告白
「頼政?お風呂どうぞ〜」上がった友美が元祖母の部屋で仮住まいしてる頼政に声掛ける。
頼政は部屋でオンラインゲームに興じていた。
本当はバイトに行きたかっただろうに。
友美が学童で働く条件として、母のミキも出勤してる日で一緒に帰宅できるか、遅番の場合は頼政がバイトを休んで迎えに行く。
と言う条件でOKが出たのだ。
学童は若い子なんて、なかなか入って貰えないので条件付けても友美は即採用になった。
観光産業の方がずっと時給が良いのだ。皆そっちへ行ってしまう。
「ゴメンね…ありがとう。バイトしたかったろうに、私の迎えで潰しちゃったね。」友美が頼政のベッドに座って髪を拭く。
「どうした?友美らしくもないな。居候させてもらって夕飯も食べさせて貰ってるし、お迎えくらいしないとな。」頼政はさも当然と言う感じで言う。
さっき清子さんの話しを母から聞いて、周りの人を大事にしないといけないなと改めて感じたのだ。
頼政がそばに居るのは当たり前じゃない!
清子さんは、普通というレールの上を歩いて、うまく生きてるつもりになってるけど、
本当は地獄の道を歩いてるのだ。
敷かれたレールが幸せなんて事は、絶対無いのだ。
人生はそんなに甘くない。
友美は自分だけで生きてるつもりだけど、実は母や頼政がガチッと友美の周りをガードしてくれているから、大学も家も安心して暮らせているのだ。
どんだけ自分が恵まれているか?
思い知った気がする。
「…あのさ…憧れの人が居るって言ってたじゃん。
昔、保育園の帰りに会ったって。」友美が言いにくそうに話す。
「おーっ、そう言えば、言ってたな。だから、俺とは付き合いたくないって。」ゲームの手を止めて頼政がニャッと笑う。
「…今日、もう1人スタッフを迎えに来てた男の人居たじゃん。あの人が…その…昔のお兄さんなんだよ。」友美は身体をモジモジさせながら話す。
「ちょっ、ちょっ、待て!あーーーッ負けた〜ッ!
エッ、本当に居たんだ!そのお兄さん!
あの綺麗な美中年!お前が昔会ったお兄さんだったのか!
スゴいな、お前。良く覚えてたな〜」頼政的には、ほぼ幻の人間だったのだ。
「あっ、でもスタッフさんと同棲してるって言ってたな。あの熟女さんもムードある人だよな…なんかエロい。」頼政の頭を友美がスリッパで叩く。
「もう!人が真剣に告白しょうとしてんのに!
なんで、アンタはブッ壊すのよ!もう!」友美が泣きそうな顔になる。
「ゴメン、ゴメン!そりゃ、ずっと思ってた人だしな。ダメ元で告白しても良いと思うぞ!
告白するのは自由だ!」頼政が謝る。
また友美がスリッパで頼政を叩いた。
「違う!私はアンタに告白したかったの!
ちゃんと付き合って下さいって!
もう、もう、ホントにバカ〜っ!アホ〜っ!」友美は座り込んで泣いてしまった。
「エッ、本当に良いの?美中年に振られてからでも良いぞ?」その瞬間、友美が頼政をビンタした。
「ホントにバカ!会って、あの人が普通の人間で私の頭の中で勝手に王子様にしてただけだって分かったの!
私の本当の王子様は、アンタだって分かったの!」パンパンパンとサウンドパンチが頼政の両頬に入る。
「…イタい!結構本当に痛い!」と自分の頬を撫でながら頼政がニヤニヤする。
「イタいけど、うれしい!ありがとう!」と頼政が友美を抱きしめる。
「…頼政はどうなの?私の事、どう思ってるの?聞かせて!」友美がまだプンスカしてる。
「…アホか!好きに決まってるだろ!入学式から一目ぼれなんだよ!バカッ!」とキツく友美を抱きしめた。
「…アンタのほうがバカよ。」と言いながら友美も頼政を抱きしめた。




