表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/44

シーズン・Ⅰ

あの日の戦闘から一ヶ月、五月の上旬。

新緑が芽吹く季節であるーー。


特に変わりはない、が、マヤ達はある問題に直面していた。


学年末テストと…模擬試験(シーズン)である…。


模擬試験(シーズン)は実戦形式の学年対抗戦で、最強を決める為の戦い…弱者から強者へと成り代わるこの戦いーー全生徒は今か今かと待ち望んでいる行事である。


学年末テストは、知っての通り国語や数学…と言った基本的要素と魔法の見分け方である。

魔法には属性があり、風を得意とする魔法シルフ、土属性を得意とするノーム、水属性を得意とするウンディーネ、火属性を得意とするサラマンダー。

これらを見抜くには、各属性をどれだけ同じ物を扱っているのかである。


アリサリックは魔法術、例えるなら錬金術を魔法バージョンにした固有の魔法である。


学年末の模擬試験(シーズン)の前日、マヤは特に平然と校舎裏で竹刀を振り落とす。

実戦も行う学園なんてそうそう無いレア度がある学園っというだけあってさすが名門の六花学園だけある。


まぁ、一人は…だらけてるけどね…。


ベンチの上に座り聖書服を着てる子アルサリックだ。

地上に住み着いて二週間…太陽に慣れるまで1ヶ月過ぎたけど、まだまだ地下の生活のが抜け切れてないようだ。

スヤスヤとアリサリックが寝ているのが目に止まるマヤ。


1ヶ月前なんて、シャワーすら分からず…顔に無数の水が噴射されただけで、『ぎゃぁぁぁぁ!? 私に攻撃を仕掛けるとは何事じゃーー !!』とか…何かおばあちゃんがシャワーを未知なる遭遇と勘違いしてるリアクションと叫びかただよね…それよりもーー。


