教室で
初めまして!
璃空です!!!
中一です!
初めてかくお話なので少しおかしいことをあるかと思いますがご了承くださいm(_ _)m
主人公である寮は、不思議な力が使えた。ものを動かす力だ。力の名前は均衡を司る力
寮は幼い頃から、ずっと嘘をつき、その力を隠していた。最初の頃は嘘をついていくことに罪悪感を覚えた。幼い心に均等に“嘘”がどんどん積もっていく。
成長していくにつれ、嘘をつくことがあり前だった。
なぜなら、「人と違うことは、生きていくことにおいて怖い事」と思っていたからだ。
涙が落ちる音だけが響く。
誰も笑わない。誰も動かない。
「……俺、人と違う力が使える。」
震える手を見つめる。
「触れなくても、物が動く。均衡を願うほどに」
息が乱れる。
「こんなの、普通じゃないよな。」
目を伏せる。
「みんなからしたら、きもいって思うだろ。化け物とか、近づきたくないって。」
声がかすれる。
「だからずっと隠してた。仲間でいたかったから。」
もう一粒、涙。
「でも、隠してると、自分が自分じゃなくなるんだ。」
ゆっくり顔を上げる。
「怖い。でも、これが本当の俺だ。」
静まり返った空気の中、
初めて“力”じゃなく“自分”をさらけ出し教室はざわつき始めていた。
「すごいじゃん」
「別に変じゃなくね?」
そんな声が混じる中――
一人だけ佐藤が、立ち上がった。
椅子が強く引かれる音。
「……無理だわ。」
空気が凍る。
そいつはまっすぐこっちを見て言った。
「普通に怖いし。そういうの、理解できない。」
喉が鳴る。
「今まで隠してたってのも、正直信用できない。」
心臓が、落ちる。
視界の端が暗くなる。
さっきまで繋ぎ止めていた何かが、
ぷつん、と切れた。
――やっぱり。
胸の奥で何かが崩れ始める。
積み上げてきた“人として嘘でつくったフレーム”。
みんなと同じ枠の中に入ろうとして、
必死に作ってきた輪郭。
それが音を立ててひび割れる。
自分が、自分の形を保てなくなる。
「……ほらな。」
小さく笑ったつもりだった。
でも声は震えていた。
床が近い。
立っている感覚がなくなる。
もう、いいや。
そう思った瞬間――
肩を強く掴まれた。
振り向くと、親友である龍だった。
何も言わず、真正面に立つ。
そして、あいつに向かって言う。
「怖いなら離れればいい。でも、否定する資格はないだろ。」
静まり返る。
龍は、今度は俺を見る。
目が、揺れていない。
「お前さ、どんだけ一人で抱えてきたと思ってんだよ。」
胸が痛い。
「俺がそばにいる」と俺の肩を抱く。
肩を抱かれても、
あったかいはずなのに、何も感じない。
龍の声も、どこか遠い。
「お前はそのままでいい」
その言葉すら、疑ってしまう。
――どうせ気を遣ってるだけだろ。
――本当は怖いくせに。
胸の奥が、ぐしゃぐしゃに崩れていく。
「……やめろよ。」
自分でも驚くくらい冷たい声が出る。
「無理すんなよ。気持ち悪いって思ってるなら、そう言えよ。」
龍の手を振り払う。
教室がざわめく。
「どうせさ、今は味方ぶってるだけだろ。」
喉が焼ける。
「俺、自分のことも信じられなくなってるのに、他人の言葉なんか信じられるわけないだろ……!」
ひとつの沈黙。
龍は、怒らなかった。
傷ついた顔も、しない。
ただ、もう一度まっすぐ立つ。
そして、静かに言う。
「信じなくていい。」
え……?
