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ダンジョンマスターは魔王ではありません!?  作者: 静電気妖怪
2章〜光は明日を照らし、鬼は大地を踏みしめ、影は...〜
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60話「罪深きゲッケイの落とし子1」

レイジ 達は ブラウ が残した風の結界が消えるまで全員の安否を確認していた。


その中で真っ先に行ったのは パンドラ の傷の回復だ。

レイジ はポイントで上級回復薬を購入した。


「ホレ、これで傷を治しちまえ」

「あ、ありがとうございます」


上級回復薬を飲んだ パンドラ の傷はすぐに塞がり、歩ける程度まで回復した。


「もう...大丈夫みたいです」

「そうか? 無理はするなよ」

「はい...」


パンドラ は元気が無さそうに返事をした。


「...さて、次は エイナ だ」


先の戦闘の中突然に消えた エイナ の魔力の気配。

エイナ が戦っていただろう場所にくるも途中から影の世界での戦闘になっていたため手掛かりがなかった。


「...どこに行ったんだ?」

「ゼーレ様に聞くのはどうでしょうか?」

「うん...うん...」


レイジ の独り言に パンドラ が助け舟を出した。

それに同調する様に レイス も頷いていた。


「...確かに、ゼーレ の方には ハクレイ も帰ってきてるかもしれないな」

「一応、『厄災』を放ちダンジョン内も捜索させておきます」

「ああ、助かる」


こうして、レイジ 達は最下層へと戻った。


◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾


最下層に着くと異様な光景が広がっていた。


「な、何やってるんだ!?」


そこには ハクレイ が数多の鎖を作り出し、それを使い エイナ を壁に磔の状態にしていた。


「あ! お兄ちゃん! やっと帰って来た!」

「お、遅いっすよ!」


ゼーレ と ハクレイ の焦った表情の中に安堵が見えた。


「一体何がおきてるんだ!」


レイジ が磔にされている エイナ を見るとその目は虚で、どこか遠い所を見つめている。

手には影で作ったナイフの様なものを握っており、ギチギチと鎖に抵抗している。


「な... エイナ?」

「う...うぅ...」

「あれは...」


驚く レイジ の横で パンドラ が何かに気づいた。


「何かに...操られているのですか?」

「何!?」

「確認しなければ分かりませんが...恐らくは」

「ちょっと! そんなことはいいっすから先輩の動きをどうにかしてくださいっす!」


レイジ が パンドラ に確認を取っていると必死な声で ハクレイ が叫んだ。


「今もギリっすけど、段々魔力が回復して自分じゃ抑えきれなくなるっす!」


続けざまに ハクレイ が叫んだ。

ハクレイ の言う通り エイナ の足元の影の量が徐々に増えて来ていた。


「お兄ちゃん! ポイントで『魔物カプセル』っていうのを買って!」

「お、おう!」


レイジ は ゼーレ に言われた通りの商品を探し、見つけた。


ーーーーー

魔物カプセル:DMP 1,000,000


魔物一体を一時的に保管できる。

保管中の生命活動は自動で行われ、昏睡状態になる。

ーーーーー


「これだな!」


購入を確定すると レイジ の手元に頭がスッポリと入るほど大きなリングが現れた。


「それを エイナちゃんの頭に乗っけて!」

「乗っけてって言われても...」


エイナ を見れば今も必死に抵抗を行い、現在進行形で影の量が増え続け、ちょっとした罠だらけの空間を作り出している。


「...アレをいけってか?」

「ますたー、私...いってくる?」

「...頼んだ」

「早くしてくださいっす!」


レイジ が嫌そうな雰囲気を出していると レイス が積極的に手を挙げた。


その間、ハクレイ は何度も叫んでおり段々と余裕がなくなってきている。


「ん...」


レイス がリングを受け取ると次の瞬間には エイナ の頭の上にリングがあった。


リングは直ぐに縦に伸び エイナ をカプセルの中に収納し、中身を液体で満たした。


「う....」


中に入っている エイナ は一瞬苦しそうな表情を見せるも直ぐに穏やかになり、眠りについた。


「おわった...」


レイス はやり遂げた表情で レイジ に寄り頭を傾けた。


「...ん」


レイス は無表情で何かを催促する様に額を レイジ に擦り付けていた。


(撫でろってことか...?)


「...ありがとう」


自身が躊躇った事を一瞬のうちに終わらせられ何処か納得のいかない様子で レイジ は レイス の頭を撫でた。


「....むふぅ」


表情に変化は無いが、明らかに喜んでいる様子を見せる レイス。


「ねぇ、お兄ちゃん? 本題に入っていいかな?」

「貴方様?」

「いやー、いいっすね。自分も結っっっっ構頑張ったと思うのに労われないのに...。労われないのにっ!」


レイジ には全員が額に青筋が浮かんでいる...様に見えた。

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