マヤが気にしたのはアルサリックの胸のサイズだ。

自分なんて、ふっくら程度しかないが、アルサリックに至ってはボヨンという効果音が出そうな膨らみがある。


あの服を着てるとまな板同然なのに、脱ぐとボヨンだ…ひどい仕様である聖書服。


胸があっても邪魔なだけ…だけど…アルサリックの胸だけは解せないわ。


身長もマヤと対等ぐらいの一五十四センチ、年齢も十五歳、年下だけどなんでか胸だけは違う。なぜこれだけは平等じゃないのか?不公平なのか?恨み倒したい所。

するとアリサリックは目を覚まして生あくびしながら言う。


「ふぁ…おはよ…」

マヤの眼差しはアリサリックの胸に向く。

「…解せない」

そんな一言に特に疑問感を抱かないアリサリックはこうおとぼけ顔で一言。

「ほよ?」

「なんでもない」


マヤは普段からあまり感情が表に出ない。

無表情のゆえ、花がない剣士っという二つ名が以前はあった。

《花がない剣士》とは、華があるように笑うことがあまりない事でそれが女剣士を意味する。

現在は、マヤを知る人物なんて誰もいないのでそのなで呼ぶのはいない。


「マヤは、なんで剣士になったの?」

「ん?」


素朴な疑問をマヤは首を傾げた。

アリサリックはこう問い投げる。


「だって、かなり凄腕だけど…この世界は常に魔法で刻まれて動いてるんだよ?それなのに、剣士の意味なんてあるのかなって」


そんな言葉をマヤはかなり承知している。

だから、マヤはこうアリサリックに答える。


「魔法の世界だからこそ、見落とすものが多い。わかりやす言えば、便利なもの程…古さに真似ができないのがある。それと似てるかな」


アリサリックはなるほどと言うように頷き言う。


「古き良き文化しか真似出来ない…剣士様は言う事が深いなぁ」

アリサリックの眼差しは何故かイキイキとしてる。

そんな眼差しでマヤはちょっと苦笑いしつつ言う。

「ま、まぁ…剣士は小さい頃の夢だったしこれはこれで後悔はない」


そうは言ってみたものの、覚えてるのは六歳過ぎた話

記憶が薄れてるせいか…その部分がザラザラと砂嵐が吹いて邪魔している。

分かるのは歴史から消えた存在…この剣技もその一つで東洋の技でこの世界では私しか扱えない。


そういえば、禁断の書は何処に消えたのだろう。

もしかしたら書かれてるかもしれない。

勿論、この剣技以外にも全ての世界のことが、書かれてるには違いない。

マヤはこうアリサリックに言った。


「騎士と剣士の違いは大差ないと思う、ただ刀か剣の違い。私からすれば、そんな厚い刀身よりも細身がある剣の方がいいと思うけど」


マヤは、鞘から刀を抜き取り目の前にある硬そうな鉄柱を見上げて言う。


「いくら細い刃だって、刀は折れるとは限らない」


マヤは、軽く振ると硬そうな鉄柱は真っ二つに横に切られた。

驚くのは、倒れることなく、くっついた状態で原型を留める。

マヤは、鞘に刀を静かに収める、そしてこう話す。


「切れ味が鋭く、切ったかさえ分からない、これがこの武器の長所で扱うのも中々難しい。一つ間違えると足切るわよコレ」

「おぉ…凄い。本当に切ったかわかんないや、え…足切るの ?」

「うん、割と間違うと…足とか鞘から抜き放つ時、シュッ! って指すら切るしね」

「ひぇぇ…わ、私怪我したくないから…刀持ちたくないわ」

「あらそう残念」


切れ味は剣と比べて歴然、殆どない。

青空の下で、ただ単に立ち尽くす鉄柱。

マヤはアリサリックの方を向いて言う。


「さてと、アリサリック行こうか」

「どこに?」

マヤは、頭を多少描きながら言う。

「街よ、この学園からそんな離れてない場所にある。てか、いつも住んでるでしょ?」

「あー、愛部屋(ラブ・ハウス)ねー。確かに周りには街があるね。汚らわしいわ!」

アリサリックの呆れた様な口調で言うと

マヤはピクっとした、そして何故か深い笑みでアリサリックを脅し始めた。

「アルサリック…その表現やめて。あと呼び方は相部屋よ、そのいやらしい表現は誤解されるわよ」

マヤの笑みはかなり深い…ニコォッとしてる。

「か、顔が怖いよマヤ!?」


マヤは刀を抜き取り鋭い矛先をアルサリックに向けて言った。

その笑みはかなり深い……怖い印象を与える。


「次言ったら、その乳を切り落とすわよ?」

「ひぇっ!?ご、ごめんなさい…」


マヤの笑みがかなり怖く、物々しい殺気を立てていた。

たまらずアリサリックは謝る。


「ごめんなさいぃぃぃ……」

「分かればいい」


マヤは、刀を鞘に収めて歩き出した。


ま、マヤちゃんの笑みって…なんて言う怖さなの…。


アルサリックに恐怖心を植え付けたまま、学園外を数分歩き。

自分達が住む街に辿り着く。

商店だらけで、色んなものを叩き売りする商人達。


「さてと、私はあっち行きますねー」

「えっ?マヤ…ってもういない…!?」


アルサリックと別行動をすると、ある武器を目にしたマヤーー


これは…剣かな…?


透き通る様な青緑色をした剣、鍔は散りばめた星の様な形をしていた。

すると、商人が出てくる。

マヤは気にせずじーっとそれを眺めてる。他の剣や刀とは違い圧倒的な存在感があった。


「ん?マヤじゃないか。」


目の前に居るのは、度々武器の手入れをしてくれる武器職人。

大柄な体と高身長で、モンスターを片手で吹き飛ばしたことで有名である。

因みにサラマンダーで火属性魔法が得意なので職業的に鍛冶屋向き。

むちゃくちゃな実話である。


「あ、ヒードラさんこんにちは」

「おう、商人側に来るとは珍しいな」

マヤはその星の唾から目を離さないまま言う。

「気まぐれに来ただけですよ、それでこね剣は?」

「あぁ、神器の一種の星屑の剣とか言われてる」


神器武器ーーーーこの地方に伝わる剣。

色んな名前、中には魔法に近い武器能力がある。

なかなかお目にかからないレア武器に等しいのだ。

そしてマヤはおーっとした顔のまま、あの唾を眺めてる(以下略。)

「神器武器って、菊一文字とか…村麻紗(むらましゃ)とかですよね?」

「東洋に伝わる神器だね。こっちはこの世界にしかないレアな剣さ、まぁ…ある書に書いてあったから探してみたら見つかった武器さ」


武器によっては、自然でできるタイプもある。

そしてマヤはーーー(以下略。)

「探して見つかるものなんですか…?」

「見つかるものさ、神器って色んなものからできる武器だから…この剣の場合、星屑から出来た剣なんだろうけど、見た目は大して変わらないが…マヤちゃん気に入ったのかい?」

マヤはゆっくりと立ち上がりその剣に指をさして言う。

「いえ、ただ…異様な力を感じるので見ていたんです」

「異様な力…?」


鍛冶屋ヒードランさえ分からない。

剣士にしか分からない()()()()()()

マヤはゆっくりと腕を下ろしてようやくヒードランを見る。

「はい、多分私しか感じられませんが…」

「ふむ」

マヤはヒードランにこう聞いた。

「原料なんだろう?」

「天然石とかじゃないかと。誰が作ったかまでは分からないな」

鍛冶屋ですら未知な素材に興味は引かれた。

神器は、大抵どっかに突き刺さっている。

作られたかどうかは不透明でその原料も不明。

ただ…突き刺さっているのに意味があるなら、それは原料を意味してるのかと推測されてる。

興味ない顔だが、内心かなりありあり。


「へー」


だがその価値は2億ユニスだ…。

マヤはお財布を覗くと…300ユニスしかない。

現実は辛かった…。

ガクッとするマヤ。


ヒードラは、星屑の剣を手に取りそれをマヤに投げた。

それを慌てて受け取るマヤ少し驚き顔である。

ヒードランはマヤを眺めてこう言った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