そこにある物
シルバーの先手で攻撃を仕掛ける
だが、アルティマは微かに笑う
「おらっ!」
バキバキっと音が鳴り響くーー
アルティマはバリアを放ち反射魔法で小競り合いが起きる。
火花を散らし、お互いは引きを取らない。
マヤは正反対から、刀を振り抜くが…肩手指一本で止められ…もう片方の腕で手を開き闇波動を放つ。
「きゃぁぁぁぁーーーー!!」
マヤは地表に、向かって吹き飛ばされ転がる。
シルバーの方を向き、微かににやけて言う
「魔法無効化」
シルバーの反射魔法が消されてしまい…バリアに触れた瞬間、ものすごい勢いで弾き飛ばされた。
地面を転がりゆっくりと立ち上がる
服袖で顔をグイッと拭い言う
「ちっ…魔法を組みかえるか…」
シルバーは固有魔法に変化させようと考える
禁断の書だけあり、魔法なんてものともしない
元を辿れば、魔法=禁断の書…創られた魔法だ
ないなら作れと、そう言っても簡単ではない
作った魔法は使用までに1ヶ月はゆうにする
つまり…時間がかかるのだ。
シルバーの固有魔法は作ったものだ
つまり…禁断の書の魔法には通用しずらい
マヤは起き上がり、刀をゆっくりと構える
「くっ…まだだ…」
だが、マヤは…魔法なんてない学園一の劣等生
東方剣技だけをひたすら磨いてきた…少女だ
顔は傷だらけ、服もややボロボロになるが…その眼差しだけは揺らがずただ一点をアルティマを眺めて睨みつけた。
「死に損ない、まだ足掻くのかしら?」
「足掻くよ何度だって…立ち上がるわ…!」
マヤは、地面を蹴飛ばして走り出す
アルティマに向かって剣を振り抜く
「やぁぁぁぁぁーーーー!!」
その叫びはまるで魂の叫びかと思わせる高い叫び
火花を散らせながら、体を捻りアルティマ背を向ける
「背を向けるなんて無様ね…」
アルティマは次なる一手を目の前に手をかざそうとしたーーーー。
「ーーーー!!?」
マヤの捻れた体の先には、手に持つ漆塗りの鞘…
それがアルティマの手のひらに収まり…触れた。
バァン!っと強い音が鳴り響き、アルティマは地に足を付けて引きづられるように後ろへ吹き飛ばされた。
「ぐぅっ!!」
その距離にして約百メートル飛ばされた。
そマヤは拗らせた体を活かして刀を振り抜いた
「紅葉の太刀参の型…紅刃裂千!!」
その技名通りに赤い色をした、衝撃波が飛ばされアルティマに激突する
白煙が舞い上がる最中、アルティマはうっすら笑い飛ばした
「一瞬で、私の魔法を放てる急所をよく見抜いたし、一撃入れたもんだね。だけどーー」
アルティマは、右手で白煙を消し飛ばした
酷いぐらいの顔の歪みに、マヤは寒気を感じる
マヤは先程の一瞬の突きを思い返した。
「その程度で私を倒せるなど思いあがるなよーーーー雑魚!」
アルティマは、禁断の書を自分の体内に入れ込んだ…吸い込まれるように禁断の書は体内に入っていき消える…。
その直後マヤは走り出して、刀を穿つ様に前に翳す
バキンッ!! っと音が鳴る…マヤが手に持つ刀は大きく空に向かって弾かれた。
「バリア魔法…!」
バリア魔法は闇属性に部類される
高度な硬さがありなんでもはじき飛ばす魔法。
そして空は、雲行きが悪くなり…闇空が立ち込み雷と雨が降り注ぎ始める
「見よ…これが私の最大の力だーーーー!!」
叫び声が、衝撃波を放ちマヤに襲う
紫色のオーラを身にまとい…そして、弾け飛んだ…
暴風が吹き付け、立って居られるのもやっとである
まだ…強くなるの…?
