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信じれるまで  作者: 冴子
6/7

5:孤独

初めてのデートは私の地元観光で、帰り際にキスをした。

相手に合わせて背伸びしようとしたけど、結局は経験豊富な昭人に敵う訳もなく、最後は昭人に委ねた。


朝になって、私に彼氏が出来たことなんか夢だったんじゃないかと思ったりもしたけれど、朝早くから震えるケータイを開けば昭人からのメールで、ああ付き合ってるんだなと実感した。

でも私の生活に何か変化が訪れるわけでもなく、変わらない表情でメールを読むと、すぐにバイトの制服に気軽にて、自転車に乗り、バイトに向かった。会ってる時には相手のことばかり考えていても、結局離れてしまえば私が考えるのはバイトと受験と家計のことだけで、それが昭人と付き合ったからといって変わる訳でもなかった。


付き合ってもうすぐ1ヶ月が経つ。

昭人と私は相変わらずの遠距離だから、最初のデートからまだ1回しか会っていなかったけど、昭人の変わることのないマメなメールと、私からも連絡出来るようにと買ってくれたウィルコムのお陰でなんとか続いていた。

しかし、メールの内容はいつもお互いにおざなりで、付き合った当初だとはとても思えなかった。


バイトの休憩中に、ふと昭人との出会いのきっかけになったサイトを覗いてみた。

たまたまの書き込みを、たまたま昭人が見て、メールしてきた100人の中からたまたま昭人を選んだ。

運命といえば聞こえがいいけど、所詮はこの程度なんだと正直言えばがっかりした。

多分私は、このままなんとなくの相手に今まで通り演技し通して結婚するんだろうな。

そう思ったら、私の手は勝手に、再び掲示板に書き込んでいた。

彼氏が欲しかった訳じゃない。

ただ、この寂しさを埋める何かが欲しかった。


初めて、あの時の昭人の気持ちが理解出来た。


書き込みは前と同じく淡白で、昭人に分からないよう身長、体重を偽造した。


何でもいい、寂しいのは嫌だった。

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