地下にある本(2)
地下異界教会の人である。
地下異界協会は、セイントクロウと言う教祖の下で作られた存在。
基本的には地下暮らしだが、聖書を読むのはルール状十二時間と言う半日間は読み続けないといけない。
そんな聖書服の少女は、魔法術を口小さく言いながらこう言う。
「メインは裁きました、お前ら二人も神に逆らうならーー裁きます? 違う、魔王の手先? うんそれ」
「……出来んのかァ ?」
「魔法風勢如きが、我らに勝てると思うな…」
キリッとした顔で聖書服の少女言った。
結構イケボじみた声だけ聖書服の子、今にも泣きそうで震えてるんだけど…。
そんなマヤの思想を裏を突く、聖書服の少女の周りから無数の矢が出現し、ザァァァァっと言う音をならしてシルバーに目掛けて飛んだ。
「汝に射抜く矛を !!」
シルバーは、避けようともせずに、ただじっと眺める。
ズガガガガっと鳴り響く、だが、聖者服の少女は異変を感じた。
聖書服のは 少女に貫く一本の矢が目に入る。
自分の腹部に1本の矢が突き刺さっている事を気づく。
「ぐっ…」
聖書服の少女はよろけた、だが倒れない。
歯を軋ませて、シルバーを睨む。
煙舞あがる中、シルバーはこう言った。
「なァ、反射魔法ってのわかるかァーー ?」
「汝に聖なる矢を… !」
白煙が舞う中で聖書服の少女が言い放たれた光の矢は、シルバーの周りには無数の矢が埋め尽くすようにあった、だが、シルバーには届いてない。
白煙が消えると、その姿が鮮明に目に写る。
「…っ! 通用しない… ?!」
聖書服の少女が驚き苦笑いと冷や汗を滲ませた
マヤもまた、その光景を見て口にした。
「何その魔法… ?」
魔法なのかと疑う様な…そんな高度な魔法。
火花を散らしながら、シルバーは言う。
「シルバーカウンターストライブ。この名を聞いて学園の人は知らないはずがねぇ、俺固有の魔法だ」
シルバー・カウンターストライブ…。
シルバーが固有する魔法、その特徴は物理的反射。
飛ばされた物や、自分に対して攻撃する全てを跳ね返す…言わば鏡である。
六花生は、クラスごとに階級はあるが…その更に上の存在が最上位序列と呼ばれ、その魔法は最強と言われる。
実績問わず魔法が最強であれば誰でも入れる場所である。
その一位が「シルバーカウンター・ストライブ」と言う魔法で魔法を跳ね返せば、物理すら跳ね返す。
空間魔法と時止め魔法を組み合わせて作り上げた、この世界的には前例が無い。
六花では、確かに有名だけど…最上位序列は聞いた事がないわ。
シルバーは、ニヤリと深い笑みを浮かべて言う
「くくっ…手も足も出ない。それがまさに最強っと言う事だ」
聖書服の少女は、まだ気力で耐えている。
腹部に刺された矢はじんわりと赤みを服に滲ませた。
本を開いて聖書服の少女は言う
「串刺し希望なら、これを弾けば簡単に終わるが…。あー、ぬこちゃんダメ! めっ !」
聖書服の少女は、何やらアワアワしつて書いてる本と違うセリフを言う。
やっちゃったと言うような、引き攣りながらの笑みをする聖書の少女。
シルバーは、魔力を解き放つことなく無数の矢は地面にカランっと慣らして落ちた。
「おめぇには、一撃にはお似合いだ」
落ちたやを拾い上げてシルバーは投げる。
ゴォッ! と音を鳴らしながら飛び、聖者の服を来た少女に刺さりゆっくりと床に倒れた。
ダメ出しの一撃を聖書服の少女は受けたのだ。
マヤは、周りを見渡しながらこう話す。
「この空間、何も無い…どうゆう事かしら?」
壁にも何も無い、かといって入口みたいな仕掛けがある訳でもない。
周りがただの鉄筋コンクリートの壁である。
聖書服の少女はどこから来たのだろうっとマヤは思った。
するとシルバーが、両手にポケットを入れたまま目の前の壁を睨む。
何も無い壁…何かある感じはしないけど…。
シルバーは壁を睨んだままこう言った。
「…くせぇな、この壁。」
そう言い放ち、左足を軽く蹴飛ばしたシルバー。
べキッ!と言う音がなり、壁は見事に亀裂が入り蹴った周囲半径約六メートルの楕円の壁が向こう側まで吹き飛んだ。
どうやら、先に道があるようだ…聖書服の少女が現れたのはその壁の左側に大人1人通れるくらいかの穴が空いていて、聖書服の少女が現れた場所を見るともうひとつ同じ穴が空いていた…。
つまり、シルバーは壁を破壊すれば通れると言う脳筋的な発想だった。
やり方にエグさを感じたマヤだった。
「偽モンの壁作る暇あんなら、他に力を使えよなぁ。」
私でさえわからなかった、さすが最上位序列。
ものつまんなそうにシルバーは歩き出した。
マヤも歩き出すと、先程のシスターの服の少女が動いた。
「ま、まて…」
シルバーは足を止めることなく進んで行く中、マヤは足を止めて振り返って言う。
まだ呼び止める気力あるのかっと思った。
「死にたくないなら喋らない方がいい」
そのシスターの少女はこう話し出す。
「花がない剣士って…キミの事ね。笑わないし、無表情で右肩にある花の勲章が無い人。そんなキミだからこそ…話を聞いて欲しい…」
なんで知ってるんだろうかと、マヤは思った。
少しばかり疑問である、マヤは聖書服の少女に聞いた。
「なんで私を知ってるの?」
すると聖書服の少女はこう答えた。
「地上の情報はある程度手に入れてるんだ。どうやってかは内緒で機密事項だから教えられないよ」
まさかの機密事項と来たかっと少しばかりガクッとしたマヤは改めてこう言った。
「…よく分からないけど、なんで止めるの?」
聖書服の少女はこう言う。
「危ないからに決まってるよ…」
「……」
アリサリックの真面目な眼差しを見てマヤは話を聞くことにした。
「私は、地下異界教会の一人アルサリック。この世界の…地下で生きて来た、なんでかは分からないまま幼少期が過ぎた時に…軍人らがここに来て荒らしたの…」
アルサリックは痛さを我慢しながら更に話す。
マヤは無言無表情で床に倒れてるアリサリックを眺める。
「この計画は、機械的に人間を改造して、対魔法として作り上げた兵器…つまり人体改造して魔法がある人に対して対抗するために考えられた計画。だけど、それは上手くいかなかった…魔法持たぬ人と持つ人にはまだ差があらるからね…。そこで、その計画に…追加されたのは禁断の書手に入れる事だった…これが目覚めると復活しちゃう…」
マヤはしばし黙り、そして、こう聞き返した。
「防衛でアルサリックは、私達に攻撃を仕掛けた。それだけやばい本がなんで地下にあるの?それと、禁断の書って…?」
何が目覚めるかまでは聞かなかった。
何となく怖い感じがしたから。
「うん…禁断の書は私にも分からないやばすぎて誰も知らない」
マヤはちょっとだけだが、不思議な違和感を感じた
地下異界に住んでいる信者達は、なぜ禁断の書の存在が知っていても詳細が知らないと言う点が違和感である。
軍人はそれ自体を知ってるとすれば何のためにこの地下に来て攻撃を仕掛けてるのか謎である。