禁断の書…とんでもない書とは知っていたけど…
まさかーーここまでとはね…。
禁断の書は約五百年前の諸物で、禁断の魔法が記載されている
魔法が生まれる前に存在してい為…所有者は自我をなくして暴れ回る。
そして禁断の書の最大の難点は…魂がその中に吸収されてしまう事だ
インテクト、アルティマ…の様な人だが禁断の書の保有補佐権利として使用が許可されてる
ただ、その話は…禁断の書に封じられてる魔王に認められた魂のみとなる。
あの本先出てくれば…切れるのに
シルバーが不気味な笑みを浮かべてこう叫ぶ
「おいおい!?なーに面白そうなことやってんだよォ!!」
そして、踏み込んで高く飛び上がり…魔力で固めた右手拳を振り抜くーーーー。
「そんなとこで居ないで出てこいやぁ!!」
隠れてるわけじゃない、あれは…黒い羽だ
私もうろ覚えだけど…あれは重い一撃
その間にシルバーはガンガンと、殴るってると羽を広げる
「騒がしい…羽虫」
シルバーは空高く弾き飛ばされた
そして、右手を翳して…アルティマはにやりと笑みを浮かび言う
「殺れ」
手にそって放たれる無数の黒い羽はシルバーへと飛ぶ
シルバーは体勢を立て直して追撃の黒い羽を受け止める
「さて、どこまで耐えられるか?」
シルバーの反射魔法は使用制限があり…数回使うと力が抜け、さらに数回使うと…魔法がしばらく使えなくなる。
つまり今のシルバーの使用回数は約三回
あと7回やると…どうなるかは分からない
「やぁぁぁぁぁーー!!」
マヤも攻撃をするが…左羽がカバーする
しかも驚く事に…その羽は剛鉄並みの強度だ
切れない羽という訳だ
マヤは歯を食いしばり刃を押す
「ぬぐぐっ!!」
剛鉄並みの翼を滑らせながらアルティマの顔に向かって刀の柄をぶつける
「ぐぁっ!?」
アルティマは左手手刀が下ろされバキッ!と刀身は折れてしまう。
「ぐっ…!?」
アルティマの勢いよく蹴飛ばされてマヤは瓦礫に向かって激突。
「ふん、魔法持たぬ奴に…負けるわけがなかろう」
そこへシルバーが全ての剛鉄並みの羽を反射させた
それを嘲笑うような笑みをしたアルティマ、白煙が舞い上がる
シルバーは息を切らせながら言う
「はぁはぁ…ふざけやがっーーー!!」
シルバーは何かが貫かれた、自分の腹部には黒い翼が一本貫かれてるのが目に見えた。
「チェックメイトですーー」
シルバー口から血を流し…その剛鉄並の羽に触れて破壊する
「…てめぇ、魔法全消費をねらってやがったな…!」
白煙の中から笑い声だけこだまする
考えていた魔法消費しない様に組み替えていたシルバー、それが無駄となってしまった。
シルバーは、冷や汗を滲ませながら次なる一手をしようとした瞬間…脳内に激痛が走る。
「ぐぁっ!?」
「無理しない方がいい…それ以上魔法を撃てば使えなくなりますよ?」
「ふざ…けやがって…!」
シルバーは、激痛に耐えられなくなり気を失い
ゆっくりと地面に倒れる
「くくっ…これが魔王の計画。…魔法と魔力を最大限に生かされた禁断の書…それが強さ。そして、この体の子は魔族の血を引く強者。なんで地下にいたのかって?そんなのは決まってる…魔王の目覚めの為にだ…実に実に!やりやすかった人外の諸君!」
マヤは立ち上がる…左側にある木刀を手に取りに抜き振り抜いた。
「おや?まだやる気ですか??」
「…諦めないって言ったはずよ」
「面白い…だが残念ーー計画通り魔王復活への準備は整った」
「何!?」
「私は私の役割を果たした、起点もこっから先は使い道はない…この体壊そうかしら?」
アルティマが取りだしたのは小さな刃、それを首に近ずけていた
「やめて」
マヤは焦りながら言い吐いた一言
「ほらほら、聞こえないよ??」
だが、アルティマはさらに首に近づけて首筋の少し切れるとマヤはこう叫ぶ。
「やめてぇぇぇーー!!」
アルティマは更にくい込ませるた
血がさらに流れ始める
だが、その腕をガッと掴む人のが現れた
「オイオイ、おじさんも混ぜてくれねぇかな?」
「…あんた誰よ?」
「ただの通りすがりヒーローって所だ」
アルティマは翼を広げて攻撃をした
その人は後ろにバックして着地して立ち上がる
「さてさて、お嬢さんを泣かせるとは…相当悪だなあんた」
「おっさんが一人増えたからってどうにもーー」
「いや?流石にそれはおかしい…飴ちゃん級対応だろ。残念だったなーー俺は飴ちゃん級じゃねぇ…」
アルティマの周りにものすごい軍隊が囲んでいた
アルティマは驚き表情におっさんは言う
「ワイン級さ…ビターな味わいだろ?」
そしておっさんはこう軍隊に命令を下す
「おいおめぇらよく聞け、今からこのお嬢さんとそこにくたばってる兄ちゃんを支援して守り抜くぞ。そして敵は目の前にいるーー天使でも悪魔でもねぇ腐れ外道を粛清するぞ!」
「うおぉぉぉーー !!」っと声を荒あげた。
アルティマは襲いかかる軍隊を纏めて倒すが…一人一人立ち上がって諦めない。
マヤはおっさんの手を借りて立ち上がる
「わりぃ、待たせたな」
「それはいいとして…この軍隊は?」
「おっさんこう見えて聖機軍隊第七支部団長さ…宇宙に行ったりしてる」
「へぇ…」
「ただまぁ、これで何分持つか…」
マヤはアルティマの戦う姿を眺める
果てしない連撃や範囲攻撃には優れてる
だけど…移動が遅い
「くっ!?雑魚めがァァァーー!!」
そう叫ぶアルティマ
どうやら少しずつ…気力をなくしてるようだ
アルティマは軍隊と戦いながら思い始める
何でこうなって戦わなきゃならないのかと。
揺らぐ心、動きが鈍る、すり減る気力、上がらない翼
こうしてまで…何がなるのかと。
アルティマは完全に意識を失う
するとアルティマの真っ暗な世界で…魔王が座るような玉座に座る人がいきなり現れた。
退屈そうにこちらを見ていた…。
すると、何故か苦痛が快楽と変わりアルティマは狂ったように笑いながら走り出した。
それをおっさん見てこう言った
「こいつぁ…少しやべぇな…」
多少苦笑いをしていたおっさん
マヤはただ黙ってアルティマを眺める




