34話「祈りを願いに、願いを力に4」
「ッ!」
千代が眠りから覚めた。
「ハァ...ハァ...」
背中には嫌な汗が留めなく流れた。
そして、慌てて自分の体を探った。
「どこにも傷が...ない?もしかして...夢?」
考えたこともない苦痛、耐えることなどできない熱。
二つを同時に経験した千代の頭は良くできた夢だとしてしまった。
「夢か...。でも、ーーーちゃんに謝れなかった...え?」
嫌な現実を夢と片付け、逃げて、閉じ込めてしまいたい。
だが、現在はそんな心情に逆らい突きつけられた。
「ウソ...。どうして?何で?...夢じゃなかったの?」
千代は周囲を見渡した。
見れば見るほど既視感を感じ、聞けば聞くほど思い出してくる。
「ここは...ーーーちゃんと出会った場所」
千代が今いる場所は森の中。
近くに川が流れている。
そして、
「あ...」
肩まで伸ばした赤茶色の髪、千代と同年代くらいに少女が現れた。
「...ーーーちゃん..?ーーーちゃんだ!」
千代は立ち上がり、ーーーに駆け寄った。
「え?あ、ちょっ!」
千代はその勢いのままーーーに抱きついた。
ーーーも転びそうになるが何とか耐えた。
「ーーーちゃんゴメンね!本当にゴメンね...」
「え、あの...」
千代の瞳には涙であふれていた。
溢れても溢れてもまた溢れ出る。
「ゴメンね、ゴメンね...。あの時何も言えなくてゴメンね...」
「あの...えっと...」
千代は何度も謝った。
何も言わず逃げてしまったことを。
心配してくれたのに拒んでしまったことを。
あの炎の中助けに行けなかったことを。
「ゴメンねゴメンね...」
「あの...」
「うん、なあに?」
千代はようやくーーーから離れた。
今度こそ応えるために。
今度こそ逃げないために。
今度こそ裏切らないために。
千代はまっすぐにーーーを見た。
そして、ーーーは口を開いた。
「あなた...誰?」
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「...え?」
「だから、あなたは誰ですか?」
理解したくない一言。
楽しかった思い出、辛かった思い出、幸せだった日々、思い出したくない光景。
それら全てが千代の頭の中を走馬灯のように流れる。
「え?...え?...私、千代だよ」
「『ちよ』?」
「そうだよ!私たち一緒に暮らしてたでしょ?」
「?」
「ほら、一緒にこの川まで水汲みにきたり、道具屋のおじさんの手伝いをしたり、薬屋のおばあちゃんの身の回りを手伝ったりしたでしょ?」
「....」
千代は思い出せる過去を語った。
しかし、ーーーの目に映る千代は千代ではなかった。
「....あなた、何者?」
不気味。ーーーの中には千代は村の内情を、ーーー自身を何故か知る不気味な少女でしかなった。
「え?だから...」
「近づかないでッ!」
「ッ!」
千代が動揺しながら近づこうとするとーーーは明確な拒絶を示した。
「これ以上近づくなら...私はあなたを殺す」
そう言ってーーーは腰から食用のナイフを取り出した。
「なんで?何でそんなこと言うの?」
「...あなたが余りに危険だからよ」
「き、危険?...あ、そうだ!ーーーちゃんそれどころじゃないんだよ!」
「....」
「来るんだよ!こないって言われてる魔物が!ここに!」
千代は必死に伝えた。
何が何なのかわからない。それでも伝えなくては行けない気がしたから。
「...魔物?」
「そうだよ!ここら辺じゃ見かけないけど、近いうちに沢山の魔物が『ザイト』を襲うの!」
「...」
「本当だよ!本当なの!...信じてよぉ!」
「...ねえ」
「ッ!何?」
「何でそんなこと知ってるの?」
「それは...夢..そう、夢で見たの!」
「夢?」
「うん、これから起こる現実のような夢で」
「....」
「信じて!信じてよーーーちゃん!」
千代の心の中はグチャグチャだった。
信じて欲しい人に疑われ。
助けたい人に信じてもらえず。
疑う人を助けたい。
だから...
「うん、わかった信じるよ」
その一言が信じられなかった。
作者も信じられなかったです。
PVとユニーク(?)を計算してくれてるものがあることに。
それで、PVが7,000、ユニークが1,000を超えたことにッ!
と言うわけで! 皆様のお陰で2018/6/29 にPV7,000突破! ユニーク1,000 突破しました!
ありがとうございます!♪(^ω^v)
今後も『ダンジョンマスターは魔王ではありません!?』 をお楽しみください!




