表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

東方開拓都市イスカの民話集

フラノスの雫

作者: 笹本廉太郎

フラノスの雫という宝石がある。

フラノスというのはイスカ周辺で出土する祭壇の遺跡で奉られる最もポピュラーな古代の神だ。

鹿や野兎の骨とともに見つかるそれらの遺物から、フラノスというのは狩猟の神だろうと学者たちは定義した。

実際、神殿以外の遺跡からも狩猟道具等が多く見つかっているため、このあたりに過去住んでいた人々は

確かに狩猟民族であったのだろう。


さて、このフラノスの雫というのは小石程の涙滴型の宝石で、平坦な場所に置くと必ず先端が南を向くという魔法の品である。

また、祭壇跡の他に狩人の墓と思われる遺跡からも結構な数が見つかっており、古の狩人たちはこの魔法の宝石で、自らの位置を確認していたらしい。


また、祭壇に隣接している遺跡からは涙滴型のくすんだ石も多数出土しており、これはどうやら作りかけ、ないしは失敗作の雫らしい。


発掘当初、この石は何のために存在する者かわからなかった。

なにせ失敗作のほうが先に見つかったためにただのクズ石だとしか思われなかったのだ。


ともあれフラノスの雫は西からやって来た開拓者たち、冒険者たちの旅を変えた。

彼らの持つ星見の技術とフラノスの雫の併用は自分たちの位置を把握し、拠点との位置関係を知るのに多いに貢献した。

また、副次的なこととしてこのアイテムのおかげで以前よりも詳細な地図ができたのも開拓者たちにとって追い風だったのだろう。


古代の狩人たちの必須のアイテムは今なお、新たに入植した我々の必須アイテムでもあるのである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