第3話 鑑定と真の力
どうも、こんにちは!
寂しがり屋のサンタクロースです
本日も本作をご覧いただき、ありがとうございます!
この作品は、戦うつもりなんてなかった元社畜が、のんびり農民として暮らそうとした結果――気づけば世界最強になっていたという、スローライフ系異世界転生ファンタジーです
今回のお話は、【 ステータスと真実 】です。
主人公・リンドウの視点から、少しずつ広がっていく世界や、キャラクターたちの小さな変化を楽しんでいただければ嬉しいです!
それでは、【第3話】をお楽しみください!
――寂しがり屋のサンタクロース
――翌朝。
いつもと同じ朝日が昇り、いつもと同じ鳥の声が響く。
だけど、俺の心は少しも落ち着いていなかった。
「……王都行き、か」
昨日のあれは夢じゃなかった。
“王命”という言葉が、俺の人生をあっさりとひっくり返したのだ。
断る権利はない。逃げる道もない。
強制的に「冒険者候補」として王都に向かわなければならないらしい。
「リンドウ、準備は進んでいるか?」
朝食のパンをかじっていると、家の扉を叩く音と共に村長が現れた。
「……正直、全然心の準備ができてません」
「そうだろうな。だが、その前に一つ済ませねばならんことがある」
「……済ませねばならんこと?」
「ああ。“ステータス鑑定”だ」
◇
村の中央にある小さな神殿――それが村人の信仰と祈りの場だ。
神官が常駐していて、成人や新米冒険者はここで自分の“ステータス”を鑑定してもらう。
俺は今まで、そんなものに興味もなかった。
農民にステータスなんて関係ないと思っていたし、知ったところで何も変わらないと思っていたからだ。
……だが、今は違う。
「おや、リンドウか。ついに来たか」
出迎えた神官の老爺は、俺を見るなり目を細めた。
オーガ撃退の噂はここまで届いているらしい。
「まったく、お前のことは村中の話題だよ。……さあ、この水晶に手を置きなさい」
神殿の奥の祭壇。そこに置かれた透明な水晶球に、恐る恐る右手をかざす。
――ピキィン。
澄んだ音と共に、水晶の中が淡く輝き始めた。
やがて浮かび上がる光の文字。それは、この世界における“己の本質”だ。
◇
【鑑定結果】
名前:リンドウ
年齢:16
職業:農民(※分類:一般職)
種族:人間
筋力:SS
俊敏:S
体力:SS
魔力:S
知識:A
運:S
固有スキル:
・「大地の祝福(Passive)」:大地に触れることで全能力が持続的に上昇する
・「収穫者の理(Passive)」:自然と生命エネルギーを吸収・還元し、成長を加速させる
・「未知(???)」:条件未達
◇
「………………え?」
あまりの文字列に、俺は一瞬理解が追いつかなかった。
「な……なんだこれは……?」
横で覗き込んだ神官が、声を震わせていた。
村長も目を丸くして、思わず水晶を二度見している。
「F〜Sが人間の常識のはずだ……。SSなど、王国の歴史でも数人しか確認されていないぞ……!」
「筋力も体力もSSだと……? 農民でこれは……いや、もはや人間なのか……?」
「……い、いやいや、ちょっと待ってください。俺、本当に鍬とスコップくらいしか握ってないですよ?」
冗談抜きで、本当に“耕してただけ”なのだ。
筋トレも修行もしていない。冒険者のような戦闘経験もゼロ。
ただ――“土を触って”“作物を育てて”いただけで、俺はこの領域に立ってしまっていた。
◇
「これは……神の加護を受けているとしか考えられん」
「加護……?」
「“大地の祝福”と“収穫者の理”……。どちらも、古代の伝承に記される“創世の民”が持っていたとされる伝説級のスキルだ」
「伝説級って……いやいや、俺、ただの農民ですよ!?」
「ただの農民が、SSを超えるかね?」
神官の言葉に、ぐうの音も出なかった。
――“未知”と書かれたスキル。
それが何を意味するのかはわからないが、間違いなく“何か”がまだ眠っている。
◇
神殿を出ると、村の空がやけに広く見えた。
「……俺、どこへ行くんだろうな」
農民として静かに暮らすはずだった。
けれど現実は、もう後戻りできない場所まで来ている。
王都行きは決定した。
あとは、流れに身を任せるしかない。
――これはきっと、“ただの農民”では終わらない運命なのだろう。
「……はぁ。畑、恋しくなるな」
呟いた声は風に乗って消えていった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
寂しがり屋のサンタクロースです
今回のお話は【 衝撃のステータス。チートレベルの強さ…しかし本人は畑仕事を望む 】でした。
リンドウの“のんびり農民ライフ”はまだまだ始まったばかりですが、今後も少しずつ世界が広がっていきますので、ぜひ楽しみにしていてください
次回は【 家族との別れ 】になります。
感想・ブクマ・評価など、どれかひとつでもいただけると作者は泣いて喜び、鍬を振り回しながら原稿が爆速になります
応援してくださる皆さんと一緒に、ゆっくりと物語を育てていけたら嬉しいです!
それでは、次回もどうぞよろしくお願いします!
――寂しがり屋のサンタクロース




