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二十六話 裏路地で大ピンチ!?




「二人ともー、どこいったのさー」


周囲を不安そうに見渡しながらノイアは先ほどまで一緒にいた二人の姿を探す。

後ろからめんどくさそうについて来ていたシオンも、楽しく隣でしゃべっていたアイネも人通りが多くなった瞬間にたちまち見失ってしまった。


オシャレな喫茶を見かけたというシオンの口車に乗って二番街の端に行こうとしていた時に起こった悲劇だった。

内気なノイアはその場に立ち止まり、コントローラーのバグったゲームのアバターのごとく右往左往する。



「……あんた、何してるの?」


呆れが混ざった声にハッと顔を上げると、隣にいたのはガルネゼーアだった。

ノイアが一人でいるところを見かけ、声を掛けようとするも明らかに挙動不審であったため、若干の引き気味の声色だった。


三本の縦線が入った戦闘服は今は着ておらず、ホットパンツに南国の景色が彩られたビキニだけを着用しており、相変わらずの高い露出度を維持していた。


足元はウエッジソールを履き、彼女を目の前にしては自分が南国のリゾート地にいるのではと錯覚してしまうほどに似合っており、スタイルの良さもそれを助長していた。

巻かれた髪は気品と色気を放ち、通り過ぎる人々を男女問わず魅了する。



ノイアは見知った顔に話しかけられ、先ほどまでの不安から一転、散歩に連れ出された犬のように元気になる。


「わっ! ガルネゼーアさん! 久しぶりです!」


まるで見えない尻尾を振っているかのような満面の笑みを浮かべ歩み寄る。


「アイネとシオン知りませんか? はぐれちゃったみたいで」


「いやー、見なかったね。どこか行くの?」


「試験結果出るまでちょっとお茶しようかなって思ってたんですけど……」


試験、という言葉が自分の口から発せられると途端に気が重くなる。

ガルネゼーアはノイアの言葉尻が重くなっていくことに気づく。


「どうかした?」


誰の目から見ても明らかにノイアの表情に影が浮き出ているのが分かった。

地面に目を落し己の無力さを嘆くかのように拳を握る。出かける前に頭の片隅に押しやった負の感情が再びノイアの感情を支配する。


ガルネゼーアはノイアが相当思い詰めている様子を察した。

何に対して思いが溢れようとしているのか。何がこのノイアという子供の器以上の感情を生み出させ、抱え込むことになってしまったのか。


ガルネゼーアは全てを知る由はなかったが、それでも目の前の小さな子供が精一杯、目一杯悩んでいるのは分かった。


だからこそ、何も知らない彼女はこういった。


「よく分かんないけど……私でよければ、話聞こうか?」


優しくそう言った。

その優しさに応えるように、思わずノイアは胸中を吐露する。


シオンのこと。アイネのこと。自分が見捨てたこと。決意したが結局は変われなかったこと。


塞き止めていた思いが、決壊したダムから溢れる水のようにとめどなくあふれ出てくる。

二人には言えなかったことが、不思議とガルネゼーアには言えた。



それはきっと赤の他人ということもあったのだろう。


しかし、それとはまた別に、直感的ではあるが、ノイアはシオンやアイネとは異なるベクトルでの信頼できる立ち位置に、ガルネゼーアがいることを理解していた。


やがてダムの水位が完全に下がりきったころ、ノイアは最後に一番の思いを言った。


「……だから、こんな僕が二人と一緒にいていいのかなって」



ガルネゼーアは腕を組んで一考したのち、口を開いて言った。


「そうね~、前にも言ったと思うけど、私、あなたのこと気に入ってるの。自分が弱いってことわかってて、んでもって悩んで、決意して立ち向かっている。そんな人って大人でもなかなかいないと思う」


「でも、結局は……」


「人間、決意した時に全くの別人になるなんて不可能じゃね? でもアンタ、少しずつ行動は変わってると思う。話を聞く限り、自分よりも大きい奴を押し飛ばしたんだろ? 一緒に戦ってくれる人たちが増えた時も頑張ったんだろ? すごい力の差を見せつけられて、それでも逃げなかったんだろ?」


