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ダンジョン14話

作者はアイ〇スやってないけど、こんな感じのイメージであってるのかなぁ?(D〇Mのエロゲのランキングはこんな感じだったはず

休憩を済ませた私達は再び狩りを始める、兎狩りでしっかりと意識をして剣を振っていたおかげか、バッタの首を刎ねるのは安定した。

そのおかげで午前中から良いペースでバッタを倒しているのだが、それでも15時を過ぎてもレベルは上がらなかった。


時間が経つにつれて北原君の剣は乱れていった、一撃で倒せていたバッタを何度も斬り付ける場面が増えてきた。

「どうした、随分と剣が乱雑になっているが、それでは一人で狩りをする時に困るぞ?」

と雄兄が言うと、北原君は嫌そうな顔をして

「俺はもう1レベル上がれば魔法をメインで戦うようになるんっすから、別に剣なんて使えなくてもかまわないっすよ!」

と答える。


一瞬反論しようとした雄兄だったが、肩を竦めると何も言わずに前へと進む、思わず私がいいの?と問いかけると

「別に北原は自衛隊のチームじゃないからな」

と言って、理由を説明してくれる。


「お前達も経験している事だが、ダンジョンの上層ではモンスターははぐれて1匹で徘徊している、そして、レベル10になった魔法使いは1時間にモンスターを倒す規模の魔法を2,3回程度は使える、自衛隊の攻略チームならともかく、お前達のように上階で狩りをするのなら剣が使えなくても、問題ないからな、もちろん、護身用として使えるに越したことはないが、別に本人が習う気ねえなら、俺は無理にとは言わねえよ、当初の予定よりレベル上げの予定も遅れてるしな」


そう言って雄兄は北原君の方を見ることなく先へと進む、北原君も自分の発言がよくなかったという自覚はあるのだろう、ばつの悪い顔をしながら雄兄についていく。

キララ嬢はさすがにここまで4時間以上ダンジョン内を歩き回っているせいで、いくら舗装されているとはいえ、疲労が大きいのだろう口数少なく、雄兄の方を睨み、三橋さんは、胃の辺りを押さえながら歩いている。


「すっごい空気悪い」

誰にも聞こえないように小声で私は言った後に、深く溜息をつくのだった。


結局、そのまま狩りを続けたが、北原君のレベルが上がる事はなかった、週明けの月曜日も一日自分に狩りをさせてほしいと言う北原君に

「上がるまでではなく?」

そう聞くと、覚えたスキルを使ってみたいっすから!という答えが返ってきた後に、ちらちらとキララ嬢を見ている態度で、なんとなく理解してしまった私は雄兄にお願いして明日も一日北原君の日にしてもらうのだった。


「太郎、夕飯おごってやるから付き合え」

帰り支度をしていた私に雄兄が声をかけてくる、断ってもよかったのだが、さすがに雄兄が気の毒になった私は了承、近くの銭湯で汗を流しながら雄兄の仕事を終わるのを待っていた。

ゆっくりとお風呂を楽しんでから、私は風呂上りにコーヒー牛乳を片手に、スマホを操作していた。

「これが例の動画サイトか」

風呂上り、私はスマホで、キララ嬢の所属しているグループのサイトを開いていた。


まだ本格的な活動をしていないからか、コンテンツは少ないが、その中で目玉なのであろう、アイドル達がダンジョンに潜っている動画のページを開いていた。

ページはそれぞれ個人毎に分かれていて、私は試しにキララ嬢の画像をクリックしてみると、三橋さんが取った動画が、日付事に並んでいた。

そしてページの目立つところには彼女の名前、その横に順位がでかでかと書かれている。


「43位、100人以上いる中では中の上ってところだねぇ、私なら満足できそうな順位だけど、アイドルなんてやってる子はやっぱり一番を目指したいものなのかねぇ」

何事もほどほどに頑張ってほどほどの成果を!の思考の私にはいまいち理解できない感情だ、頑張って1位になってもそれが努力に見合う物になるとは限らないと、言い訳をつけていつも頑張ってこなかったからね。


「次は人気順にしてみるかなっと」

私はスマホの画面を操作して次は動画の再生数の多い順に設定する、と、思わず私はうへぇと声が出てしまった。

「サムネの時点でもうあざといなぁ……」

画面に並ぶ、薄着の女性と過剰にデコレートされたサムネイル!といった画像が並ぶ、なるほど確かに比べればキララ嬢は地味だと言わざるを得ないだろう。


「うへぇ、がっつり背中を開いた服とか、ミニスカートとか、よくこんな格好でダンジョンに行くのを許可したなぁ」

ゲームやマンガじゃよくある格好だが、現実で見ると結構な違和感である、後結構な頻度で下着が画面に映っている、再生回数が多い動画になるほどに下着の見える頻度も多くなるというわかりやすさ。


「これは雄兄、というか自衛隊の人ぶちぎれしてそう」

何より問題になるのは、こんな格好の人間が入っても傷一つなく帰ってこれるという事だろう、命の危機があるから入口を閉鎖する、というのが政府の方針にもかかわらず、こんな格好の人間が平然と行き来しているのだ、その画面だけを見て政府を批判する人間は絶対に現れる。


「実際死人は出てるし、危険な場所ではあるんだよなぁ」

私達がダンジョンに潜っている時にもいくつかの遺骨を見つけているし、それを動画に収めていたりもする。

彼等はダンジョンを政府が管理する前に入り、死んだ人間である、そういった人間はかなりの数いるのだ。

だが自分に都合の悪い部分を見ずに物を言う人間は絶対にいるのだ、それを考えれば雄兄が不機嫌な理由も理解できる。


「自分達もダンジョンに入れろとか言ってるんだろうなー……」

そしてそれに対して政府はいつまで抑え込めるのだろうか、支持率は確実に下がってるらしいしなぁ。


「これは今日の晩御飯は遠慮なく高いもの頼まないとなぁ、相当愚痴が激しいだろうし……」

晩御飯への期待と長くなりそうな愚痴をどう受け流すものかと考えながら私は動画を眺め続けた。

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