、逃してあげてよ。聖女だなんて金蔓扱いされたくないのよ」

「これは異な事を。聖女を観光資源として利用し、潤っているのは、町の人々では?」

「うっ!!」


 ……そ、そうだった。

 そう、なのよね。可哀想だ、逃してやれなんて目を逸らしてきたけど……。

 この町の住人である私も結局は、搾取する側なんだわ。

 観光客に聖女飴とか売ってるガメつい雑貨屋だし……。

 うう、どう償おう!? ブーメランとして滅茶苦茶返ってきてる!


「それに、早く捕まえないと縮む」

「……ジェントさんにどうお詫びを……え?」


 縮む?

 凹んでよく聞こえなかったけど縮むって言った?


「え、縮むって……服が? 洗濯失敗か何か?」

「戯けた事を。聖女だ。この町から1キロ離れるごとに彼の身は縮む」

「は? 彼の身って、え、人体が? ボディが?」

「そう、聖女の生身の肉体が、縮む。最小でこう、片手で握れる人形サイズにまで縮む」


 ……片手で握れる人形サイズ……?

 え、え?


「聖女を只人と考える無かれ。あれは、人形のように愛らしい族」

「そ、それ……ネタでは」


 その、何代目か前の聖女様のモテエピソードの一環、なのでは無かったの!?


「聖女神殿では成長を留める事が可能、故に離れると本来の姿に戻る」

「え、コレマジな話なの?」

「そのマジな話とやらで、早く保護せぬと獣に喰われる」


 ……ど、ど、ど……どえらい事になってる……!?

 え、え、獣に喰われるって、ジェントさんが、縮んで、獣に!?


「再度聞こう。聖女の目指す遠くとは何処だ」

「と、隣町……に、行きたいって」

「彼の地か……左様。そなたも守護者として捕獲に尽力せよ」


 足の紐を解いてくれたのは、良かったけど。喜んでる暇無い!

 ……滅茶苦茶急がなきゃ……!!

よし、タイトル回収出来ました……!


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