「……」


「まえのアンタだったらどれも出来なかったんじゃないの?」


他人からそう言ってもらえることがノイアに安心を与え、自傷した心の傷を癒した。

確かに歩み出した一歩は小さなものだったかもしれない。小さすぎて自分では進んでいるのか、その場に停滞しているのか把握できなかっただけだ。


目頭が熱くなりノイアの視界が歪む。涙を見せまいとノイアは俯き目をこする。

ガルネゼーアはそっとノイアの頭に手を乗せる。


「大丈夫、アンタは強い」


ノイアは激しく嗚咽を漏らした。

通る人の視線が集まるのをガルネゼーアは感じ、ノイアの手を引いて移動する。



「そんな泣くなって。……さっきさ、二人と一緒にいていいか分からないって言っていたけど、アイネがアンタのことを追い出すとこなんて想像できないし、シオンってのも話したことはないけど、きっと同じだと思う」


ノイアは心底同意した。

おそらくアイネもシオンも見捨てることはしないだろう。むしろより過保護なくらいにノイアの身を案ずるようになるはずだ。

分かってはいた。彼らは絶対にノイアを見放すことはない。


ただ、それはノイアが望んでいる『共に居る』という点においては致命的に相反していた。


共に支えあい、共に戦う。すなわち、ノイアの望みは一方通行の献身に甘んずることにあらず、同じ土俵に立ち苦楽を共にすることに他ならなかった。


そのためには必ず贖罪をきっちりつけなければならない。ノイアは忘却の彼方にその決意が飛ばされないように心に刻み付けた。


そして、言葉を詰まらせながら言う。


「ぼ、僕でも……僕でもできますか……? 二人のために、立ち上がれるような人間に」


ガルネゼーアはかぶりを振った。


「それは分かんね、アンタ次第さ。アンタは十分強い人間だと私は思ってる。ただ、今の状態じゃあ、話してる理想との距離がありすぎる。このままだったら難しいだろうね」


不意に現実を突きつけられ、ノイアは下唇をかみしめる。

そんなノイアを見てかガルネゼーアは、まあ、と言葉をつづけた。



「アンタさえ良ければ、というか、やる気があればだけど、私の弟子になる? こう見えて『承十陽拳』って名前の拳法やってんだけど。会得するまでめっちゃ大変だし、並大抵の根性じゃ無理よ? ただ、ものにすれば絶大な力になることは間違いない。どうする」


「……やります! ぜひ、ぜひ弟子にしてください!」


即決だった。

迷うことはない。


今はまだ二人のはるか後方で守られてばかりだけど、自分の身は自分で、そしていつの日か二人を守っていける存在になれるよう、血反吐を吐く努力を惜しまないよう誓った。


辿るべき道は示された。



ノイアのその眼は泣いていた時のような弱々しい色ではなく、凛として澄み渡っていた。それを見たガルネゼーアは口元に笑みを浮かべる。


「そうと決まればうちの隊舎に来な! 七番街にあるデヒダイト隊が私の所属する部隊さ。一緒に来てくれたら、私の昔着てた服あげるわ。お古になっちゃうけどアンタが今着てる服よりかは素材もしっかりしてっから」


ノイアはガルネゼーアの今の格好を見る。


「え……、でも僕男なんでビキニはちょっと……」



「ビキニじゃねーよ! 道着だよ、ど・う・ぎ!!」








まばらに並ぶ建物に挟まれた大通りの脇にあるベンチにアイネは腰掛けていた。

出発地点の二番街からを抜けほとんど三番街に差し掛かっている場所だった。関係者以外は立ち寄れない三番街周辺は、自然と人通りも少なくなる。


二番街から三番街のドームに来るにはこのメイン通りを通らなければ行けないことは、二日間の探索で把握済みだった。そのため、二人に確実に合流できる場所だと考え陣取っていたが、一向に二人が現れる気配がない。


シオンとノイアとはぐれてから随分と時間が経とうとしていた。実際は15分程度だが、時計を持っていないアイネは体感で二倍以上の時間の流れを感じていた。



口から軽く吐息が漏れる。

アイネはちらりと右を見る。


ベンチにはアイネのほかにもう一人座っている女性がいた。

第一印象としては美しい凜とした女性だというのがアイネの印象だった。


首元に赤いマフラーを流すように巻かれ、髪はポニーテールにまとめ上げられており、毛先は腰まである。胸元がざっくり広がった黒色vネックのニットシャツは体にフィットし、細い体を印象付けていた。


