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鵺の声  作者: たま
19/21

野蛮人

「そうよ!アナタ、元は警察の野蛮人なのよね。

焚き付けてやろうと煽ったのに無視して、つまんなかったわ。

もっと遊びたかったのに〜」ケタケタと清子さんが笑う。

本当に学童を憂さ晴らしの場所だと思っていたのだ。

「分かってたから無視してんたんだよ!この化粧オバケ!

香水でババアのうん◯の臭い消えてないんだよ!

金に目がくらんで、良いように使われて利用されて!

みっともない女だよ!ちゃんと裁判でもぎ取れよ!

勝てる自信ないから、学童へ来たのかよ!」

恭子さんは、こんなガラの大変悪いヤクザみたいな人だったとは…

「うるさい!うるさい!だまれ!だまれ!

どうしても排泄物の臭いが取れなくて…寝ててもずっとトイレで寝てるみたいで…

私がどんな思いで介護してきたと思うのよ!

夜だってまともに寝られたことないのよ!この10年!

毎晩10回以上トイレ連れて行って、でも漏らして、私の顔に塗りたくるのよ!あのクソババア!

旦那が陰で秘書とあのクソ臭嫁と笑っていたのも知ってるわよ!

あの老いぼれに!

金のためじゃなきゃ、世間体の為じゃなきゃ!

嫁ぐ訳ないじゃん!

クソックソックソーーーーーッ!」

清子さんの身体が、どんどん変化していく。

身体中に毛が生え、顔はしわしわと赤ら顔の猿に。手は大きな爪が生え、身体は四つんばいの虎に。

尻尾がみるみる伸びて蛇のように。

叫ぶ声も鳥のように…

「ヤバい!」恭子が竹刀で清子さんだった者のノドを一突きにした。

スゴい力だったのか?ノドに穴が空いた。

学童の玄関扉のガラス戸に竹刀ごと鵺が張り付けにされた。

受付後ろの窓から友美を連れて上履きのまま逃げ出した。校庭に飛び出す。

「友美!」バイクのまま、頼政が校庭に乗り込んできた。夜空に巨大なスフィンクスのようなシルエットが浮かぶ。

ノドの穴が塞がらないのか声は聞こえない。

が、フゴーフゴーと風切音はする。

「アレが鵺なのか?スゴい!不死身なのか?ノドに穴が空いてるのに!」ノドだけ後ろの月が見える。

「恭子さん!」有間も校庭に入ってきた。

「連絡はしたけど、アキラが本当にダウンしてるんだ。地霊が鵺に味方してる。

いつもはアキラ寄りなんだが…」有間が困惑してる。

死者達はいつもアキラに味方してたのに。

「鵺は、家制度の為に犠牲となった女達の怨念ですからね!仕方ないですよ!それより、穴がどんどん塞がってきてませんか?

声を聞いたら全員死にますよ!」恭子はジリジリと焦るが、高く飛ばれて、もう攻撃できない。

必死で考えるが、このままでは皆殺しだ。

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