表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンマスターは魔王ではありません!?  作者: 静電気妖怪
1章〜異世界の地に立つ者達〜
10/108

8話「始まるダンジョン5」

「「あ!」」


レイジとゼーレは同時に声をあげ同じ場所を見た。


「なんじゃ、何かわかったのかのぉ?」

「......」

「もしかしたら、だがな。なぁゼーレ、『神速』の条件は『一歩ごとに大量の体力と魔力を使う』だよな?」

「うん、そうだよ」

「それはさっきから何べんも聞いとるぞぉ」

「...(コクリ)」


餓鬼は改めて行われるやり取りに若干のイラつきを示す。

ファントムは表情がないためわからない。


「だが、ここで1つ問題があった」

「この条件にあって、レイスちゃんには無いものがあるんだよ」

「あって、無いもの...じゃとぉ?そんなもん...フェ!」

「....!」


レイジとゼーレがヒントを与えると餓鬼とファントムは答えにたどり着き、餓鬼は驚きの表情を示す。

ファントムは驚いている雰囲気は感じられるが表情は読み取れない。


「そうだ。条件にあって、コイツに無いものそれは...足だ!」


そう言って、レイジはレイスの無い足...と言うより浮遊している足元を指差した。


「一歩で数えられるなら、一歩も踏み込んでない奴が使えばそりゃ何度でも使えるわな。どうだ、これが答えだ!違うか?」


レイジはレイスに対してキメ顔でそう締めくくった。

その答えに対して、レイスはーーー


「私...も...よくは...知らない。...ごめん...なさい..」


ーーー困惑した声色で返答した。


◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️


「私...まだ..よく....わかんなく..って...。何となく...できる...って..感じた..から....その....」


レイスの言葉は最後に進むにつれ弱くなっていく。


「なるほど。コイツ見た目によらずの感覚派か。じゃあ、何回でも本当に使えるのか?」

「た...多分...。でも...止まると....やり直し...みたい...に..なる」

「うーむ、取り敢えず、走り出しは適応、その後動き続けている間はスキルをずっと使えて止まったらやり直し、ってところか」


レイスが感じている部分をすり合わせていきある程度の回答にたどり着いた。


「...これ強すぎじゃね?」

「そうだね」

「スキル考えてる奴これ予測できなかったのか?」

「うーん、そもそもレイスちゃんが取れるスキルじゃなかったと思うんだよね」

「どういうことだ?」

「レイスちゃんは変異種だから本来取れないスキルも取れちゃう存在ってことだよ」

「ほー、なるほどね。本当に変異種っていうのは不思議なんだな」


変異種の凄さをレイジは目の当たりにした。


「そうだよー。だからお兄ちゃんはレイスちゃんを大切にしなきゃダメだよ」

「はいはい、わかったよ。...ところでさ、さっきからコイツのことを“ちゃん”つけてるけど...どゆこと?」


レイスの紹介が始まってからずっとつけられている女の子によくつけられる付属語。


レイジは聞いたもののぬぐいきれない不安に冷や汗をかいている。


「えー!何言ってるのお兄ちゃん!」


聞いたのは自分なのに...


「どっからどう見ても」


聞きたく無いし、聞き入れたく無い言葉が続きそうで....


「レイスちゃんは」


レイジは心の中で叫んでいる。


「女の子でしょ!」


誰か嘘だと言ってくれ、と。


◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️


「ぜ、ゼーレ...冗談だよな?」


レイスが女子だとカミングアウトされ焦る。

その度合いは、レイスのスキルの時と同じか、それ以上だった。


「ひっどーい!女の子に対してその言い返しは酷いよお兄ちゃん!」

「ま、待て。そもそも魔物に性別ってあるのか?」


どう見ても餓鬼が男っぽいのを棚に上げて藪蛇な言葉を言ってしまう。


「あるよ!ゼーレが女の子のようにレイスちゃんも女の子なんだよ!」


レイスを見ると体を若干くねらせ、恥ずかしさをアピールしている...ように見える。


この場において、レイジに性別不詳の魔物の性別を心配し、容認し、対応する力量などあるはずもない。

それを強いるのはあまりに酷ではないか?

レイジはそう思うが口には出せない。


「わ、わかった。レイスは女の子だ。それでいいだろ?」


レイジは納得できないがここで引かなければさらにひどくなると直感した。


「じゃあ...」

「ん?」

「じゃあ、この子は?」


そう言ってゼーレはファントムを指した。


「この子は?」

「え...と...」


当然聞いているのは性別だろう。

そして、これの答えを間違えたらさっきの状況が再び戻ってくるのでは、と考えてしまい口が止まってしまう。


「もう!やっぱりわかってない!この子の...」


罪深き者に下す裁きのように。


「性別は...」


愚者に迫り来る不条理のように。


「女の子だよ!」


レイジに意味不明な現状を叩きつけた。


「な...」

「え?」


対するレイジはーーー


「何で性別不詳な魔物が女なんだよ!!」


ーーー叫ばずにはいられなかった。


「じゃあアレか!?コイツもまさか女か!?」


そう言ってレイジは餓鬼を指差した。


「ううん。餓鬼は男だよ」

「フェッフェッフェ、付け加えるなら爺くらいじゃのぉ」

「わ、わかってたわボゲェ!」


こうして初対面だった魔物の性別までを含めた自己紹介と触れ合いタイムが終わった。


◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️


ーーーーー

名前:ーーー

種族:餓鬼

性別:男

Lv:1

HP:300

MP500

技能:暴食(-)

称号:六道の鬼

ーーーーー


ーーーーー

暴食(-)<幻想級>


口にした物全てを喰らい、吸収する。

また、スキル保有者の行動力を制限する。

ーーーーー


ーーーーー

名前:ーーー

種族:ファントム

性別:女

Lv:1

HP:100

MP600

技能:影魔法(3)

称号:影の住人

ーーーーー


ーーーーー

影魔法(3)<希少級>


自らの影を動かすことができる。

動かせる影の量、時間はレベルに依存する。

ーーーーー


ーーーーー

名前:ーーー

種族:レイス

性別:女

Lv:1

HP:300

MP550

技能:神速(1)

称号:変異種、闇の住人

ーーーーー


ーーーーー

神速(1)<神級>


スキル保有者の移動速度、体感速度を極限まで上昇させる。

上昇する度合いはレベル、スキル保有者の感覚に依存する。

使用時、一歩毎に体力、魔力を消費する。

消費量はレベルに依存する。

ーーーーー

技能階級は

神級>幻想級>希少級>特殊級>凡級

の5段階設定になっています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