ベージュのロングスカートからは清楚さを漂わせ、清廉潔白という言葉がまさにぴったりとあてはまる。

瞳は子供のように大きく輝いており、小さな口は小動物らしい愛らしさをうかがわせた。



そんな人物が、なぜか先にベンチに座っていたアイネの隣に腰を下ろした。

閑散としたこの空間で、他にもベンチがある状況下にもかかわらずである。



アイネとしては、シオンたちの姿が見えないことよりも、目下の状況としてこの小動物のような可愛さを持つ怪奇現象に対し、どう折り合いをつけるかが先決のような気がした。


アイネは申し訳ないと心を痛めつつ、立ち上がり隣にベンチに移る。

すると、ポニーテールの女性も背後霊のようにアイネについていく。


アイネが再び移動すると、影のように一定距離を保つ。立ち止まると、同じように立ち止まる。さながら生まれたての子猫が母猫を追いかけているかのようだった。


―――え、何これ。普通に怖い。かわいいけど、怖い。



アイネは内心動揺する。

襲い掛かってくるわけでもなく、敵意があるようにも見えない。むしろ興味津々といった眼差しを時折見せる。目が合うと、慌てて俯き顔を赤らめる。


何が目的なのか全く見当がつかないことほど恐ろしいものはなかった。



アイネは女を巻くために走り出した。女も付いてくるのが足音で分かった。

大通りを渡り、細い曲がりくねった裏路地に入り込む。


上にある光がまばらに建つ建物に遮られ、気温が下がったのが分かった。

周囲の建物にはダクトが張り巡らされ、換気扇がひときわ音を大きく立て軋みながら回っているのが閑散とした空間に不安をあおる。


右に曲がり、左に曲がり、もう一度右に曲がる。


その時だった。


「へぶっ……!」


恐らく追ってきていた女の声だろう。

後ろの曲がり角の向こうから素っ頓狂な声が聞こえたかと思うと、大きな音と共に黒く汚れたススが舞った。角からごみバケツの蓋が転がって、そのまま地面にぱたりと倒れた。



アイネは恐る恐る来た道を戻り、曲がり角をそっとのぞき込んだ。


見ると両手、両足を地面に投げ出しうつ伏せで倒れこみ、辺りにはごみが散乱していた。

どうやら、アイネを追うことに夢中になりすぎたことにより、ごみ箱に足をとられ受け身も取れずこけたのだろうと察しがついた。


「あ、あの……大丈夫ですか」


アイネが近寄ると、女は勢いよく飛びあがり距離をとったかと思うと、両膝を地面について正座の姿勢をとった。

そして、ようやく、沈黙を守り続けた彼女の口から言葉が飛び出した。


「あ、あの……、仲良く、なりたくて……アイネちゃん、と……」


顔を真っ赤にしながら、目をギュッとつむり、か細い声でそう言った。


「私と……? 仲良く?」


その問いに頭を何度も縦に振る。その都度、長く後ろにまとめたポニーテールが波を作った。


「だ、だったら最初からそう言ってくれれば……」


「でも……アイネちゃん、逃げちゃうから……もう、ちょっと心の準備、させてほしかった」


アイネはこのときようやく理解した。この女性は極度の人見知りなのだ。

アイネがいたベンチに座った時も、おそらく腰を掛ける前に話しかけようとしたのだろう。

しかし、それができる程の勇気もコミュニケーション能力もこの女性は持ち合わせていなかった。


あったのは度し難いほどの人見知りだった。それを知らないアイネからしたら、無言でストーキングされる恐怖そのものであったのだが。


アイネは首元まで紅潮させている女性を改めてみる。

正座をしているものの、身長は女性にしてはかなり大きいことが分かる。


ベンチに座っていた際に、隣に腰かけた赤いマフラーを巻いたこの女性の胸がアイネの目に先にあった。


ここから考えるに、アイネの身長が以前計測した時が147cmで今も変わっていないと考えると、身長に関しては男性と遜色ないといえるだろう。


そこでふと、アイネは赤いマフラーに目を止めた後にもう一度顔を見る。

ハッとアイネの脳細胞に電気が走った。


「もしかして、電波ジャックの時、映像に映ってた女の子って……」


アイネが言っているのは、壮年の男性が映像の途中で挟み込んだ少女の映像だ。その時の女の子は背中から翼をはやし自由に大空を飛んでいるシーンが印象的だったが、アイネの記憶が正しければ、その少女も同じく赤いマフラーを巻いていたはずだった。


