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元社畜ニート、農民でしたがなんか最強になりました。  作者: 寂しがり屋のサンタクロース
4/4

第4話 出発の日

どうも、こんにちは!

寂しがり屋のサンタクロースです


本日も本作をご覧いただき、ありがとうございます!

この作品は、戦うつもりなんてなかった元社畜が、のんびり農民として暮らそうとした結果――気づけば世界最強になっていたという、スローライフ系異世界転生ファンタジーです


今回のお話は、【 リンドウの“農民としての誇り”と“新たな決意”が明確に 】です。

主人公・リンドウの視点から、少しずつ広がっていく世界や、キャラクターたちの小さな変化を楽しんでいただければ嬉しいです!


それでは、【第4話】をお楽しみください!


――寂しがり屋のサンタクロース


 ――出発の朝は、思っていたよりも静かだった。


 空は雲ひとつない青空。

 昨日までと同じように、鳥の鳴き声が聞こえ、村の風は心地よく頬を撫でていく。

 けれど、今日だけはすべてが少し違って見えた。


「……今日から、俺は“農民”じゃなくなるのか」


 荷物といっても、農具と最低限の着替えくらいしかない。

 戦うための装備なんて一つもないし、鎧も剣もない。

 だが、王都へ行く以上、“冒険者候補”としての人生が始まるのだ。



「リンドウ、もう起きてるのね」


 母が優しく声をかけてきた。手には温かいパンと野菜スープ。

 “最後の朝食”だと思うと、胸の奥が少しだけ痛んだ。


「うん、ありがとう。……なんか、実感わかないな」


「当たり前よ。昨日まで畑を耕してた子が、今日から王都行きなんだもの」


 母は少し笑って、それから寂しそうな目で俺を見た。


「……でもね、誇りに思ってるの。あなたは、この村の希望だから」


「俺は、ただの農民だよ」


「“ただの農民”が、オーガを倒して、王都から呼ばれたのよ? 胸を張りなさい」


 母の言葉が、静かに心に染みた。



 家の外に出ると、父と弟妹たちが待っていた。

 皆、笑顔で手を振っている。けれど、その目はやっぱり少しだけ寂しそうだ。


「父さん、今までありがとう」


「何を言ってるんだ。まだ終わりじゃないだろう。……行ってこい、リンドウ。畑は俺たちに任せろ」


「兄ちゃん! ぜったい帰ってきてね!」


「お土産、絶対買ってきてよ!」


「……おまえら、王都ってそんなに気軽に行ける場所じゃないんだぞ」


 笑いながら頭を撫でると、みんなが声を上げて笑った。

 ――ああ、やっぱりこの村が好きだ。この空気が好きだ。


 だからこそ、必ず帰ってこよう。

 強くなって、胸を張って、この道をまた戻ってこよう。



「――リンドウ殿」


 村の入り口で待っていたのは、王都から来た騎士・ギルバートだった。

 あの時の威圧的な雰囲気は少し和らぎ、今は穏やかな顔をしている。


「準備は整ったか?」


「ええ。……まぁ、心の準備はまだですけど」


「心など、旅の途中でできるものだ」


 ギルバートはわずかに笑って、馬車の扉を開けた。


「王都までは五日の道のりだ。道中は我々が護衛する。安心して乗るがいい」


「……はい」


 振り返ると、村人たちが大勢集まっていた。

 手を振る人、涙を流す人、声を枯らして名前を呼ぶ人――その全てが、俺の背中を押してくれているようだった。


「リンドウ! 頑張れよー!」


「帰ってきたら自慢させろよー!」


「今度は“農民の勇者”だ!」


 ……勇者って、そんな大層なもんじゃないけどな。


 でも、心の奥でほんの少しだけ、胸が熱くなっていた。



 ゴトゴトと馬車が動き出す。

 見慣れた景色がゆっくりと後ろへ遠ざかっていく。


「……行ってくるよ、みんな」


 小さく呟いた言葉は、風に乗って消えていった。


 ――ただの農民として生まれた俺が、いま新しい世界へと踏み出す。


 この旅の先に何が待っているのか、まだ何もわからない。

 だが一つだけ確かなことがある。


「……絶対、帰ってくる」


 畑の土の匂いが残る手を握りしめながら、俺は静かに誓った。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

寂しがり屋のサンタクロースです


今回のお話は【 家族・村人たちとの温かい別れが描かれる 】でした。


リンドウの“のんびり農民ライフ”はまだまだ始まったばかりですが、今後も少しずつ世界が広がっていきますので、ぜひ楽しみにしていてください


次回は【 舞台は王都…の街道? 】になります。


感想・ブクマ・評価など、どれかひとつでもいただけると作者は泣いて喜び、鍬を振り回しながら原稿が爆速になります

応援してくださる皆さんと一緒に、ゆっくりと物語を育てていけたら嬉しいです!


それでは、次回もどうぞよろしくお願いします!


――寂しがり屋のサンタクロース


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