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鵺の声  作者: たま
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研究室

「あれ?こんな所に縁のない2人が来たよ!どうしたの?」研究室には、同じ歴史研究会のメンツがいた。

イヤな感じだ。

「僕らは安藤教授とこれから茶話会なんだけど…来る?まっ、分かんないよなあ〜来ても。」ワザと嫌みを言う。他のメンバーがクスクス笑う。

4年生3年生は普通の学生なんだが、2年1年は明らか研究者狙いの奴らなのだ。

京大入れば良いのに、学力足りなくてズルして院だけ京大狙いの奴らだ。先生の推薦があれば、確実入れるだろう。

「受験で頑張らなくても院だけ京大行けば、最終学歴京大だもんね〜

先生を利用しょうなんで!コスいなあ〜君達」藤田先生が自分の部屋から顔を出して笑う。

「藤田教授!そんな事は!」部屋でまだ執務中の安藤教授に聞こえてしまう!歴史研究会のメンバーが焦る。

「フフッ、安心しなさい。

京大の院は推薦だけじゃダメだから。論文がダメだと無理だから。

先生も自分の推薦者が落ちたら、良い面汚しだからな。」と笑う。

日本中世史の藤田教授は、こんな人なのだ。

「電話で驚いたよ。中に入りな。君等がちゃんと歴史に興味持ってくれただけでも私はうれしいよ。

いつも白目剥いて寝てるからな。」と頼政と友美を部屋に招き入れてくれた。


入るとジャスミンティーの爽やかな匂いが部屋に立ち込めていた。先生はアジア史の教授と2人でしょっちゅう中国や台湾へ遊びに行ってるのだ。

なので本場のお茶を飲んでいるのだ。

「すごい!美味しい〜」友美は感動する。

「日本茶もそうだが、やはり本場は全く違うからなあ〜烏龍茶も凍頂烏龍があるぞ。飲むか?」と友美に勧めている。

「先生、すみません。鵺について少しお話聞きたいんですが。」すっかり茶話会と化してる女性2人に割って入る。

「鵺の話が出てきたのは、やはり藤原詮子からだな。

彼女は道長の姉だったが、藤原家のために女としてあらゆる辱めと屈辱に耐えた女性なのだ。」藤田教授が説明する。

「あっ、テレビの連ドラで最近見ました!

演じた女性の演技も凄かったです。すごい怨念感じる演技でした。」友美はドラマは大好きで良く観る。それで歴史に興味を持ったのだ。

「そうだよ!君は藤原家で東三条院に長く続く家柄だったな。もしかするとご先祖様に藤原詮子が居るかもな。」と先生が笑う。

女性だが、本当に爽やかで男らしい女性だ。

歯に衣着しない語り口も心地良い。心地良すぎて、つい寝てしまうのだ。

「彼女が息子がやっと一条天皇となり、東三条院として東山の森に隠居してから鵺の噂が立つようになったのだ。」藤田教授が説明する。

「つまり鵺は女の恨みつらみから生まれた妖獣なんですね?

じゃあ、今でもそんな女性が東山に居たら…また鵺は復活しますかね?」頼政が聞く。

「ハハッ、君は面白いな!確か丹波の出だったな。

源氏の若武者が鵺を退治したのだよ。彼の墓が確か丹波の山にあるはず。君はもしかしたらその子孫かもな。」ウインクして2杯目のジャスミンティーを淹れてくれた。

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