花がある剣士(2)
昼休みが終わり、ようやく高等部の入学式が始まる
体育館での入学式で、マヤ達は走って向かい。
ギリギリで間に合い、自分が座る椅子に着席する。
2学年は鉄製の椅子に座り新入生を待つ。
《只今より、一学年生の入学式を始めたいと思いますーーーー新入生入場。》
体育館の扉が開き、新入生は一直線に歩く。
色んな顔ぶれがある中で、マヤは見覚えがある少女を見つける。
中学の時の後輩である。
マヤの中学の時はごく普通で、剣道部を毎日通う人
それこそ、部長を倒してしまうほど。
驚きの声が上がる中、一人の子は無心であった
それが、後輩との出会いである。
同じ高校に来たんだ……魔法と無縁だった様な気がする。
マヤと同じく、後輩も魔力がない。
不思議と共通点もあったから仲良くなれた。
だが、よく見ると……頬に傷跡がある。
後輩は割と美女で有名だった。
男子が見とれて告白してくるほどだ。
そんな子が顔に傷を負うとは正直ありえないし……
ショックだった。
「マヤ?」
「大丈夫よ。」
そう作り笑顔も、マヤらしさがある。
心配もあれば、気になるところもある。
今はとりあえず考えないでおこうっとマヤは思った
入学式の進行は進んで行ったーーーー。
それから数日後ーーーー。
マヤはこの日、剣道場へと足を運んでいた。
鍛錬を積むためで、竹刀を振る。
3000回ほど振り終えると、次は妄想内で敵の倒し方を想像して戦う。
そんな事を、してる内に夕方である。
マヤ達のクラスは、授業を参加してもしなくてもいい。
何故ならば、勉強などはひとつのコンピュータ機にひとつに集めてあり、そこから好きな科目をやるだけで自習型である。
「勉強と鍛錬どちらかを選ぶなら…鍛錬かな。」
マヤはまだ強くなりたいと願う所もある
すると、剣道場の扉が開き…新入生であるマヤの知り合いの子が来る。
髪の色は赤色の短髪で、右目は青で左目はエメラルドグリーンの深みある目である。
身長は、マヤよりも1、2センチぐらい高く水色のセーラ服を着ている。
「先輩、手合わせお願いできますか?」
「私でよければね。」
マヤは、竹刀を左手に持ち立ち位置に立つ。
少女もまた、竹刀を左手に持ちマヤの真正面に立つ。
こうして2人で剣道をするの1年ぶりである。
2人はお辞儀して、構えを取る。
「先輩相変わらず型を感じさせませんね。」
「ミヨも変わらずだね。」
ミヨの型は突く様な構えである。
その型は、《桜花剣技》と呼ばれるこの世界では知らない人はいない有名な剣技。
他にも神殿直属の剣技《聖剣閃》、王国軍の剣技《アザルト・ソード流》など……。
様々な剣技が存在していて、《桜花剣技》は東方剣技と多少似てる部分があるのが特徴だが、基本は穿つ構えである。
対してマヤは、左側に横に立つ右側に竹刀を置く……。
この構えは、カウンター系で攻撃を見切るためである。
そして、2人は床を蹴飛ばして走るーーーー。
「はぁぁぁぁーーーー!!」
「せぁぁぁぁーーーー!!」
お互いの振り抜いた一撃は、破裂音並みの音を奏でる。
2人の撃ち合いは、激しさをましていく。
だが、やはりヨミはどんどん押されて行き……。
最終的には、マヤからの下から切り上げた振りでミヨの手に持つ竹刀が弾き飛ばされた。
ミヨの背後にしないが転がり落ちる。
「まだまだね……。」
「くっ、これだけ頑張っても……先輩に追いつかないなんて。」
マヤは、右膝を床に着いているミヨを眺めながら言う。
「私は、色んな戦いをしてきたのこの一年。ミヨが鍛錬してた様に私も経験を詰んだのよ。」
マヤが言い放つその一言には重みがあった。
それはあの戦いで色んな感情や、戦いを覚えた。
消して鍛錬を無駄と言ってはないが……。
経験が足りてなければさらに、先には進めないだろうっと言ってる感じに近いのだ。
ミヨは、軽く笑ってゆっくりと立ち上がって言う
「流石、先輩ですね。言う言葉が違いますね。」
「それ褒められてるのかしら?」
ミヨは後ろを振り向いて、落ちた竹刀を手に取り言う
「そうそう、マナさんから伝言」
「え?」
拾い上げた竹刀を右手に持ちマヤの方を振り向く。
マヤは、ちょっと驚いた顔をしていた。
何せ、姉からの伝言は初めてだからだ。
「しばらく郷に帰れないから、お墓の手入れお願いね。だって。」
「……相変わらず無茶言うわね。」
特に気にしなかった伝言、とりあえず墓には行かないといけない感じだろう。
キーンコーンカーンコーン……。
そして、アナウンスが校内に流れた。
《本日の部活は終わりになりますーーーー後片付けをして寮生は寮に帰り、寮生以外は帰宅の準備を初めてくださいーーーー繰り返します。》
マヤとミヨは、剣道場の片付けを始めた。
そして、掃除を終えて剣道場を出ると黄昏時らしい空ーーーー。
もう夕方で日没しそうな太陽、部活していた生徒は帰り始めていた。
「さてと、帰ろうかな。」
「先輩は寮生じゃないのですか?」
マヤは軽く笑ってからこう答える。
「うん、六花学園にある街かな。今暮らしてるのは。」
ミヨは、少しだけ不満そうな顔してるがこう言う。
「先輩と同じかと思えば違うのはちょっと残念だけど、明日会えますよね?」
マヤ「うん」と頷くと、ミヨは明るい表情になり寮がある方面と走っていく。
「また明日ーーーー先輩。」
マヤは手を振ってミヨを送った。
そして静かに空を見上げて思った。
お姉ちゃん……またかな。
以前も似たようなことがあり、マナが帰って来た時はかなりボロボロの姿だった。
少しばかり心配の気もしたが、マヤはとりあえず考えないでおいた。