果たしてアイネの考えは正しかった。


「う、うん! あれ、わたし……! アイネちゃん、見てくれてたんだ」


ぱあっと太陽のような明るい表情を浮かべた。


映像で映っていた少女はここまで身長もなくグラマーでもなかったが、本人が言うならば間違いはないだろう。

あの映像がいつ撮られたものかわからなかったが、数年でこの体型になるのは自分では無理だろうと、すっきりと何の障害もなく足元の見える視界を見てアイネは思った。



あれ? とアイネは今までの会話を思い出し小首をかしげる。


「あの、なんで私の名前知ってるんですか」


「その質問には私が答えよう」



アイネの背後から落ち着き払った声が聞こえた。その声音は聴く人の心の波を落ち着かせるかのような、聞いていて心が休まるような印象を受けた。


振り返ると路地壁に背を預け、袂に両手を通しその男は佇んでいた。

草履に袴、ゆとりのある深青に染まった和服は深海を連想させ、腰には脇差と太刀の大小二刀がそれぞれ鞘に納まっている。


濃ゆい眉に挟まれた眉間にはシワが深く刻まれ、厳格な人格を象徴していた。

黒い髪はトサカのように逆立ち、毛先は針金のように鋭かった。


アイネは思わぬ第三者を目の前に完全に硬直していた。

無理もなかった。正面に無言で追いかけてくる大女。背後には帯刀した強面の男。

この状況で身の危険を感じないほうがおかしかった。


それを察した男は壁にもたれ掛かった体勢を改め、袂から手を出し礼儀を整える。


「申し遅れた、私はクロテオード。正面にいる彼女はルナだ。私たちはデヒダイト隊に所属している者だ、不審者ではないから安心してほしい。君は確か、デヒダイトとは顔を合わせたことがあると聞いているが」


「あ、は、はい。何度か」


珍しく言葉を詰まらせながらアイネは答えた。


「なら話は早い。君たち、アイネ、ノイア、シオン、この三人は今日をもってデヒダイト隊への入隊が許可された。そのことは彼女も知っている。ルナ、許可証を出してくれ」


ルナと呼ばれたポニーテールの女はごそごそと自分の体中をまさぐる。

その間に、クロテオードは話を続ける。


「驚かせてすまなかった。彼女は口下手で、初対面の人には全くと言っていいほど喋れない。今日は頑張っていた方だから許してやってくれたら助かる」


あれで!? という突っ込みは喉まで出かかっていたが、アイネは何とか飲み込む。

同時に、見てたのならもう少し早く助けてくれてもよかったのでは? という疑問も浮上してきたが、お腹に沈めることにした。


「すみません、クロさん。……部屋に忘れてきちゃったみたい」


見ると、ルナのスカートの両ポケットの裏生地が無造作に飛び出ている。


クロさんというのはクロテオードのことだろうとアイネは合致した。

ルナはアイネと話す時よりも流暢にしゃべっているところを見るに、本当に極度の内弁慶なのだなと実感した。


クロテオードは嘆息を漏らす。


「……おっちょこちょいは中々治らんな。念のためにもう一枚刷っておいて良かった」


そう言って懐から綺麗に三つ折りにたたまれた縦長の白紙をアイネに差し出す。


「中にその旨が綴っている。確認してくれ」


アイネは受け取ると折りたたまれた紙を広げる。

その途端、アイネの目が点になった。


その反応を見たクロテオードはアイネの持つ許可証をのぞき込む。ルナも首を伸ばすようにしてアイネの背後から見る。


そこには、印字された入隊許可文章の上から、まるで恨みでも晴らすかのように野太い黒いマーカ―でこう書かれていた。



『クロちゃんのばか! はげ! 足がしびれて全然立てなかったの!! 昨日のおやつ返せ!』


という言葉と共にクロテオードのつもりだろうか、デフォルメされたトサカ頭の男が正座をし、白目を剥きながら口からドクロの煙を上げている絵が添えられていた。



「……ランプだな」


そう言ったクロテオードの声は驚くほど穏やかだった。


普段から感情の起伏がないのか、それとも日常的にランプがこういうことをしているのか。おそらく後者だというのは、少なくともデヒダイト隊の隊員ならばはっきりと理解していた。



名前を聞いたアイネは病室でいきなり飛び出してきた女の子の顔が頭をよぎった。


アイネの後ろでルナが少し微笑みながら、しかし申し訳なさそうな表情を浮かべる。


「……クロさん、昨日隊舎の廊下を駆け回ってたランプちゃん、三時間も正座させて説教してたから」


「一日のおやつ抜きと正座では反省しなかったか。……これから奴は向こう一週間、三時のおやつ抜きとトイレ掃除の刑を課すか」



このあとランプが号泣しながら許しを請うのはまた別の話になる。


こうして、アイネ、シオン、ノイア、この三人はこの日をもって無事、先兵特化部隊デヒダイト隊に所属することとなった。


マセライ帝国の非人道的な企みを打ち破るために、アイネたちの歯車は動きはじめた。




挿絵(By みてみん)



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