「今のお前に、俺の言葉が入らないなら、それでいい。」
一歩、近づく。
「でもな、俺はお前を信じるのやめない。」
胸が、わずかに揺れる。
「お前が自分を疑っても、俺が横で信じとく。」
声は大きくない。
でも、揺れてない。
「フレーム壊れたならさ、今は形なくていい。」
ゆっくり、手を差し出す。
「立てなくてもいい。信じなくてもいい。逃げたくてもいい。」
一瞬、間を置いて。
「それでも、俺は隣にいる。」
涙が落ちる。
今度は、冷たくない。
すぐに全部は信じられない。
でも、
“離れない”っていう事実だけは、嘘じゃない気がした。
崩れたままの自分の横に、
ちゃんと立っている人がいる。
それだけで、
完全には壊れきらなかった教室は静まり返ったまま。
俺はまだ、龍の差し出した手を見つめている。
信じきれない。
でも、離れないその姿だけは現実だった。
そのとき。
「……。」
さっき否定したあいつが、動いた。
視線を落として、拳を握っている。
誰も何も言わない。
重たい空気の中、そいつは小さく吐き出す。
「……俺、怖かっただけだ。」
全員の視線が集まる。
「わかんないもの、無理なんだよ。だから先に拒絶した。」
喉が鳴る音が聞こえた。
「でもさ……」
ちらっと、龍を見る。
その視線は、責めるでもなく、ただそこに立っているだけ。
「そこまで言えるやつ、気持ち悪いとか言って逃げてる俺のほうがダサいだろ。」
胸が揺れる。
壊れたままだと思っていた“フレーム”の残骸が、かすかに軋む。
否定の言葉で砕けた枠。
自分で自分を疑って、さらに崩した枠。
でも今、違うものが混ざり始める。
“嘘”で作っていた外側。
“普通のふり”で固めていた接着剤。
それがぽろぽろ落ちる。
代わりに――
信じようとする声。
隣に立ち続ける龍。
怖いと認めたやつの不器用な正直さ。
新しい素材が、静かに積み重なる。
完璧じゃない。
歪んでる。
ひびも残ってる。
でも前より、あたたかい。
龍が小さく笑う。
「ほらな。壊れたほうが、強くなることもある。」
否定したあいつが、目を逸らしながら言う。
「……すぐには無理だけど、逃げないでみる。」
その一言で、胸の奥が少し軽くなる。
俺はまだ全部は信じられない。
でも、ゼロじゃない。
壊れたフレームは、
“嘘”じゃなくて
「信じる」
「仲間」
「怖いけど向き合う」
そんな素材で、
ゆっくり形を取り戻し始めていた。
涙が落ちる。
今度は、崩れる涙じゃない。
再生の音が、確かに聞こえた。教室の空気は、まだ完全には溶けきっていなかった。
ぎこちない沈黙。
でも、逃げるような視線はもうない。
そのとき――
窓の外で大きな音がした。
グラウンド側の古い倉庫の扉が、強風で外れかけている。
ギシギシと軋み、今にも倒れそうだった。
外には下校中の生徒。
「やば……」
誰かがつぶやく。
考えるより先に、体が動いた。
胸の奥がざわつく。
怖い。でも、逃げない。
ゆっくり手を伸ばす。
視線が集まるのを感じる。
「……少しだけ、使う。」
息を整える。
壊れかけた扉が、ふっと動きを止める。
見えない力が支える。
軋みが止まり、扉はゆっくり元の位置へ戻っていく。
静寂。
今度の沈黙は、さっきと違う。
ざわめきが広がる。
「……助かったよな?」
「今の……」
否定した佐藤が、窓の外を見て呟く。
「誰も怪我してない。」
龍が、小さく笑う。
「ほらな。」
俺の手は震えていた。
でも、胸の奥は崩れていない。
怖がられるかもしれない。
距離を置かれるかもしれない。
それでも、今は違う。
誰かの役に立てた。
“隠すための力”じゃなく、
“守るための力”として使えた。
後ろから声がする。
「……ありがと。」
小さいけど、はっきり聞こえた。
別の声。
「正直まだびびってる。でもさ、さっきのは普通にすげぇ。」
否定したあいつが、少し照れくさそうに言う。
「……頼るとき、頼ってもいいか?」
胸の奥で、何かがはまる。
壊れたフレームの最後の隙間に、
静かにピースが収まる。
俺は初めて思う。
“受け入れられた”んじゃない。
自分から、みんなの中に入ったんだ。
親友が肩をぶつけてくる。
「お前、もうとっくに中にいたけどな。」
視界が滲む。
でも今回は、崩れる涙じゃない。
あたたかい。
やっと、自分の形のまま――
みんなの心の中に立てた気がした。ーー
次の章は、3月4日に投稿予定です!!
次もお楽しみに!




